第10話 ステータス見せるといい字数稼ぎになるよね

朝だ。久しぶりにこの時間に起きた気がする。なにせ、今まで色々あって忙しくて不規則な時間に寝ているもんだから、起きる時間なんかが昼だったり夜だったりしていた・・・やっぱ二度寝しようかな?

寝るで思い出したけど、未だにステータスにはよくわかっていないところがあることは前にも言ったが、その一つとして、HPというものがある。0になったら死ぬとか言われている体力ゲージというよりもデスカウントみたいなものだと思っている。まあ、HPが0になったときに本当に死ぬのかどうかは誰にもわかっていないけど。

・・・あまり触れたくない話だが、【蘇生リザレクション】というスキルがある。説明によると、死者を蘇らせる可能と書かれているが、死体に使っても・・・・・・

うん、こんな話はやめとこう。これ以上は思い出したくないし、あんなことはとっとと忘れよう。そもそも、HPなんか重要じゃないし、あくまでただの指標として考えればいいだろう。

あ、あくまで思い出したけど、昨日ダンジョンに入ったけど、宝箱とか見つけてないじゃん!

・・・ま、いいか。それよりも、【召喚サモン】に関して昨日は思いつかなかったけど、今考えれば我妻さんの固有スキルを使えば分かるのではと今更思いついた。昨日は散々やってくれたし、少しは利用させてもらおう。

何があったかというと、ダンジョンから帰ってきた時まで遡る――


まさか、出入口という名のワープゲートの先が、水中だなんて思わなかった。人が全くいなかった理由がよく分かったよ、でもさ、注意書きの看板とか置いておくべきでしょ。

おかげで全身ずぶ濡れだ。

まあ、【洗浄クリーナップ】を使えば問題はないんだけど。そういえば、スキルは基本的には使用する時使うという意志と、スキル名を唱えることがトリガーとなる。どうやって帰ってきたのかというと、ステータス画面から直接使うという手で帰っきた。まあ、ステータスの操作に関しては手は使ってないけど。なんかよく分からないが、ステータスに関しては、思った通り、直感で動いていくとしか言いようがない。ただ、手で動かすこともできる。よく分からないものを使うなとか言われそう、というより実際言われているけど便利だから仕方ない。危険という意見に関しては確かに正しくはあるけど、そんなことを言ってるのはだいたい妬みからきているだろう。

そういえば、実凪と我妻さんは何をしているのだろうか。と、ちょうど二人のいる部屋の扉の前まで来たからそこで確かめればいいか・・・なんだか中がうるさい。

扉を開けると、そこには宝部屋こと物置にあったはずのアイテムが散乱していて、そこに二人がいた。


「おい、何してんだ!」

「お、帰ってきたんだ、もうすぐ終わるからちょっと待ってて」


うるさかったのはこのせいだったのか。とりあえず、隣で眺めてる実凪に何があったか説明してもらう。


「何があったんだ?」

「『僕に良い考えがある』といきなり言い出しと思ったらこうなっていました」


こうなるのは家の中を見た時点ですでに想像していたが、いくらなんでも行動が早すぎるだろ・・・どうしたらここまでというくらいゴミの山だった理由がよく分かるけどこれでよくこれで今まで研究とかできたよな。


「よし、完成!名付けてインディゴチャイルドだ!」


何を作っていたのかと思ったら、どうやら実凪に渡した例の銃を改造していたそうだ。


「これはワープゲートを作り出すことができるように改造した銃だ!いや~、一目これを見てから作れると思ったんだよね~」

「ちょっと待て、それ、ここのコアじゃないか!どこから見つけ出したんだ!」

「どこって、でっかい椅子の下にあったけど?」


隠してんだよ、わかるだろ!大事なものなんだぞ!

しかもこの後「早速実践だ!」とか言い出して車を部屋の中に持ってくるはそのまま車の中で寝るはでもう最悪だ。


――と、こんなことがあった。

ちなみにコアというのはこのアジトを動かしてるもので、これが壊れたりするとおそらくここ自体が崩壊し得るものだからアジト内にある分には問題はないが勝手に持ち出したりとかは二度としないでほしい。使い方を聞きに行くついでに杭を・・・あれ、なんだっけ、出る杭は打たれる?

・・・まあともかくちゃんと注意しておくか。と、その前に朝ごはんも食べておこうか。

思えば朝ごはん自体も久々に食べる気がする、というより完全に生活リズムがおかしくなっていたから一日三食とかそんなものはなかったけど。

さて、朝のごはんといえば手早く摂れるものがいいだろう。なので、そう、卵かけごはんが一番いい。米の上に卵を割ったものをそのままのせてかき混ぜた後にしょうゆをたらす、これで十分だ。

そういえば卵といえば、すべてのモンスターは卵から生まれてくるのだろうか。だいぶ前に戦った蜘蛛型のモンスターは、背中にある大量の卵から小さい蜘蛛型モンスターを出してきたということは鮮明に覚えている。獣型のモンスターからも【解体ディスアセンブル】をしたら卵を落としたということが一回だけあった。あの時は【使役テイム】なんかも知らなかったしそもそも例の災害もあって間もなかった頃だったから、【鑑定アプレイザル】をして例のモンスターの卵と分かるとそのまま砕いた。今考えるとあれが仲間になっていたら戦闘もだいぶ楽になったとものすごくもったいないこととをしたと思ったが、あれを叩き割ったおかげでコアがでてきたから後悔はしていない。

――食べ終わったし、食後の運動というところであの謎の犬耳女を叩き起こしに行くか。

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