第9話 まさかの放置プレイ
「その羽、飾りじゃなかったのか」
「当たり前だろ、(いくら下級とはいえ)悪魔だからナ!」
小声で言っても聞こえているぞ、なんだかどんどん惨めになってきてないか、こいつ。
それはそれとして、今、どうなっているかというと、この自称悪魔からどこから来たか聞き出したら、近くに洞穴があって、空間に裂け目に入ったらそこにいたらしい。これで自分で探す手間も省けたから少し褒めたところ、調子に乗って案内まで名乗り出た、ちょろいぜ。
ペット・・・じゃなくて、【
まあ、でも一度飼った生き物は最後まで面倒をみないといけないか。それに、悪魔と言ったら勝手に悪さするイメージだし、秘密結社の一員としても使えそうだ。
「ここダ、マスター総帥」
「どう見ても、ただの洞穴だな」
特に変哲もないただの洞穴だ。今は辺りが暗くなったから【
「ア、アレ、オカシイな、たしかココにあったはずだが・・・・・・」
「そんな嘘つかなくてもいいから、夜目が効くんだろ、他をあたろう」
「嘘じゃねえっテ!悪魔は嘘はつかないからナ!」
嘘だろうが嘘じゃなかろうが、どうでもいい、色々あったが今はもう光がないと辺りが見えないくらい暗くなっている。ダンジョン外と違って街灯もないから本当に暗い。
「テカさ、オイラ、もしかしなくても帰れなくナッタ?」
「知らん」
「どうシヨ、トーチャン、カーチャン、オイラ、モウ・・・」
「悪魔に両親っているんだ。てっきり自然発生するものだと思ってた」
「ドボジデぞんなゴドいうんダー!」
悪魔も傷つくのか、と追い打ちをかけそうになったが、流石に可哀想なのでためらった。
「まあまあ、そういえば、まだ名前を聞いてなかったな。インプってのは種族名だろ、知ってる」
「ナンだ、ニンゲンはいちいち名前を付けるのか?」
「逆に聞くけど名前がないと不便じゃないの?」
「不便?どこがダ?オイラたち下級悪魔はそういうモンだって言ってたシ、名前はメイヨだとも言ってたナ!」
ふーん。悪魔ってのは割かし本当のことかもしれないのかな。というかなんだ、こちらをキラキラした目で見てくる、絶妙にキモいな。
「いや、名付けないからな、別にインプでもお前以外を呼ぶわけじゃないし」
うわ、今度はしょんぼりしてる。悪魔って、こんな感情豊かなのか?もっと人をそそのかしたり狡猾で極悪なんだと思っていたんだけど。まあ、所詮下級悪魔だからか。
「そんなに名前がほしいのか、仕方ない、じゃあ人が辺りにいない通れそうな出入口を見つけたら名付けてやってもいいぞ」
「ホントか!?オイラ、頑張ル!」
***
まあ、結局すぐ近くに別の出入口があった。あの悪魔は逆方向を探しに行ったからここにはいない。どれだけ使えなければいいのか・・・。
まあ、そんなことはどうでもよくて、試しておきたかったこと3つをやってみるか。
まず一つ目、【
と思ったのだが、できなかった。というよりかは、そもそも発動ができてない。MPすら消費してないということはつまり、現在のMPでは足りないということだ。
ただ、つなぐことができるという感触はした。強めのスキルを使ったが、MP不足で結局つかえなかったということと似ている。
二つ目は、ここで使うのはちょっとだけもったいない気もするが、そう、このシルクハト、ただのシルクハットではない。もちろんドロップアイテムの一種だ。ついでに言うとこれはスキルが使えるというレア物だ。どういうスキルかというと、それは【
・・・・・・ところで、【
スキルに関しては、ステータス内で一応説明があるから、使い道はわかるんだが、こういうアイテムに関しては【
とりあえず、【
言い方が悪いのかと、【
・・・うん、これはちゃんとドロップアイテムで合っている。ということは、使い方が本当に不明だ。
ということは最後の試したいことは今は無理かな。
この【
あのインプを待つのも時間がもったいないし、もうここから出てとっとと帰るか。どうせ悪魔だしなんとかなるだろ。
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