第6話 思ってたんとちゃう
おかしいダンジョンといえば迷路だったり建物の中なのが相場が決まってるはずなのに・・・
――辺りは完全に湿地だ。それに空もある。異空間と聞いていたが、現在と同じ夕焼けが見れる。ここにいるモンスターも見る限りだとニワトリくらいの大きさのカエルとかでかいトンボみたいなムシっぽいやつばっかだ。
うん、なんだろう、この・・・なんていうか・・・ものすごく冷めた。
まあ、気を取り直して再出発だ。そもそも目的はダンジョンを楽しむことじゃなくて、レベルを上げることだ。さっきまでそのことも忘れていたのは内緒。
それにしても、入り口付近には全く人がいない。奥の方に行って強いやつにレベルを上げてもらう、いわゆる養殖でもやってるのか?できるかどうか知らないけど。
なんにせよ俺には関係のないことだ。とっととカエルでもしばいて帰ろう。と、その前に、確認しておきたいことが一つある。俺はおもむろにステータスを開く。
・・・やっぱりMPが回復している。色々試したところMPは3秒に1回復していることが分かった。なぜだかわからないが、便利だからいっか。
とりあえずの疑問は晴れたし、カエルしばきに行こう。
――で。このカエル、【鑑定】をしたところ、レベルが1のビッグフロッグという名前ということが判明した。
結局のところこのカエル、【
「な、なんだ!?」
後ろを振り返るとカエルがいた。さっき倒したのと同じやつだ。不意打ちとはなかなかやるじゃないか、カエルめ。【
うむ、これでも一撃だ。どんどん倒していこう。
次はこのトンボ、レベル2のフライドラゴンか。【
ところで、スキルは基本的にはMPを消費して恩恵を受けるというまさにゲームのような形だ。中でも魔法スキルと区分されたものは、使用時に魔法陣が現れる。その魔法陣を解析した結果、なんでも魔法陣とその魔法スキル名を言うだけで誰でも魔法を使えるようにらしい。ちなみにMPを消費するらしいく、それで誰でも魔力が存在すると判明したそうだ。まあ、今となっては【
・・・・・・カエルやらトンボやら20体倒してもレベルが上がらない。【
いやまあ、一人心当たりがあるけどそれには戻る必要がある。もっと強い敵を倒せばレベルが上がるはず・・・ってん?
なんだか近くが騒がしいな、ちょっとだけ見てみるか。
「だから、この先には今は強いモンスターがいるから危険と言っているじゃないですか!」
「ダイジョブだって言ってんだろ!俺らはもう十分強くなったっつの!それぐらい余裕だっつの!」
そこには男3人が女1人に制止されいている姿があった。すごい・・・男のほうの髪型、どうみてもグーチョキパーだ・・・!どうやって整えたんだ?
「余計なおセッカイなんや、嬢ちゃん。わてら、こう見えてもちゃーんとつよいんや」
「オラども、2階層まで潜れるから平気でまんねん」
そう言った彼らは脇目もふらず進んでいってしまう。
「本当に危険ですから!・・・・・・はぁ・・・」
女の方もそう言って逆方向へと足を運んでゆく。うーん、女の方はどこかで見たような気もしたが、気のせいだろう。
それよりも、すごい髪型トリオのほうが気になるからそっちのほうを追いかけるか。
「オイオイ、嘘だろ・・・」
「こんなの、きいてないんやが・・・」
「どうみてもスライムでまんねん」
そう、そこにいたのはスライムだった。まあ、スライムはカエルやトンボに比べれば強いとは思うけど流石に言い過ぎではと思ってしまう。が、三人組がそのスライムに近づいた瞬間、地面から巨体が現れた。
「な、なんじゃこりゃー!」
「と、とにかくずらかるぞ!」
あれ、逃げ出した。どうせなら活躍が見たかったのに。ざっと見て人の5倍くらいはある巨大なスライムだ、まあビビッて逃げるのも仕方ないのかもしれない・・・あ、くしゃみが出そう。へっくしょん!!!
うん?なんかこっちに近づいてきてないか?あ、そうだ、スライムは目がないから振動とかで人の場所がわかるのかー・・・ってそんな呑気なこと考えている暇ないって!あれ今の状態じゃ絶対勝てないって!に、逃げろー!
なんだこいつ、俺を追いかけてくるぞ、しかも結構速いし!とりあえず、【
レベル10 メガスライム【
【
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