第66話 ばばかり

お玉の「あんた、闇のゴリラゲリラ?」

とみんなに聞き回っているのを

知った学校カーストの中間派は焦った。


「おのばばあ、あっちこっちでゴリラゲリッタは誰?とか聞いてるわよ。」


「私にはゲリーノサナダムシって聞いてきたわよ。」


「えっそうなんだ。

私には浪速のモーツァルト死んだの知ってる?

とか言ってきたわよ。」


「皆さん!おしすがに!

あの庭野玉子って年寄りは、名前を出してはならないあの方を探しているようね。」


「そっそうだと思います。

どうなさいますか?」


「そうね、黙って静かにしていただきましょうか?

いつものように、、。」


「わかりました。では、下層に伝えておきますわ。」


下層階級の生徒のスマホに一斉LINEが送られた。

「庭野玉子を処刑。」


その下層カーストにはあのちゃんこと天野しずくもいた。

「ええええええーーーーーっ、あのあのあのああのあののののののーー!

こここりぁてえへーんだあーでございするりんこ!」


あのちゃんはただ、ジタバタしただけで

朝を迎えた。

(役に立たないのである)


お玉はいつもどおりに、靴箱に自分の上履きを

取ろうとしたら、そこには犬のフンが鎮座マシマシていた。

「おいおい、かりんとうかよ。

わりぃなぁ。んでも虫歯の治療中なんだよな。

かてぇもんはいけねぇ、いけねぇ。

あ、そうだ、クラスの奴に持ってたやろっと。

鼻紙にくるんでと。」

お玉は、それを持って教室に入った。

すると机には花瓶に花が活けてあり置いてあった。


「おっ、なーんだ、今日はついてるな。

かりんとうは貰うし、花まで飾ってあんじゃん。

だーれーだーか、しんねーけどー!

あーりがーとーよーーっ!」

お玉は雄叫びをあげた。


「あっそうだ!!

かりんと好きな奴いねーか?

うまそうなの貰ったんだ?」

お玉はそう言うと、みんなに犬のフンを

見せまくった。


みんなはあまりの出来事に沈黙した。

そして目を逸らした。


そこへヘムが朝礼で教室に入ってきたのだ。

「庭野さん!!

何をしてるんです?みんながドン引きしてるじゃないですか?

手に持ってる物を見せなさい!!」

(ちっしょう、お玉のやろう、また何をしでかしやがった、あーーん?)


「あ、せんせー。かりんと食わねえか?」

お玉


「なんですか?

ごえっ、くつさーーぅ。

庭野さん!これは犬のフンです!

なーにがかりんとうですか!!」

(こいつーー、また、おかしな事やり始めやがった、、。) ヘム


「えーっ、これ犬のクソだったのかー!

どーりで、変な臭いすると思ったぜ。

食わなくてよかったなぁ。」お玉


「いったい、どこで拾ってきたんですか?」

(お玉、ボケやがるのも早すぎるだろーが!)

ヘム


「あのよ、上履きの中に入ってたんだよな。

あー、誰かのお土産かなって思ったんだ。」 お玉


(お玉、、。そいつぁ、嫌がらせなんだ。

てめえ、そんな事もわかんねーのかよー!)

「あら?庭野さんの机に花瓶に花が、、。

これはどうしたのですか?」ヘム


「あー、誰かのプレゼントだよ。」お玉


ヘムは机の上を見た。

寄せ書きがおいてある。

「お花気に入ってくれるといいな

 まっかな花は貴方にぴったり

 えんがわにさいてたの

 なん本もね

 んー、気に入ってくれるかな🥰

 かわいいでしょう

 しろいのは

 ねこじゃらしだよ🐱」


ヘムはそれをじっと見る。

これ、お、ま、え、な、ん、か、し、ね

じゃねぇか、、。


お玉は犬のフンをマサカリ投法で窓からぶん投げた。


「なっ、こんな色紙までもらっちまってよ。

あたい、人気者なんだなぁ。」お玉


お玉、お前、バカたれで良かったよな。


「あのさ、上履きにうんこ汁ついてんだけど

どーする?先生よ?」お玉


ヘムは静かに鼻を摘んで、お玉から離れた。


 









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