第63話 横文字はムリだって

つまりである、ある一定の年齢になると

横文字は覚えられないのである。

これは仕方ない。

若い頃に大人からジャニーズとか秀樹とかひろみとか五郎とかさっぱり同じに見えると

言われて、そんな訳ないやろーーと思っていたが。

今のジャニとか韓流アイドルなんかサッパリわからないのだから。


とにかく、お玉があちこちで聞きまくる役目を

拝命した。

おかっぱのカツラを被り、異様に太い眉毛の

叔母さんがいきなり声を掛けるんだから。

みんな怖くて走って逃げる。

お玉は走って逃げる物は追いかけたくなる習性があった。

その目は獲物を追いかける獣そのもの。


あっと言う間に職員室で大問題になった。


「校長先生!またしても、あの庭野さんカツアゲしまくってるそうですよーー!!」


「カツアゲだけじゃないようですな。

何でもレディースとかを結成しようとしてるようですぞ!全く、時代錯誤もいいとこですぞ!」


「いや、薬を売りつけてるって話も出てますわ。こわーい。後にはどこかの組織がついてるんじゃありませんの?」


ヘムは思った。

「ちっ、なんてこったい。

お玉の野郎、とんでもねぇことになってんじゃねーかよーう!」

ヘムはどーすんだ?ああ?メガネ校長ようと

校長を睨みつけた。


その激しい赤外線ビームに校長の頭から煙が

モクモクと上がった。

「あれれ?何だか頭がホカホカしますねぇ。」

呑気な校長だった。


「きゃーーっ!校長先生の頭から炎がぁーーっ!火事ですわーーつ!」


「うわっ、本当だ!

こりぁいかんぞ!誰が水、水をー!」


丁度のタイミングで、お掃除のおばさんが

モップとバケツを持って掃除をしていた。

おばさんは、「とりぁーーーっ!」と

叫ぶときったない水入りのバケツを

ぶん投げた。


校長の頭の炎は鎮火した。

そこには、お掃除バケツを被った校長が

ずぶ濡れでくっさーーで立っていた。


「大丈夫ですか。

校長せんせーーい!」


今だ!ヘムは思った。

「皆さん、校長先生は、頭から火が上がるくらいに悩んでおられたんですね。

とにかく、今日はお開きに致しましょう。

でないと校長先生の命が危ないですわ。」


ヘムの一言でみんなも納得して解散となった。

ヘムは校長にタオルを渡しながら、

ここは確信を話すしかないと考えた。


ヘムは決意して、校長に詰め寄った。

「おぇーーーっ、くっさーーーつ!!」

あまりの校長の臭いにヘムは

トイレに駆け込んだ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る