第58話 人違い
「あのね、庭野さん、何故に消火器なんかを振り回していたのか?
いい加減に本当の事を話してもらえませんか?」警官
「あっ、それですの?
あらーん、いやだわぁ。
お巡りさん、実はですね、ゴミ屋敷に片付けに入っていたんですね。
まあ、それはそれは、物凄かったんですの。
たま、たま、ホントにたまたまですの。
玉子さんが埋まっていた消火器を掘り出してしまいましたのね。
そしたら、いきなり噴射じゃありませんの!
びっくりいたしましたわ。
あまりの勢いで噴射するので、玉子さんは
それに振り回されてしまったんです。」
お京
「えーっ!そりぁ、大変でしたね。
なんだ、早くそう言ってくれればいいんですよ。別に誰かが怪我をしたとか物を壊したとかじゃなかったんですし。」警官
「すいません、玉子さん、すこし、ここが
あの、足りないと言うか、、。
可哀想な人なんです、、。」お京
「あっ、そうでしたか。
そういう事情だったんですね。
こちらとしても、事情もわかりましたし、
しっかりされたお友達が来て下さったので
これでお帰りいただいてもいいですよ。」警官
「んまあ、なーんて、優しい方なんざんしょ。
ねぇ、みなさん。」お京
「本当にご迷惑をお掛けしました。
玉子さんはご家族へ送り届けますので
ありがとうございます。」ヘム
「よかったなぁ、お玉よ。
さあ、亀銭湯♨️に行こうぜ!」おみよ
こうして、無事、釈放されようとして
取り調べ室から一階の受付へと移動していた。
「おー!
安川君、久しぶりだなぁ。」と警官に声を
かけるじいさんがいた。
「お久しぶりです。岩田さん。
今日はどうされたんですか?」警官
「うーん、面倒みてるヤンチャがな、ちょいと喧嘩でな。
ここにいるって連絡があってな。
引き取りに来たんだよ。」岩田
お京は真っ青になった。
「、、、。
アレよ、ガンテツじゃねえか??」お京
「なにぃ!ガンテツーーーっ!」お玉
「馬鹿野郎、声がでかいわ、お玉!」ヘム
「あれ、安川君、この方達は?」岩田
「はい。誤解があって、もう、お帰りいただくところなんです。」警官
「そりぁそりぁ、災難でしたな。
アレ?うん?どこかで見たような、、。
えーと、どこでしたかねぇ。」岩田
「やーですわ。
私達、警察の方にお知り合いはおりませんわ。
おーほほほーーっ。」お京
「ほーんと、そうざんます、あたい達は
お警察様なんかに、お縄になりそうになったことなんざありぁしませんことざんます。」お玉
「あの、申し訳ありませんが、先を急ぎますので、、。」ヘム
「そうですか。これは失礼しました。
何だか、昔、少年課にいた時の事を
思い出しましてね。申し訳ありませんな。」岩田
挨拶を交わして、別れようとした時だった。
「あ!
思い出した!!
お前ら、お玉、お京、ヘム、おさよじゃないのか?」ガンテツ
おみよは思った、なんで、あたいだけ間違われるんだ。
おさよじゃねーし、おみよだし。
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