第57話 泥棒?ボランティア?
「あのう、お忙しいところ申し訳ありません。
ここに庭野玉子と言う不審人物がいると言う知らせを受けまして。
その玉子は私共の友人でございますの。
それで、たまたま、お茶をしておりましたので
友達と迎えに参りました。」お京
「ちょっとお待ち下さいね。
担当の者に知らせてきます。」
そう言いながら、婦人警察官は電話をかけた。
「あのう、庭野玉子さんの友人と言う方が
来られています。
はい、はい。わかりました。では、とりあえず
ここで待ってていただきます。
あ、あのう、、、。
友人の人達なんですが、なんだか、芋ジャージを着てまして、それがすっごい汚いんです。
臭いし。
普通じゃないような、、。
はい、はい。見張ってます。わかりました。」
婦人警察官
「おいおい、あのポリスケよ、あたい達の事を普通じゃねえーなんてチクってやがんぞ!
なーんで、わかったんだ??」おみよ
「おみよ、、、。
お前は悲しいくらいにアホだな。
このナリを見たらよ、普通だって思えねぇよ。
誰でもよ。」ヘム
「あのうー。庭野玉子さんの友人の方、
担当の者が来ますから、そこで掛けてお待ち下さい。」若い婦人警察官はそう言いながら
それからはじーーっとこちらを伺っている。
「おい、この姿を見たら、こちとらまで
泥棒でもやってのか?って事だぞ!
やばい。」ヘム
「、、、。
こんなんどーでー。
近所のゴミ屋敷のおばあちゃんところへ片付けボランティアに行ってた。
最近、多いんだよな。
ならよ、この格好でもいいだろよ。」お京
「よし!それでいこうぜ!!」おみよ
コソコソと消化器の泡のぬるぬるーに
泥だらけのジャージ元ヤンキーは話していた。
そこへ、スーツを着た男性がやって来た。
「あー、庭野玉子さんのお友達ですか?
あれ?皆さん、随分と汚れてらっしゃいますね?確かお茶会をされてたとお聞きしましたが?」警官
「あー、これですの?
実は、あの、ほら、最近ね。
ゴミ屋敷ってありますでしょう??
それを区役所の方がお手伝いボランティアを
募集されてましたの。
んまあ、すいませんわねぇ。
こんな格好でぇーー。」お京
「ああ、そうでしたか?
それは、それは、ありがとうございます。
実はそういう家が増えてまして、近隣の住宅トラブルで我々も困っているんですよ。」警察
「そうでございましょー。
おーほほほほほ。」お京
「では、庭野さんは取り調べ室にいますので
こちらへどうぞ。」警察
「あのう〜、玉子さんは一体なにをしでかしましたのかしら?」お京
「はい、それが消化器を持って泡を撒き散らしながら走ってたようなんです。
それで、通報がありましてね。
警官がついた時には、消化器を抱えてタバコを吸ってたんですよ。
どうして、消化器を撒き散らしてたのか?と
聞いても、コインが飛んできたんだとか
チェーンがぁーとか、カミソリがぁーと
言うだけでさっぱり訳がわからんのです。」警官
「くっそー!あの野郎。
結局はこんな事になりやがる!!ちっ。」ヘム
「いっそ、消化器で頭かち割ればいいんだ!
なっ。」おみよ
「庭野さん、お友達が来てくれましたよー。」警官
「おっそい!
てめえら、おっせえ!!
おまけにくっせぇーーーーつ。」お玉
「テメェ、ざけんなよ。誰のせいでこんなんなったんだぁ、あーーーん?」おみよ
「消化器がよー、ブッワーと吹き出したらよぉ。おめぇ、どんどん勝手に動きやガンだよ。
どーしょーも無くてよぅ。
まっ、さいごはよ、あたいが勝ってな。
消化器のやつも静かになったけどな。」お玉
お玉。
お前が勝った訳じゃない。
消化器の中身が無くなったんだ。
そもそも、消化器と戦ってたんかーい!!
と言いたいのを飲み込んだお京であった。
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