第9話 便所メシ

「雨もり、お前んちの弁当うめぇなぁ。

ゲフッ!」


「わっわたしも、タツさんのぎょぎょぎょーざ

とてんしんはーーん美味しかったです。」


「しかしよう、雨もりちゃん、便所飯っのは

つれえよなぁ。」


「あっ、、、。わっわたし、もう、もううう

なれてまするぅ。」


「なぁ、タツよ。雨もりはダチがいねぇのか?

便所でタバコ吸うダチがよ?」


「お玉、、。今時な、便所でタバコ吸う奴はいねーの。禁煙が進んでんだぞ。

バカかお前は。

雨もりちゃんよ、友達は?」


「わっわたし、きっきもいんでする。

ダダダから〜、いませんする。」


「タツ〜。あたい、雨もりの喋りよ、

なーんか変な気がすんだよな。

なんだーする、するってよう?

大根でもすりたいのか?」


「お玉‼️やーめーんかー、おのれー‼️

口癖なんだよ。お前、黙っとけ、タバコ吸っとけ。話が進まねぇ。」


(ちぇ、だってよ、気になるじゃんかよ。

あー、わかんねぇ。他人の弁当、パチって

食ってしなぁ。考えたら、悪りぃことしたな。ガリ勉。)


「そうなのか。そら、辛いこった。

んんんー。あっそうだ!このバカがいるじゃねえか?

これからは、バカ玉と弁当食いな。

嫌かい?」


「ああっああああ、いーんでしょうか?

私なんぞとでするう。」


「いーよ。弁当な。

その代わりによ、雨もりとあたいの弁当は交換するってのが取り引きの条件だ!」


「お玉、いい歳しやがって、若いもんに

無理言うんじゃねぇぞ!」


「わっわわーたしは、うっうううれしいでございまする。そっそんな事したかったでございまする。」


玉子はふと思った。

あの狭い便所でふたりで弁当食えるのか?

便座にふたりも座れるのか?







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