第6話 ゴー フジョーさん?

「あっ‼️サツだ‼️

しまったぁーーーっ。油断しちまった。

うん?なーんもしてねぇし、、。

堂々としてりやぁいい。うん、いい。」

玉子は胸を張り向かって行った。


「コレ、ドロボー。カネ、カネイイマシタ。」


「おばさん?いやおじさん?

お話聞かせてください。」


「いや、あの、みんなでアイスを買うって

ご不浄がさ、ちびるといけなくて、

聞いたら、金っていうから、ご不浄借りるのにいるのかよーって。」


若いお巡りさんは、ご不浄の意味がわからない。

「ゴーフージョーさんなんですか?

日本の方ではないんですね?」


玉子はさすがにサツにはトラウマがあったので

支離滅裂になっていく。

咄嗟に、こっちをガン見してるヘムへ

(おい!お前、担任の先公だろがぁー?

何とかしろよーーぅ。)


(ふふふ。たーすーけーてーほーしーいーか?

あーん?お玉??

ならば、先生、助けて下さいと言え!言ってみろやーー!!)


(ちっきしょう⁉️なんて野郎だ!

ぐっそーーーーーぉー。)


「せ、おぇー、せん、ぐぇ、せんせい、

うぐぐぅ、たすけて、ゲボッください。」


(ぬははははぁーーー!そう言やぁ、いいんだよ、お玉ーー。あー気分がいいねぇ。)

ヘムは満面の笑みを浮かべた。


「あら、お巡りさん、うちの生徒が何かしましたか?」


「あっこの方は生徒さんなんですか?

いや、それにしてはお年を召されているようですが?」


「はい。今年から社会人の方で高校に行く事が出来なかった方を受け入れているんです。

庭野玉子さんと言う、私のクラスの生徒です。」


「事情はわかりました。

しかし、コンビニの店員さんは強盗だと言うんですね。

名前もゴーフージョーなんて偽名を使われてますし。」


「お巡りさん、ご不浄ですわ。

お若いからご存じないのね、おトイレのことですのよ。昭和の女性は親からお便所なんて

他人様の前で言うもんじゃあありません!と躾られましたの。」


「へぇー、知らなかったなぁ。

店員さんがスリランカの方なので、誤解があったんですね。

しかし、その格好は誤解されますよ。」


「申し訳ありません。

みんなでお楽しみ会をしてましたの。

庭野さんはどじょうすくいがお得意でしてね。

その仮装のまま、来られたんですの。」


「木の棒持ってですか?」


「あれね、調子に乗って腰をグキッとしちゃいまして杖代わりですわ。

お年ですからねぇ。お気の毒ですわね。

それと、お巡りさん、ここだけの話ですけれど、すこぅし、認知症がねぇ、、。」


「ああ、なるほど。

先生も大変ですね。事情はわかりました。

店員さんには先生からお詫びはしておいてください。私の方からも誤解だと説明はしておきますから。」


「優しいお巡りさんで良かったですわ。

ご配慮感謝致します。」

ヘムは頭を下げる。


玉子は悔しかった、あまりの悔しさに

握っていた木の葉は木っ端微塵にバラバラと崩れ去った。

それを見てヘムはニヤリとした。







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