第5話 ご不浄ワカラナイヨ

避難した生徒達も慣れてきたのである。

「またよね。これって。

校長先生まであれよ。ちっ、大人の癖に。」

「この学校に入らなきゃ良かったわ、、。」

「わかる〜。今時、セーラー服なんて

コスプレかっつうの!」

「女子校なんてヤダって言うのにさ、伝統があるとかお嬢様学校だからって親が決めちゃったんだよ。なんだよ、これ?」

「でもさ、他校の男子の憧れらしいわよ。

私は、今のうちにいい物をゲットしたいわ。」

「そう、そう。そこなんだよね。大学でなんか遅すぎるもんね!」


中庭でそれぞれが授業が無くなり、これ幸いと話している。


「みなさぁぁん。ごめんなさいね。 

突然に何だか、教室の配電から火花が出たみたいなの。怖かったわねぇ。おほほ。

とりあえず、用務員さんが見てくれてますから

安心してね。

そうだ❗️コンビニでアイスを買ってここで食べながらお話しましょう。」

木村先生は穏やかに嘘っぱちをつきながら

やって来た。


「そうだったんですかー?怖かったです。」

「アイスご馳走して下さるんですか?

木村先生?うれしーーーい。」

「せんせーーい、行きましょうーー!」

あっという間に木村先生は生徒に囲まれて

コンビニへ歩き出した。


玉子はと言えば、ほおかむりをしたまま

マジックオンマユゲ、頬は真っ赤。

(ちっきしょうー。あたいだって、あたいだって

女子トークに交じりたいのに!

ヘムの野郎、、。)

悔し紛れに木の枝をボキッと折り、それを

振り回しながらついて行った。


「さぁー、みんな好きなのを選んでいいわよ。

ただし、ハーゲンダッツは勘弁してね。」


「はーーい!私、これジャンボモナカ。」

「ジャイアントコーン❗️」

わしゃわしゃと盛り上がっている。


玉子は遅れてコンビニに入ってきた。

店員に向かって声を掛けた。

「あんた、ご不浄はどこだい?」


店員は外国人だった。

ほおかむりに変なメイク、おまけに武器を振り回している。

「タスケテクダサイ!

オカネ?マニー?ワタシ、ワカラナイヨ」


「あんだってぇ?ご不浄借りるだけなのに

金がいるのか?

いくらなんだよ?」


「イクラ?オカネ?イクラホシイ?」


「だーかーらー、ご不浄借りんのに金は?

って聞いたんだよ!!」

つい、玉子も漏れそうなのでイラついた。

木の棒でレジカウンターを叩く。


「タスケテクダサイー。

オカネダシマス、ダシマスー!!」

と言うとレジのお金を急いでカウンターに出して、店員は逃げた。


(なんだ?あいつ?この金??

それより、便所だ。もう、危ねぇ。)

玉子は自分でトイレを探して入った。


(うーー。危なかった、、。歳とると近くていけねぇ、、。あれ?何だかサツパトのサイレンの音がしたような。)


トイレからサッパリした顔で出て来た玉子。

そこには、外人の店員がお巡りさんに必死で何かを訴えていた。

そう、玉子を指さして。




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