早く終わってくれ
……やっぱりさっき一人で食べるって言った方が良かったな。……マジで。
そう思いつつも、無慈悲なことに、三人で昼飯を食うことが決まってしまった。
……まぁ、ラミカは普通に嫌そうだけど。……暴力に訴え出てこないなら、別にいいかな。……と言うか、今更だけど、ラミカって昔はもっと喧嘩っ早かったよな。……いや、それは今もなんだけど、少なくとも今は簡単に暴力には訴え出て……ない? あれ? よくわかんなくなってきたぞ。
……もういいや。あんまり変わってない気がしてきたし。
「……早く、食べよ?」
そんなことを考えていると、リアがそう言ってきた。
「あー、そうだな」
「え〜、ほんとにこいつも一緒に食べるの〜?」
リアの言葉に頷くと、ラミカがそう言ってきた。
「さっさと食べよう」
さっさと食べてこの地獄みたいな空間を終わらせたいから、俺はそう言った。
……まぁ、食べ終わったところでこの地獄みたいな空間が終わるかは知らないが、早く終わることは間違いないと思う。……多分。
「……あーん、する?」
そうして、地獄を終わらせるために昼飯を食べ始めると、リアがそんなことを聞いてきた。
しない。絶対に、しない。
ラミカの前でリアとそんなイチャイチャなんてしたら、普通に怒るだろ、絶対。
別に俺が誰とイチャつこうがラミカからしたらどうでもいいだろうけど、目の前でイチャイチャなんてされるのは普通に腹立つだろ。
だから、絶対しない。
「しない」
「……そう」
そう思った俺は、一言そう言った。
すると、リアも一言だけそう言ってきた。……なんか、心做しか悲しそうに。
「じゃあ〜、私がしてあげようか〜?」
「……遠慮しとく」
そんなリアを気にする様子もなく、ラミカがそう言ってきたから、俺は直ぐにそう言った。
普通に自分で食うよ。……ラミカとそんなことするのも後々リアが怖いしな。
「え〜」
「自分で食うから、二人もさっさと食ってくれ」
もう早くこの時間を終わらせたくて、俺はそう言った。
マジで早くこの休憩時間が終わって欲しい。
護衛の時間なら、ラミカは普通に話しかけてくるけど、リアは話しかけてこないしな。
ラミカ相手じゃなくリアが相手だったとしても、どっちか片方だけなら地獄にはならないし、マジであの時間が恋しい。
……昼飯を早く食べ終わったところで馬の休憩とかもあるだろうし、休憩時間は終わらないんだろうけど、さっさと食おう。
そう思って、俺は昼飯を今度こそ、自分で食べ始めた。
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