やっぱり特別相性悪いよな
馬車が出発して、護衛として着いて行っているところ、しばらくの時間が経った。
まぁ、最初に予想……というか、思った通り、護衛自体は本当に余裕だった。
いや、だってさ、そもそもの話、ラミカ……はまぁ相変わらず置いておくとして、リアが周りに睨みをきかせたりしてるから、頭が良くても悪くても魔獣だったり魔物だったりは寄ってこないんだよ。……道的にそもそもが少ないっていうのもあるけど、仮に魔獣や魔物が多い道だったとしても、寄ってこないんだろうな。
盗賊だったり人間が相手だったとしても、相当なバカじゃない限り近づいてこようなんて思いもしてこないから、本当に俺がすることは何も無い。
だから、俺がやってる事は本当にただ馬車に着いていくだけなんだよ。
「ねぇ〜、まだ歩くの〜? もうあいつだけ外に置いて、私たちは中に入ろうよ〜」
そう思いながらも、別に楽なことには変わりないし、特に何も言うことなく馬車と一緒に歩いていると、ラミカが俺の服を引っ張りながら、そう言ってきた。
……別に疲れた、ってわけではないだろうから、単純に歩くのがめんどくさくなっできたんだろうな。
ただ、この馬車は別にラミカのじゃないんだから、勝手に入ったらダメだからな? 後、単純に俺が嫌だ。
「……まぁ、俺が今何も出来てないのは事実だけど、一応護衛としてここにいるから、中には入らない」
だから、俺はそう言った。
「え〜」
すると、ラミカは不服そうにそう言ってきたけど、一人で中に入ろうとはせず、そのまま俺と一緒に歩いていた。
「そろそろ休憩にしましょうか」
そうして歩いていると、アリーシャが中からそう言って声をかけてきた。
……俺はマジでやることがないから、無心で歩いてたけど、言われてみればもう結構な時間歩いてたな。
「そういえば〜、私たちの食料は〜?」
「フィオラ達は渡してくれるはずだ」
最初護衛を受けた時、そういう約束だったからな。
「どうぞ、あなたの……あなた達の分ですよ」
そう思っていると、フィオラがそう言って、わざわざラミカの分まで用意して昼飯を持ってきてくれた。
「あぁ、ラミカの分まで、わざわざありがとな」
「ん〜、まぁ〜、ありがと〜」
「いえ、気にしないでください」
俺がフィオラに向かってそう言うと、ラミカまでフィオラに礼を言いやがった。
いや、いいことではあるんだけど、ラミカが人に礼を言うこととかあるのかよ。
「……何〜?」
「……いや、なんでもない」
やっぱり、リアだけ特別相性が悪いよな。……マジでなんでだ? ……分かんないし、まぁいいか。
そう思った俺は、考えることをやめて、昼飯を食べることにした。
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