分かってたことではあるけど
「お久しぶりですね」
俺がヘレナとの会話を終えると、アリーシャの方もフィオラとの会話を終えたみたいで、俺に近づいてきて、そう言ってきた。
「……あぁ、久しぶりだな」
俺は少し同様しながらも、そう言った。
リアが言ってたから分かってたことではあるけど、話しかけてきたアリーシャの雰囲気がヘレナ同様変わっていたからだ。
……マジでアリーシャの方も強くなってるのかよ。……さっきも思ったけど、これで本当に逃げるのが難しくなったし、俺が本当の誘拐犯だってバレた時の死ぬ可能性が上がった。……はぁ、自分で思ってて、マジで憂鬱なんだけど。……大丈夫かなぁ。明日明後日の俺、生きてるかなぁ。
「取り敢えず、俺は外でいいんだよな?」
「? 私たちと一緒に馬車の中には入らないんですか?」
「……一応、護衛としてここに居るからな」
ラミカ……は置いておくとして、リアがいるんだから、俺がわざわざ仕事をする必要性なんてないことは分かってるが、今言った通り俺は護衛って話でここにいるし、柔らかくなったとはいえ、またこの前みたいに中でヘレナがおかしくなっても嫌だから、外に護衛として居たいんだよ。
……特に今はラミカも居るし、ヘレナ……は前に会ってるからまだいいとして、アリーシャとどんな感じになるかも分からないし、もしリアみたいにラミカがアリーシャとも相性が悪かったら本当に地獄だから、嫌なんだよ。……まぁ、まだ逃げられそうにないんだし、嫌なことを先延ばしにしてるだけかもしれないけどさ。
「……そうですか。……そうですよね」
そう思っていると、アリーシャが悲しそうにそう言ってきた。
よく分からんけど、中に入んなくてもいいのなら、まぁいいか。
俺が馬車の中に行かなかったらラミカも流石に入んないと思うしな。
「ラミカも俺と一緒で外でいいよな?」
そう思いながらも、やっぱり聞いとかないと心配だから、俺はそう聞いた。
「ん〜、いいよ〜」
すると、そう言って頷いてくれた。
良かった。流石に頷いてくれるとは分かってたけど、相手がラミカだからちょっと怖かったんだよ。
「……私も護衛、外でいい?」
「はい、リアの好きにしてくださって構いませんよ」
そう思っていると、リアがアリーシャに向かってそう聞いていた。
まぁ、リアは俺と違って中にいても余裕で護衛できるもんな。
そうして、アリーシャと適当に話をし終わると、直ぐに出発することになった。
……まぁ、護衛自体は余裕だろ。リアが居るし、ついでにラミカもいるしな。
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