宝くじ魔法学校 [ファンタジー]

今日は『宝くじ魔法学校』の入学試験だ。チャンスは一人一度きり。


宝くじ当選に使われた運の力によって設立された魔法学校だ。

試験に合格するためには運の強さも基準となる。


僕はわざと不利な境遇に身を置き運の力を強化してきた。


受験会場に幼馴染のマリがいた。

ガサツな奴だ。負けたくない。


「よおシン。お前も受けるのか」


僕は彼女を無視した。


全力で試験に挑むことだけを考えていた。


数週間後、僕は呆然としていた。

不合格だった。


僕はしがない占い師として生計を立てることになった。


そんなある日、僕の暮らす町に大魔法帝が来ているとの噂を聞いた。

魔法学校の校長でもある。


その姿を一目見ようと僕も広場に向かった。

そして僕は驚いた。


大魔法帝はマリだったのだ。

マリは群衆の中に僕の姿を見つけると大声でこう言った。


「よおシン。ひとつ教えてやろう。運は使って強化されるものではない。使ったら消費するだけだ。ここぞという時に使うんだよ!」


その場にいる全員がありがたい助言に感銘を受けひれ伏した。


僕は自分が根本から間違ってたことを思い知った。一から出直しだ。もう遅いのかもしれないけど。

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