第14話 さーくん

☆有山智サイド☆


うつ病とは深刻なものだ。

気分が上がったり。

沈んだりするから.....。


だけどその中だが。

昔俺を弄っていた2人が大人になり。

俺を好きだと。

言ってくれて助けてくれた。


俺は2人には感謝しかないと思っている。

こんな俺を好きになってくれた事に.....感謝しかない。

だけど何というか複雑な思いだが。


今は2人には答えられないと思うのだ。

2人は優しくなっている。

俺には勿体無い存在だ。

2人の花嫁は。


思いながら俺は3人で空を見上げていた。

何故こんな俺を好きになってくれたのだろうか。

そんな事を考えながら、だ。


「.....」


そしてその夜の事。

夜.....24時を回った頃だ。

俺は天井を見上げていて寝れず。


そのままゴロゴロしていた。

だけど30分そのままだったので、クソッタレ、と思い起き上がる。

それから睡眠薬を取りに行った。

すると台所に人影が。

それは.....佳奈である.....。

ん?


「佳奈?」

「.....あ。智くん.....」

「どうした?寝れないのか?」

「.....そうだね。ちょっと考え事をしていて」

「考え事?.....どんなだ?」

「それは内緒。乙女の内緒」


佳奈は俺を見てきながら柔和な顔をする。

それからお水を飲んでから台所から去ろうとする佳奈。

俺は、おやすみ、とそれを見送ってから水を取り出してから。

そのまま薬を取り出す。

すると佳奈の気配がまだした。


「佳奈?」

「.....智くん。.....それは薬?」

「.....睡眠薬だな。.....これないと今は寝れないからな」

「そっか」

「.....」

「.....ねえ。智くん」


俺が見ているとモジモジしながら佳奈が俺を見てきた。

そして俺を真っ直ぐに見据えてくる。

それから赤くなって俯いた。

が。

また直ぐに顔を上げる。

俺は、???、を浮かべると。


「どうしたんだ?」

「.....えっと。.....智くんの部屋に行っても良い?」

「え!?.....この時間から?」

「そうだね。.....寝れないし」

「い、いや。構わないけど.....」

「じゃあ智くんの部屋に行きたい」


そして俺を笑顔で見てくる佳奈。

それから赤くなって俺に一歩ずつ迫って来てからそのまま手を取る。

俺は、!?、と思いながら赤面で佳奈を見た。

な、何でしょう?、と思いつつ。


すると佳奈は、暖かいね。君の手、と言いながら俺の手を引っ張る。

そして至近距離になる。

俺は、!!!!?、と思いながら佳奈を見る。

見つめ合う感じだ。


「私は君が好きだね」

「.....そ、そうか。離してくれるか。佳奈」

「だから私は貴方をどう見たら良いか分からないや」

「.....佳奈?」

「私、間抜けだね」


言いながら黙ってしまう佳奈。

俺は訳も分からずのままだったが。

このままでは悪いかと思い薬を飲んでから佳奈に声をかける。

佳奈。じゃあ上がろうか、と言いながら。

佳奈は俯いたまま、うん、と返事をしてくれたが.....。



「私ね。リア充だけど。リア充じゃないの」

「.....それはどういう意味だ?」

「より正確に言えばリア充ぶっているだけ。だからリア充とは程遠い」

「.....」

「こんな私は愚かだね」


ベッドに座って言いながら自嘲する佳奈。

電気がついている部屋の中。

2人で話していた。

これ何だかいかがわしい感じだが。


「王山くんは確かに良い人だけど私は苦手なんだ。ああいうタイプの人間はね」

「リア充も大変だな」

「みんながみんなリア充じゃないよ。みんな個性持った人間だから。さげずんだりあると思う。決して個性無い生物とかじゃないから」

「.....」


合っているか分からないけど、と言いながら佳奈は、てへ、となる。

俺はその言葉に、そうだな、と後ろに手を置きながら天井を見上げる。

それから、良いんじゃないか。その様な関係で、と俺は提言する。

すると佳奈は、ありがとう。智くんはやっぱり変わらないね、と苦笑した。


「ねえ。智くん」

「.....何だ?佳奈」

「.....このままキス.....したらどうなるのかな」

「.....ぁ!!!!?」


俺は真っ赤になりながら俺の胸に手を添えてくる佳奈。

お、おい!、と慌てながら俺は後退するが。

追いかける様に迫る。

俺はそんな感じのやり取りでベッド端まで追い詰められた。

真っ赤になる。


「ま、待て。冗談はよせ」

「.....智くん。.....私は.....どうしたら.....良いのかな」

「.....!」


何か目を細め。

うっとりした様な顔で俺に迫る佳奈。

胸の谷間が見える。

何か.....何かヤバいぞこれ。

ど、どうしたら良いのだ!?


「待て!佳奈!落ち着け」

「.....冗談?.....そっか。冗談.....か」


佳奈は冗談では無い様に迫る。

俺は逃げる様に横に落ちた。

それから佳奈の肩を掴んでみる。

そして、佳奈。お前の気持ちはありがたい。尊重している。だけど今はそれをする時じゃない、と言葉を放った。

佳奈は俺を見つめる。


「本当にありがたいけどな」

「.....うん。.....君が.....そう言うならそうかな。.....止めとくよ」

「お前が佳菜子が俺を好きなのは本当に有難いけどな」

「.....そうだね。.....眠たいせいかも」

「じゃあ寝るか?」

「うん。一緒に」

「.....は?」


俺は目をパチクリする。

それからボフッと背後に倒れてから手を広げてくる佳奈。

ほら一緒に寝よう、という感じで。

冗談だろ。


「.....か、佳奈。流石に無理だ。それは」

「そんな事ないでしょ。.....さーくん。昔みたいに一緒に寝よ」

「.....!」


理性が壊れる。

思いながら俺は真っ赤になりながら、さーくん、という言葉に汗をかき始める。

一緒になら寝ても良いでしょ?、という感じで潤んだ目で見てくる。

そういう問題ではない。

と思ったのだが.....。

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