第3話 上原姉妹
☆有山智サイド☆
2時間目が終わってから考える。
隣の人が.....頭がおかしい。
何というか胸を露出するギャルなのだが.....痴女かもしれない。
思いながら俺は痴女をチラ見する。
友人達と仲良く話している痴女ギャル。
「.....気のせいか」
当初は、上原、という名前に愕然としたが。
それは無いだろ、と思いながら見ていたが.....うん。
無いな、と思いながら俺は前を見る。
そうしているとピンポンパンポーンと音がした。
それからこんな少女の言葉が。
『有山智くん。.....職員室に来て下さい』
「へ?」
俺は頬杖がズレて間抜けな声を発する。
それから慌てて立ち上がる。
そして慌てながら職員室を目指す。
その際に何か視線を感じたが気のせいだろうか。
☆
職員室に着いてから俺は職員室の札を見る。
それから深呼吸してからドアを開けようとした時。
そこは違うよ、とその手を少女に掴んで止められる。
俺は、!?、と思いながら横を見る。
そこに2年生?が立っていた。
黒の長髪。
腰まである様な長髪に顔立ちが滅茶苦茶な美少女。
人形の様に透き通っている様な大きな瞳。
え!?、と思いながら凛とした感じのその少女を見る。
違うとは?
「放送室からのアナウンスだよ今のは」
「は、はあ。貴方は?」
「私?私は.....上原。上原佳菜子(うえはらかなこ)だけど?見覚えない?」
「.....上原.....かな.....へ!!!!?」
「やっと会えたね。智」
そしていきなりぎゅっと大きく抱きしめられる。
こ、コイツ!?上原佳菜子って.....姉の方か!!!!?
俺を見てくる佳菜子。
だ、抱きしめるな!、と言いながら俺は押しのけて慌てる。
「あれ?.....そんな態度を取られると寂しいけど?」
「無茶苦茶言うな!?お前は.....相当に美少女になっている!成長しているんだぞ!」
「そっか。私達もう子供じゃない男女だもんね」
「な、何をしに呼び出した。俺を」
「それは決まっているよ。.....私はね.....」
と。
そこまで言った時。
お姉ちゃん、と威圧する様な声がした。
顔を上げると.....そこに何故かあのギャルが。
眉を顰めて立っている.....は?
は?!
「智くんを離して」
「お、お前.....まさか佳奈か!?」
「そうだよ。.....鈍ちんさんだね。智くんは」
「そ、そんな馬鹿な.....」
大慌てになる俺。
それから心臓がバクバクする。
すると、何しに来たの?、と冷たい態度を佳菜子が取る。
そして冷めた目で佳奈を見る。
俺は、へ?、とまたそんな感じになる。
「.....生徒会副会長。.....ねえ。お姉ちゃん。だからって.....」
「いやいや。妹ちゃん。貴方はギャルになっちゃったから。肩書き何も無いじゃん」
「.....」
「私は馬鹿な子は智に好かれるとは思えないなぁ」
「.....お、お前ら。何の話だ」
佳奈は複雑な顔で横を見る。
俺はその姿を見ながら俺は佳菜子を見る。
アハハ。えっとね智。私は貴方が.....、と言った時。
佳奈が、お姉ちゃん。呼び出しって。生徒会権限をこんな事に使っても良いって思っているの?、と佳奈が眉を顰める。
「私は特に気にして無いけど?」
「特に気にして無いって.....」
「だって用事があったのは事実だし」
「.....」
俺はその姿にますます、???、を浮かべる。
すると、智、と声がした。
それから、私が貴方にイジメをしていたのは謝る。.....それで私が何を言いたいかって言うとね。私、貴方が好きなの、と告白してくる。
あまりの衝撃に俺は、!!!!?、となり。
佳奈まで愕然とした衝撃を受けている。
俺は真っ赤になる。
「で、智。私、美貌が良くなったでしょ?」
「そ、そうだが.....」
「徐々に打ち解けたいなって思って」
「でもお前は.....生徒会副会長なんだろ.....?!こんなふざけた真似は.....」
「私は生徒会副会長であり次期生徒会長候補。だけどそれよりも大切なものがある」
何で私がここまで頑張ったか分かる?、と笑顔になる佳菜子。
俺は、???、を浮かべながら、分からない、と回答する。
すると佳菜子は複雑な顔をして、私は昔はアホだったでしょ?だから汚名返上したくてアホから天才になったの、と話す。
そして磨き上げた、と答える。
「.....私.....佳奈を見返したくてね」
「成程な。佳奈の方が天才だったからな.....」
「.....」
佳奈は複雑な顔をする。
何でこんな事になった?、と思いながら俺は2人を見る。
すると佳奈は、お姉ちゃん。.....授業始まるよ、と佳奈は冷めた声で言う。
佳菜子は、そうだね。じゃあ.....、と切り出し。
そして佳奈を見る。
「佳奈。貴方は戻って」
「お姉ちゃん。それは出来ない。智くんは転校生でこの場所に来たばっかりだから絶対に有り得ない」
「お姉ちゃんは智に用事があるから」
「嫌だって言ったら?」
「.....」
そして俺の手を握ってからそのまま駆け出して行く佳奈。
それから、教室帰るよ。智くん、と言う。
俺は、あ、アイツはそのままで良いのか、と聞いてみる。
すると佳奈は、お姉ちゃんは何をするか分からないから、と言いながら。
階段の途中で手を離しながら俺に向く。
「お姉ちゃんは昔よりかなり傲慢になっちゃったから」
「.....?」
「ゴメンね。あんな感じになっていて。姉が」
「いや。それは良いんだが.....」
そして俺は佳奈に向く。
佳奈は寂しそうな顔をしながら外を見る。
それから、帰ろう、と笑みを浮かべる。
俺はその事に、あ、ああ、と返事しながら。
そのまま教室に帰って来た。
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