第21話
京から鍵を奪った仁たちは牢屋を探していた。
鍵を揃えても牢屋のありかがわからねば先には進めない。彼らは第一に牢屋を見つけることを優先していた。
「フオオオオ!!!」
仁たちが向かう方から、おぞましい声が聞こえてきた!
仁
「ッチ。鬼か」
大男
「来るぞ仁」
仁たちに向かって7体の鬼たちが走ってくる。
メガネの女
「仁どうする!?」
仁
「ここは戦うしかないだろう」
仁たちはそれぞれ武器を取り出し、鬼と戦うことを選択した。
鬼たちは一斉に襲い掛かり、仁たちと衝突する!
2体の鬼が仁の体に触れようと、突進してくる!
仁
「俺を守れ!!」
仁の前に大男が立ち、2体の鬼の突進を食い止める!
しかし、横からもう一体鬼が仁に迫る!
仁は鬼の両手を掴み、鬼の動きを止める!
仁
「盛北!!」
仁は盛北という眼鏡をかけた女プレイヤーを呼ぶ!
仁が鬼を抑えているうちに、盛北はその鬼を棍棒で殴り倒す!
盛北
「仁危なっかしいわね」
仁
「よくやった盛北」
仁の仲間
「うわああああああ!!」
仁の背後にいたプレイヤーが悲鳴を上げる。
そのプレイヤーは鬼に捕まり、石化していた!
仁の仲間
「助けてええ!!」
仁
「チッ!」
仁はその男の助けに入ろうとしたが、すでにその男の全身は石化しており、
その場から消え去ってしまった。
それから鬼と対立していた他のプレイヤーも3体の鬼に襲われ、石化してしまった。
大男
「仁!このままじゃ全滅してしまう!!」
「お前だけでも先に行ってくれ!!このキーで捕まった皆を助けてやってくれ!!」
大男は仁へ鍵を投げる!
仁
「わかった!」
仁は鍵を受け取り、走り出す!
しかし、仁の目の前にもう1体鬼が向かってきた!
盛北
「仁!!」
盛北が仁を助けるべく、鬼を抑える!
鬼は盛北に触れる!盛北は徐々に石化してしまう!
仁
「盛北!!すまない!!」
盛北
「仁!!早く行って!!仁がつかまりさえしなければ、私たちは助かる!」
仁
「必ずお前らをキーで助ける!!」
仁は他のプレイヤーたちが鬼を抑えているうちにその場から走り去っていった。
盛北
「仁…信じてるから」
盛北は完全に石化し、その場から消滅する。
また大男をはじめ、他のプレイヤーも石化してしまった。
仁は牢屋の部屋を探し回る。
仁
(牢屋の部屋はおそらく一番下の階だ)
仁が走っている道中にまた鬼たちが数体襲い掛かってきた!
仁
(能力を使うなら今か。果たして鬼にも通用するか?)
仁は目の前に来た鬼をじっと見つめる!
鬼は仁の目を見ては、動きが止まる。
仁
(やったぞ!うまくいった…!)
仁はその隙に一番下の階へと進んでいく!
仁
「あそこに扉がある…」
仁は後ろを振り向くと、3体の鬼が追いかけてきていることに気づく。
仁
「行くしかない!!」
仁は全速力で扉へ向かって走り出す!
鬼たちもどんどん仁との距離を縮めていく!
仁は鬼に触れられる前に扉を開け、その部屋を出る!
鬼たちはピタッと止まり、その部屋を超えて襲うことはしなかった。
仁
「諦めたのか…?」
しばらく仁は前へ進むと、遂に牢屋が見えた。
仁は最初の牢屋の部屋にたどり着いたのだ。
仁
「やった!遂にたどり着いたぞ!!」
目の前に牢屋があり、そこに先ほど仁を逃がすために捕まったプレイヤーたちがいた。
盛北
「仁!」
盛北が牢屋から仁を確認し、笑みを浮かべながら声をあげる!
仁は歩いて階段を下りていき、牢屋へと向かっていく。
彼は牢屋の前に立ち、キーを使用する。
そして牢屋の中へと進み、パネルの前で立ち止まる。
パネルにはキーの差し込み口があり、そこにキーを挿入する。
キーを1本入れると、パネルは光り、牢屋に入っているプレイヤーの名簿が表示された。
仁
「ここから選ぶのか」
一覧には12名のプレイヤーの写真と名前が載っていた。
そのリストには仁と共に行動していたプレイヤー4人の名前もあった。
大男
「仁!無事だったか!」
仁と共にいた大男が早く出してくれと仁へ声をあげる。
仁
「待ってろ」
仁はパネルの一覧から大男の顔写真を選択する。
指名された大男は牢屋から一瞬で姿を消し、牢屋の外に出た!
大男
「よし!よくやった仁!」
仁
「お前らのおかげさ」
仁と大男はハイタッチをする。
仁
「さてと…次だ」
仁は行動を共にしていたプレイヤーたちを次々と牢屋から出す。
大男
「後は盛北だけだな」
大男は仁の隣でそう呟く。
盛北
「やっとここから出られる」
盛北は次に自分が選ばれるとそう思っていた。
しかし、仁はなかなか盛北を選ぼうとしない。
盛北
「……仁どうしたんだろう?」
盛北は不安を感じ始めた。
盛北
「仁………早く!」
盛北はあまりのもどかしさに仁へ自分を選ぶように促す!
しかし、仁はまだ盛北を選ばない。
何か悩んでいる様子だ。
盛北の隣にいた男がモニター近くの柵まで歩き、モニターの前に立っている仁へ叫ぶ!
「おいそこの兄さん!頼む!!俺を選んでくれ!!」
「俺の能力はどんな重いものでも持ち運べる能力だ!」
「俺の腕力があれば、この先鬼に襲われる時に役立つはずだ!」
仁はその男を見ては沈黙している。
「待て!!」
他の男が仁へ語りかける!
「俺は剣の達人だ!俺の方が役立つ!」
そう男が発すると、次々と牢屋にいるプレイヤーが仁へ出してもらえるように猛アピールをしてくる!
盛北
「ちょっと仁!!私を選ぶよね?約束したもんね!!」
盛北が阿鼻叫喚な声で仁へ叫ぶ!
仁はプレイヤーを見渡している。まるで品定めをしているかのようだ。
盛北
「仁!!お願い出して!!」
盛北は涙目で必死に訴える!
仁
「わかった」
盛北
「仁!」
盛北の必死な訴えに答えたかのような返事だ。
仁は片手をあげ、モニターへ指を近づける。
盛北や他のプレイヤーたちが息を飲んで仁がタップする瞬間を見ていた。
仁がモニターに触れた瞬間、
盛北の隣にいた剣の使い手が姿を消した。
盛北
「え?」
そしてそのプレイヤーは外へと出た。
「ありがとおおお!!」
剣の使い手は仁を抱き締める。
盛北
「嘘………」
仁は盛北ではなく、別のプレイヤーを選択したのだ。
「ありがとう!ありがとう!!」
男は涙を流しながら仁へお礼を言う。
その時の盛北の目は眼光が開きっぱなしで、ただただ現実を受けいられずに硬直していた。
盛北
「なんで………なんでよ仁!!」
「どうして私じゃないのよ!!」
仁
「ごめんな盛北」
「お前は力不足なんだ」
盛北は仁のその一言に唖然とし、言葉を失う。
仁はそう言い捨てて、牢屋から出した4人と共にモニターの前に行く。
モニターにコンプリートと文字がデカデカと表示される。
そしてモニターの下にある扉が自動で開いていった。
仁たちは扉の先へ進んでいく。
盛北
「ふざけんな…」
「ふざんけなふざけんなふざけんな!!!」
「ここから出すって約束したじゃない!!!」
「どうして!!どうして裏切った!!」
盛北は仁の去り際に大きな声を出す!
盛北
「この人殺し!!裏切者!!!」
「ふざけんな…ふざけんなよ…」
盛北はヒステリックになり、さらにボロボロと涙を流していく。
盛北
「なんだよ…使うだけ使って捨てるのかよ…」
「あーそうですか!?そうですか!?そうやってお前らは人を踏みにじって悠々と生きていくんだ」
「吐き気がする!!ふざけんな!!殺してやる!!」
「…フー…フー…」
盛北は叫びに叫び、暫くして沈黙した。
仁は振り返ることもなく、扉の先へ進んでいく。
盛北は泣き崩れて、その場でうずくまる……。
盛北
(これじゃあ…あの時と一緒)
盛北は涙を静かに流し、うなだれる。
自分のやるせない気持ちをどう処理すれば良いのかわからないまま、彼女は魂が抜けたごとく、体が崩れていた。
そして思い出す…。過去の記憶を……。
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