第22話

私は盛北由紀。26歳の会社員。

仙台で生まれて、そこで小中高と進学。

東北の大学を卒業し、東京へ上京して会社員として仕事をしていた。

子供のころから特に特徴は無く、何も取り柄が無かったけれど…。

そんな私でも彼氏ができた。


彼とは3年付き合った。喧嘩することはあったけど、

特に不満とかは無く、いや給料に不満はあったけど、幸せな日々を過ごしていた。

私はこの時、この人と結婚するんだなって思っていた。


でも…それは単なる思い違いだった。


それは彼と付き合ってからちょうど3年目の日だった。

彼はその日から関西の方へ出張と言っていて、私より早く家を出た。

私もその後支度をして、会社へ行くため家を出た。

この日体調が悪く、

あまりの辛さに午後退社することにした。


私はすぐに病院へ行くために一度家に戻ることにした。

玄関の鍵を開け、私は家の中へ足を踏み入れた。

部屋に入ってまず目に入ったのは、自分の知らない靴だった。

それはハイヒールで、どう見てもそれは自分の靴ではない。

そしてその靴の隣には彼のスニーカーが置かれていた。


私はこの時、頭が真っ白になった。

部屋の奥から物音がする…。

私は恐る恐る先へ進む。リビングの手前で私は足を止める。


(嘘でしょ…)

私はその場で硬直した。私が恐れていた事態が目の前で行われていた。


浮気だ。


私はあまりのショックにその場で膝をつく。

その日を境に私の人生はどん底に突き落とされることになった。


後から判明したけど、

私が必死に働いて稼いだ金を浮気相手に勝手に使っていたのが発覚した。

私のクレジットカードを勝手に使用し、浮気相手に沢山プレゼントをしていた。

私はこいつと即分かれた。


騙された。すべて。あの愛想の良い態度も

あの言葉も、全部違う女のために。


考えたくない…ああ全部騙されていたんだなって

でも私の不幸はまだ序章だった。


突然会社のノルマが厳しくなり私は仕事に追われる日々になった。

人がどんどんやめて、私にどんどん負荷がかかってきた。

さらに両親が離婚。母に多額の借金があることがわかり、私は連帯保証人として借金を返す日々が続いた。

それからの日々は単純だった。

仕事に行っては帰ってきて、少しずつ借金を返し、寝るだけの日々。それが5年ほど続いた。


疲れた。私はいつの間にかその言葉が口癖になっていた。


徐々に精神が病んでいき、吐き気がすごく仕事へ行けなくなった。毎日毎日罵倒を浴びせられる日々だった。

もう生きていても楽しいことはない。いっそのこと死んだ方がマシじゃないかって思うようになってきた。

母が自殺した。私一人残された。父はどこにいるかもわからない。私はひとりぼっちだ。


気づけば私は建物の屋上の上に立っていた。


(あー…一瞬の苦しみで解放されるのか)

そう思った。思ったけど…


死にたくない


こんな死にたいと思う自分が恥ずかしい。

私は全てを失った。父も母も恋人も友人も何もかもだ。

だから身を投げ出そうとした。

しかし、それでも私は…死ぬのが嫌だった。


幸せになるまで死ねない。


ただそう言い聞かせて何とか生きてきた。


鬱になった。入院だ。

精神がボロボロで立ち上がれなくなった…。


でも私は生きたかった。やり直したかったのだ。

全てを…初めから。

私はそう考えながら歩道を歩いていた。

そしたら突然、上空から人が落ちてきた。

私はその人の下敷きになり、意識不明となった。


こんな死に方は嫌だ。

私はもう一度人生を取り戻したい。もう一度チャンスを下さい。

だから私はこのヨミガエリゲームに勝ちたい。


私はこの世にヨミガエリタイ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る