第16話

「愛海とおっさんはどこだ!?」

京は辺りをキョロキョロ見渡すが、愛海たちの姿は見えない。

京が立っている場所は廊下だ。

両脇は壁であり、天井には電灯がついている。

辺りは明るく、足元も見え、目の前には螺旋階段が見える。

京はとりあえず螺旋階段へ向かって歩き出す。


「くそ…皆どこだ?」


京は階段まで進み、下を見下ろす。

下には所々ドアが見える。上を見上げれば、そこにもいくつかドアがあった。


「上に上がるか下に下がるか…どうするかな」


京がそう悩んでいると、下から階段をのぼる足音が聞こえてきた。

下を覗くとそこには鬼の姿があった。

京と鬼の目が合った瞬間、鬼が階段を駆け上がる!


「やべっ!?」

京も走りだし、階段を駆け上がる!

しかし、上を見上げると、上の階から別の鬼が出てきた!


「畜生!!上からも来るのかよ!?」

下の鬼も上の鬼も全速力で京を目掛けて走ってくる!

「一か八かだ!!」

京はワイヤーを取り出し、大きく振りかぶって上へ投げつける!

上の鬼がいる階段よりさらに上の階段にかぎ爪が掛かる!


「よっしゃ!!」

京はワイヤーを使って上へ上昇する!

上の階にいた鬼を越してさらに上の階へたどり着く!

京はかぎ爪を外し、目の前にあるドアを開け、中へと逃げ込む!


「どこに行けばいいんだ!?」

中は一本道であり、ところどころ両脇に部屋があった。

「どこかの部屋に入った方がいいのか!?」

遠くからドアが開かれる音が聞こえる。

「さっきの鬼たちがこの通路まで来たのか!?」


京は咄嗟に目の前にあった部屋に入る!

その部屋は真っ暗であり、4畳ぐらいの大きさの部屋だった。

ベッドと机があり、部屋の中には誰もいなかった。


京はベッドの下に隠れ、身をひそめる!


ダダダダダダ…


鬼の足音がだんだん近づいてくる!


ダダダダダダ


京の近くで足音がピタリと止む。


(おいおい…なんでここで止まるんだよ!?過ぎ去ってくれよ!?)


ギイイイ…


京のいる部屋に鬼が2体入ってくる。

鬼たちは周りを見渡し、タンスを開けたり、机の下をのぞき込んだりしている。


「くそがっ!!」

京はベッドの下を転がり出て、即座に立ち上がり、この部屋を出ていく!

鬼たちも京に気づき追いかける!

通路を進んでいくと、先は行き止まりであった!

「くっそおおお!!」

背後から鬼たちが迫りに迫ってくる!!

「戦うしかない!!」

京は虹色の球から二つかぎ爪付きのワイヤーを取り出す!

2体の鬼が京の体を掴もうと襲ってくる!!

京はかぎ爪で鬼の手を刺す!

何とか鬼たちから逃れようとしたが、

鬼のうちの1体が京の体を捕まえる!

鬼の手に触れた京の体が徐々に石化していく!!


「離せっ!!」


京は鬼に頭突きを入れ、そして蹴飛ばす!

鬼の手が京の体から離れる!


京はかぎ爪でもう1体の鬼を斬りつけ、さらに後ろに回り、ワイヤーで鬼の首を絞める!


「ぐがが……」

京はワイヤーを力づくで締め上げる!

しかし、もう一体の鬼が京へ襲いかかる!

鬼は両手で京の腕を触る!京の体が石化していく。


「ここまでか!?」

京が観念しようとしたその時、鬼の頭に小石が当たる!

鬼が振り向くと、そこにはウルハの姿があった!

「こっちだ化け物!!」

ウルハは鬼を挑発する!

京は振り返った鬼たちの隙を見逃さなかった!


ヒュッ!!


京は2本のかぎ爪を鬼たちの頭に突き刺した!!

鬼たちは白目を向き、その場で倒れた。

ウルハは即座に倒れた鬼に近づき、そして鬼の首についていた鍵を取り上げる。


「良く助けてくれたウルハ!!」

京は笑みを浮かべてウルハに話しかける。


「助けたんじゃない」


「は?」

「じゃ」

ウルハは2本のキーを持って走り去っていく!


「おいおいおい!!嘘だろ!!」

京はウルハを追いかける!


ウルハは京から逃げるように階段への入り口まで走る!

「おい待てクソガキ!!」

京も全速力でウルハを追いかける!

しかし、途中でウルハは立ち止まった。


「!?」


階段の入り口にあるドアが開かれ、別の鬼が3体入ってきたのだ!

ウルハは後ろを振り向き、京の方へ走る!

ウルハは京を追い越し、京の後ろへ隠れる!


「おいガキ!!」

「あいつら倒してくれ」

「ふざけんな!!」


京が宇月を捕まえようと、首根っこを掴もうとしたところ、

宇月はそれを避け、さらに奥へと逃げていった!


「おい!待て!!」


「グガアアアア!!」

鬼たちがもうすぐそこまで来ていた!

「くっそ!!」

京はかぎ爪をもちながら奥へと走る!


ウルハは京が近づいて来ていることに気づく。

「こっちへくんな!戦え!!」

「調子こくなよクソガキ!!お前も戦え!!」

京は宇月にかぎ爪付きのワイヤーを1本投げる!

宇月はそれを受けとる。

「うっ!?僕が戦えるわけないだろう!?」

「黙れ!!男なら意地でも戦うんだよ!!」

京と宇月は壁に背を向けて、鬼たちを前に武器を構える。

鬼たちが3体襲い掛かってくる!!


「行くぞ!!」


京は鬼へ向かってかぎ爪を投げつける!

鬼たちはそれを避けたが、かぎ爪はカーブし、2体の鬼の首を巻き付ける!


「よっしゃ!!」

京は鬼の首を絞めつけた!

2体は抵抗するものの、徐々に首が絞まっていき、気を失って倒れる!


「グガアアアアア!!」

残りの1体が京を襲う!

そこを宇月が鬼の背後へ回る!


「うおおおあああ!!」

宇月は雄たけびをあげながらかぎ爪で鬼の背中を突き刺す!


「いいぞ!やるじゃねえか!!」

さらに京は鬼を蹴飛ばす!

鬼が倒れたところを京がのしかかり、タコ殴りにする!

京と宇月が1体の鬼をボコボコに殴っている最中、先ほどの倒れた2体の鬼が起き上がった!

「グオオアアアア!!」

鬼が京たちを背後から襲い掛かり、1体の鬼が宇月の首を締め上げる!

「宇月!!ぐああ!? 」

京ももう1体の鬼に背後から掴まれる!

鬼の手に触れた京たちの体が徐々に石化していく!!


「くそおおッ!?」


京と宇月の顔が石化する寸前、鬼たちの背後から誰かの雄たけび声が聞こえてきた!


「うおおおおおお!!」

「おっさん!!」

鬼の背後に立ったのは手越だった。そして彼は盾で鬼たちの頭をガンガン叩いていく!

鬼たちは泡を吹き、その場で倒れた。


「大丈夫か!?ウルハ!?京!?」

「ナイスタイミングだぜ…おっさん」

京と宇月の体の石化が止まった。


「ありがとうおじさん…また助けられた」

ウルハは手越の前にたち、笑顔でお礼を言う。

「ケガは無いかウルハ」

「うん」


ウルハは鬼たちの首についている鍵を取っていく。

「この3つのキーは俺がもらっていいか?」

「ダメだ!!」

京はウルハに吠える!

「ここで無駄に争うぐらいなら均等に分けるぞ」

「……ッチ」

「チじゃねえ!」

「俺に3本、お前に2本が妥当だ!」

「なんでだよ!俺が4本!お前が1本だ!!」

「いい加減にしろよクソガキ!最初の2本は俺の手柄だし、今のだって俺が倒してんだろうが!!」

京と宇月がいつものごとく喧嘩し始める。


「やめろ二人とも…」

手越が間に入り、二人をなだめる。

「とりあえず俺も手持ちが2本ある。」

「それから京たちももう5本を手に入れたわけだな。」

「今なら1人、先に進める条件を満たしているわけだ。」


「おっさん!!気をつけろよ!!こいつ盗んでくるからな!」

「盗まねえよ」

「俺から盗んでたろうが!!?」


「まあまあ落ち着け。俺から一つ提案だ」

手越は京とウルハの間に立つ。

「ここはお互い3人で5本ずつ集めるようにしないか?」

「一緒に力を合わせないとゲームに勝つことが難しい状況だ」

「もしかしたらこの先も何人かで力を合わせないと進めることができないかもしれない」

「だからここは3人で協力して5本ずつ集めないか?」


「なるほどな…俺は構わないぜ。思った以上に鬼を倒してキーは取れてるし」

「僕も構わない」

京もウルハも手越の提案に賛成する。


「でもきっとこのガキは裏切るぜ?」

「僕は裏切らない。京裏切る」

「なんだと!?」

「まあまあ落ち着けって」


「いやああああああああああああああああああ!!」


突如下の方から女性の悲鳴が聞こえてきた!


「オイ…この声まさか……」

「愛海か?急ぐぞ!!」


京たちは悲鳴がする方へ駆けだしていく!

通路を走って先にあるドアを開け、先ほどの螺旋階段へ出る。

下の方で愛海が鬼に追っかけられていた。


「愛海!!」


京はワイヤーを使って、愛海のいる方へ駆けつける!

愛海は鬼たちに挟み撃ちにされていた!

鬼が愛海に触れようとしたその瞬間に、京が愛海を捕まえて、そのままワイヤーで下降する!


「京!!」

京と愛海は一番下の階まで降下し、鬼から逃げることに成功した。


「うわあああ!?」

今度は上の方から悲鳴が聞こえてきた!


ウルハと手越のところにも数体鬼が襲ってきたのだ!

手越は襲ってくる鬼たちを盾で応戦する!

しかし、1体の鬼が手越を通り超してウルハへ襲い掛かる!

ウルハは鬼から逃げて階段を駆け上がるが、

階段の上からも数体鬼が襲ってきていた!

ウルハも挟み撃ちにされ、鬼たちに捕まりそうだ。


「ウルハ!!」

手越は目の前の鬼たちを薙ぎ払い、ウルハを助けに階段を昇っていく!

ウルハはすでに鬼たちに掴まれており、徐々に石化が始まっていた!


「うおおおお!!」

手越は鬼たちを背後から盾で殴り倒していく!!

鬼たちはターゲットをウルハから手越へと変更し、手越に襲い掛かる!!

手越は盾で2体の鬼と応戦するが、他3体の鬼が手越の背後に回り、彼の両手を抑え込む!

手越身動きできない隙に鬼たちが手越の体に手を当てていく!


「おっさん!!」

京たちはワイヤーで急いで上へ駆けあがっていく!!

手越の一歩手前で別の鬼が京たちに襲い掛かる!

京はかぎ爪で鬼と戦うが、その間に手越の体の8割ほど石化が進んでいた。


「おっさん!!」

京!!ウルハと愛海を連れて逃げろ!!

手越は完全に石化し、その場から一瞬で消え去ってしまった!

「手越さん!!」

「くそおお!!」

京はウルハを片手で持ち上げ、ワイヤーを下の方へ投げる!

ワイヤーの先端であるかぎ爪が階段の袖にかかり、

ウルハを連れてワイヤーで下まで降下する!


「手越さんが……」

「僕のせいだ…僕が逃げきれなかったから」

愛海は下をうつむき、ウルハは自責の念でいっぱいだ。

「二人とも落ち込んでも仕方ねーぞ!」

「おっさんを助け出す方法はあるだろうが!!この鍵でおっさんを助け出すんだよ!!」



「そうか…手越さんは牢屋に送られただろうから、牢屋から指名して出してあげればいいんだ…!」

「そう。俺たちのやることはただ一つ」

「鬼からキーを盗んで手越のおっさんを連れてゲームクリアすればいい!」

「俺たちが持っているキーの数は5本。とりあえず1人はここから脱出できるというわけだ。」

「手越のおっさんを助けたあと、10本集めて皆で脱出しよう」

「そうね…そうしよう!」

ウルハも口には出さないが、頭を縦に振ってうんうんうなずく。

愛海、京、ウルハはキーを集めて必ず手越を牢屋から出すことを決意。

3人で行動し、キーを人数分揃えることを目標にした。


先ほど上にいた鬼たちがこちらに向かって階段を下りてきている。

「どうする京?」

「とりあえず、あそこの扉へ進もう。」

京たちは目先にある扉を開けてその先を進んでいく。

京たちが進んでいくと、そこには通路が二手に分かれていた。

「どっちへ行く?」


フオオオオ……

右の通路から何かおぞましい声が聞こえてきた。


「右に行くのはよそう…」

「うん……」

一同は左の通路へ進んでいき、歩いていく。


真っ直ぐ進んでいくが、その先は行き止まりであった。

「また行き止まりかよ!?」

「引き返すしかないね」

京たちが引き返そうとした時、後方から先ほどのおぞましい声が再び聞こえてきた!


「グオオオオオ!」


「さっきより近いぞ…!?」

「まさかこっちへ来ているの?」

「おいウルハ!愛海!戦闘準備だ!!自分の身は自分で守れ!」

京はウルハと愛海にかぎ爪付きのワイヤーを渡す。

「どうやって使うのこれ?」

「ワイヤーを投げて首を絞めたり、この爪で切り裂いたりするんだ!」

「わっ…私できるかな!?」

「やらないとやられるぞ!」


「グオオオオオ!!」

先ほどのおぞましい声が先ほどより鮮明に聞こえ、もうすぐそこまで迫ってきていることがわかる!

「来るぞ!!」

緊迫した空気が漂う。

京たちは迫ってくる敵に対して戦うことを決意する!


「グオオアアアア!!!」

「来た!?」

京たちの目の前に5体の鬼が姿を現した!

鬼たちは京たちを見つけては、即座に襲い掛かってきた!

京はワイヤーを真横に投げていく!

ワイヤーは右から左へ大きく弧を描き、5体の鬼を囲む!

そして5体まとめてワイヤーで締め上げることに成功した!!


「よし!!」

京はワイヤーできつく縛り、鬼たちの身動きを封じる!


「愛海!ウルハ!こいつらを叩け!!」

「え!?」

「早く!!」


愛海は最初に戸惑いを感じていたが、覚悟を決めて鬼たちの頭をかぎ爪で叩いていく!

ウルハも愛海に続いて鬼たちを叩いていく!

しかし、鬼たちは怯まず、力いっぱい込めて京の鎖を解こうとする!


「ううう!??」

鬼たちが鎖から逃れようと、力ずくで両手を開いていく!そして京が占めていた鎖が徐々に緩んでいく!

そして遂に鎖が千切られ、鬼たちの体が解放される!


「愛海!ウルハ!下がれ!!」

京はかぎ爪付きロープをもう一本生成した!

そしてもう一度横に投げ、鬼たちを拘束しようとした!

しかし、1体の鬼が京の投げたかぎ爪を素手で捕まえる!


「!?」

残りの4体が京へ襲い掛かる!!


「京!?」

京はかぎ爪で鬼たちの襲撃へ応戦するものの、

鬼の攻撃をさばききれず、傷を負ってしまう!!


「ぐうう!?」

「京!!」

愛海が京を助けるべく、かぎ爪で鬼を攻撃する!

しかし、愛海の攻撃は簡単に避けられてしまい、

鬼に捕まってしまう!!

「愛海!?」


ウルハが愛海を襲った鬼に向かってかぎ爪で攻撃を仕掛ける!

鬼にかぎ爪は突き刺さるものの、鬼は怯まない。

鬼はウルハの方へ顔を向けて、そしてウルハを蹴り倒す!!

「ウルハ君!?」


「クッソおおおお!!!」

京は両手に持っているかぎ爪を振り回し、迫ってくる鬼たちを後ろへ下がらせる!

京はワイヤーを愛海とウルハを襲っている鬼へ投げる!

かぎ爪が鬼の頭に突き刺さり、鬼は頭に刺さったかぎ爪を取ろうと必死に慌てふためく!

京はその鬼へタックルをかまし、鬼を転倒させる!

そしてかぎ爪で鬼の体を突き刺す!

京の背後から別の鬼が京の体を捕まえようと、両手を大きく広げる!!

鬼が両手で京を捕まえようとしたところを、京は下へかがみ、それを避ける!

そして左手で鬼の顎をアッパーする!

さらに怯んだ鬼へワイヤーを突き刺す!


「うらあああ!!」

鬼を切り裂き、その勢いで別の鬼へ斬りかかる!


ズサアアアア!!

鬼は引き裂かれ、その場で倒れる!

残りの1体が京へ飛び込み、京の腹を両手でつかみ、そのまま突進して壁に押し付ける!

「ぐうう!?」

京の体が徐々に石化していく!!


鬼の背後に愛海が立ち、後ろからワイヤーで鬼の首を絞める!

「このおおお!!」

「ぐおおおあ!?」

鬼は怯み、京の体から両手を離す!

京は鬼を蹴りあげ、そして鬼の顔を拳で殴る!


「がアッ!?」

鬼は横転し、倒れたところを京が鬼の上に乗っかかり、

タコ殴りにしていく!鬼は気絶する。


「やった!」

愛海とウルハは京の元へ駆け寄る!

「やったね京!」

「ああ……」

京は限界を迎えており、その場で手をつかず倒れてしまう!

「京!!?」

愛海は倒れた京を起こす。

「大丈夫?」

愛海は万能薬を取り出し、京にそれを飲ませようとした。

シュッ!!!


「ッ!?」

薬を握っていた愛海の手の甲に弓矢が付きささる!

愛海はあまりの痛さに万能薬を地面へ落とす。

「誰だ!!」


ウルハと愛海は矢が飛んできたほうに目をやる。

そこには仁を含め、4名のプレイヤーがたたずんでいた。


「お前は!?」

「大丈夫か京?体がボロボロだな。」

仁の後ろに立っていた3名のプレイヤーが京の手足を抑え込む!

「何をする!?」

仁は身動きができなくなった京からキーを取り上げる!

「おいてめえ!!返せ!!」

「よくぞ2つもキーもそろえたもんだ。」


「返して!!」

愛海が仁からキーを取ろうとしたが、大男が愛海の両手を掴み、

愛海を羽交い締めにする!


「愛海!?」


「やめろおおお!!」

ウルハは仁に向かって蹴りを入れる!


「なんだこのガキ。」

仁はウルハを片手で持ち上げ、首を締め上げる!

「うぐぐぐ!?」


このガキもキーも持ってるな。

仁はウルハからキーを盗み、ウルハを壁へ向かって投げ飛ばす!

「ぐわあ!?」

ウルハは壁に衝突し、その場で倒れる。

ガキの方は3本も持っていやがった。


「仁!鬼から5本キーを取ったよ!」

眼鏡をかけた仁の仲間が京たちが倒した鬼からキーを回収したのだ。


「おっしゃあ10本もそろったな。」

「これで3人はクリアできる。よし次行くぞ」


「ま…待て」

京は力を振り絞って起き上がる。

「おやおや…まだそんな体でも立てるのか。素晴らしいね」

大男が京へ近づいていく。

「や…やめて!!」

愛海が叫ぶが、それも虚しく、大男は京を殴り飛ばす!!

「京はぶっ倒れ、気を失ってしまう」


「よし行くぞ。」

仁たちは京たちを置いて、去っていく。


「ううう…京…ウルハ」

愛海は立ち上がり、万能薬を取り出す。

まず京の方へ万能薬を飲ませに歩き出す。

「京。今すぐ助けるからね!」

愛海が京に薬を飲ませているところに近くのドアが突然開きだす!


「!?」


ドアから1体の鬼が現れた!

鬼は愛海を見てはすぐさま襲い掛かった!

愛海はかぎ爪で鬼と戦う!しかし、かぎ爪は鬼の長い爪で弾かれ、

そして鬼は愛海の首を両手で絞める!


「あ…愛海……」

京は意識を取り戻す。

「京…はやく……に…げ」

愛海の体が首から石化していく!

京は力を振り絞って立ち上がる!

京は愛海を助けようとするが、もう時は既に遅かった。

愛海は完全に石化し、その場から消えてしまった。

「愛海!?畜生!!」

京は愛海を石化させた鬼へ立ち向かっていく!

そしてかぎ爪を取り出し、鬼を切り裂いていく!

鬼は倒れ、キーを落とした。


「くそっ…愛海……」

京はキーを回収し、先へ進もうとする。

京の目の前にウルハがぐったりと気を失って倒れていた。

「まだ息があるな……」

京はウルハを背負って前へと歩いていく。

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