みわたして。
小さな画面をずっと、意味もなく眺めていた。
何かあるわけでもないけど、毎日が嫌だった。
いわゆる“五月病”なんだろうと思ってた。
今はもう、7月、、、、5月じゃない。
当たり前だ。一ヶ月なんて、体感的にすぎるのなんて一瞬だ。
ずっと遠くに行きたくて。
きれいな夕焼けとか、階段の上から見下ろす街とか。
山の濃すぎる青とか、太陽顔負けの真っ白い雲とか。
海とか、自転車の音とか。
田舎にいきたい。が、いつのまにか口癖になっていた。
ある日、『ラーメンを食べに行こう』って、家族と車に乗った。
何気ない、空が、雲が、太陽が、
ただただ、綺麗だった。
何十年も暮らしている馴染みしかない、この街が。すごく。
後部座席に座っていた私。半分だけしか窓は開いていなかったんだけど、
その小さな隙間は、澄んでいる。めんどうくさすぎるこの世の中で。
“小さくても、後者の小ささのほうがよっぽど価値がある、そう思った。”
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