えんぴつのかげ
花園 りんご
つながりとのおつきあい。
いろんなひとの、いろんなものが、まじっている。そとのくうき。
わたしだけの、わたしのたいせつなもので、できている。いえのなかのくうき。
カーテンをあけると、くもりの日特有のわたみたいなひかりがとんでくる。
まどをひく。でも、そととはかんぺきにはつながらない。
むしがにがてなわたしをまもってくれる、網戸。
標的はむしだけにかぎらない。
となりのひとのいらいらしたふんいきとかも。
このへやは、わたしのせかいだから。
ほかのひととは、ちかずきすぎないように、でもとおすぎないように。
あたたかくて、やわらかいかぜだけを、とおしてほしいの。
“今、風が吹いて、数学の教科書が数ページ、時を巻き戻した。”
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