第4房 demons morning [出没]
前回のあらすじ
やっとのこさ着替え終わり、タダ飯を喰らいに行く庵
その晩飯にて、二人の様々な事情を聞く庵
不穏なニュースが飛び交う中、意外な二人の関係性に脳を焼いた庵
さぁ、今日は一体どんな日になることや!チャンネルはそのままで,,,,
夢を見た
夢はいつも自分が見たいものを見せてはくれない。しかし、夢が夢であることを自覚できれば夢の中を操作することができる。これを明晰夢という。私はこれまで明晰夢を幾度か経験した。だがしかし夢であることを自覚しても、その夢のシナリオに呑まれることを私は幾度も選択した。だが今宵見た夢は悪夢だったようだーーーーーーー
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貧民街のとある一軒にてズボラな男が目を覚ます
庵「ふあぁ〜、よく寝たぜ」
桐夜「おはようございます、庵さん。よく寝れましたようで良かったです」
庵「おん。あーーっと、そうかそういやお前んところに世話になってたんだったわ」
景「さぁ兄ちゃん寝起きで悪いけど、桐夜の頼みで兄ちゃんを昨日は泊めてやったんだ。とっとと支度を整えてどこへでも行って帰るんだな」
そのように景はもう面倒事は御免だと、そもそも兄ちゃんまで養うような余裕はないと言っているような言い方で...いや言ってるなこれは。
庵「あーうん。そうだな、いや何悪かったな。色々とよ」
と悪びれる気持ちの一片も感じられない、社交辞令と言える言い方で彼は言った。
そしてわかっていても少し物寂しさを覚える桐夜がこう言う
桐夜「いやいや、僕がここに半ば無理やり連れてきたんだし。そう..何より」
ここで少年の言葉は詰まる。夢を夢と見たかのような感覚。わからぬ事はあるとはいえ、ここでの短き思い出は閉鎖的で辛き生活に色を足してくれるような人物の明るさを手放すという。とてもそれは惜しいという心のわだかまりが少年に蓋をする。
しかし、一期一会の別れを少しでも良くしようと少年は別れの手向けの言葉を送る。
桐夜「昨日のニュースにもあったように危険なデーモノイドが彷徨いてるかもだから、十分に気をつけてね!」
庵「あぁそうだな。気をつけるよ、じゃあな」
そう言い放ち別れるため、玄関までホを進めようとした...その時!!
ドゴ〜〜ンッ!といった地響きにも思える。何かが崩れるような大きな音が聞こえた。
「!?!?」
と三人は一斉に驚く、異常事態発生だ
景「なんだぁ!一体!」
桐夜「ちょっと窓の方見てくる!」
そう言い放ち3人揃って窓の方へとかけ寄っていった。
その先に映るものは、明らかにこの世のものとは思えない異形の姿。その姿は体の大部分が黒く手や足がたくさんあり、大きな口がそこらにある鉄くずを食い散らかしていた。そうこれが世間を騒がし、人の天敵と言える存在。デーモノイドそのものである。人によっては悪魔化現象などともいわれている。
さぁ、ここにいる人間は一体どうするのか。
桐夜「どうする?!警察を呼ぶ?」
景「ばっかお前んなことしてる前にやつがこっち気づいて、3人全員デーモ化するか食われて終わりだよ!」
そうデーモノイドの特徴には人を悪魔に変えるがあるのだが、これは所謂契約によって発生する。
^^^^契約^^^^
主に魔術師などがデーモノイドを使役または転ずるために専用の特別な本
つまりグリモワールにてそれが行われる。
また、高位の悪魔による勧誘。もしくは強制的な契約が行われることもある。
vvvvvvvvvvv
つまり元々は愚かな魔術師によって野良デーモノイドが大量に発生したのだった。
そして今の社会において魔術師は地位が高いためこのようなことにおいて、平民もしくは彼らのような孤児が住まう地域にデーモノイドの実験体として誘拐または虐殺をするという事件が報道や公表はされにくい。
無論これらを良しとしない者たちもいるにいるが、それはまた別の話にでも...
景「大体、こんなとこにデーモノイドがいるなんて大方クソ魔術師共のによる実験だろ!通報したところで助かる保証はない!警察が対処するのはあくまで野良だけだ!」
桐夜「で、でも」
景「でもじゃない!死にたいのか!俺たちみたいなんに手を差し伸べ助けてくれるような輩はこの世には人っ子一人いないんだよ!」
正しく絶望的な状況...生死の瀬戸際に彼らは今いる。
それ故に桐夜も状況を飲み込んだ。そうここから逃げると。
景「見たところ、まだ大した階級にあるようなデーモノイドじゃねぇ。昨日の報道にあったような危険度が高いやつじゃなさそうだ。見つかる前に逃げるのが得策だよ!」
そう言い急いで荷物をもって逃げようとする二人とは裏腹に一人の男は立ち尽くしていた。そう危機感も恐れもない、今自分がすべき事をわかりきった顔で。
庵「まぁ待てよ、二人共そういうことならこの兄ちゃんに任せな。」
と、一刻を争う事態にも関わらず悠長に構えているこの男に気でも触れたかと二人は思う。
景「はぁ?兄ちゃんが何するってんだよ?」
庵「俺がやつを倒してやるって言ってんだよ。がきんちょ」
とんでもない発言である。人がデーモノイド..人類の天敵を狩るというのだ。
天敵とは勝てないからこそ天敵なのだ。それに勝つというのだから真性のバカだ
景「ハァ!何言ってんだよ兄ちゃん!頭おかしいんじゃねぇの!デーモノイドに人が勝てるわけ無いだろ!」
至極真っ当な返しを庵に対してする景に続けて桐夜もまた言う
桐夜「庵さんそれはあまりにも無謀です!もしも僕たちのために時間を稼ぐつもりで発言をしたならやめてください!そんなことのために僕は人に死んでほしくはありません!一緒に早く逃げましょう!」
必死に止める少年。それはそうだデーモノイドと戦うなんぞ死にに行くようなものだ
そう本当にこれが二度目とならぬために。
庵「へッまぁいいさ、俺は勝手に行かせてもらうよ。」
そう言い、二人の静止を振り切りとっとと外へ出てしまった。
景「あのバカ!...逃げるよ」
桐谷「!置いて逃げるの!あのお兄さんを!」
景「知らねぇよ!もう助かりはしないんだあのバカは!あいつがあの化け物に突っ込んでいる間にとっとと逃げちまうぞ!」
桐夜「僕は...僕は...」
精神が渦の中へと沈み込む。動悸が激しくなり、呼吸も荒くなる。見捨てて逃げるか今にでも止めに行くか。思考を激しくめぐらす、そして渦の中へと肩まで浸かりきった瞬間!少年は走り出していた。
景「!?バッバカ野郎!お前どkoe----」
声が遠のく、もはや聞こえない。そしてあの青年のがいるであろうところまで急いで走っていった。
さぁその先にあるのは何か?無惨な死体か、それとも?
第4房 完
次回予告 遅すぎた戦闘
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