第3房 demons love [情報]
前回のあらすじ 口喧嘩という時間加速により、少年たちの家についた主人公
そこでシャワーを浴びたら悩殺マシンガン質問を繰り出され満身創痍になった主人公
そして男の裸質疑応答の最中に飯に呼ばれる主人公
飯時フェスティバルが今始まらんとする
庵「今戻ったで〜」と呑気に歩いてくるアホ
景「おっせぇぞ兄ちゃん!早くそこ座んな!」まるで彼のオカンであるかの様に言う
庵「うっせー!そんなに経ってないやろ!」
景「そもそも着替え始めんのもおっせーんだよ!」正論である
庵「それはあいつに質問攻めされてたからで」
それを遮って景が喋る
景「だとしても着替えながらでもできたろ!」本日二度目の正論である
庵「気迫がすごかったんだよ気迫が!」
と苦しい言い訳を苦しみながら言うように言う
景「ハッあいつの気迫だぁ〜?!歳の割に随分とまるっこちぃ心だな兄ちゃんは!」
庵「ぐにゅ〜〜〜〜〜ッッ!!!」地の底から湧き上がるようなドス黒い低い声
なんとも間抜けな悔しみ方である
桐夜「まぁまぁそこまでにしなよ二人共。折角のご飯が冷めちゃうよ」
桐夜が優しく二人を諫める。大人だな
景「まぁ、それもそうだな。おらっさっさと食うぞ」
庵「フンッ!」 貴様は子供か
そうして飯をやっと食い始めたのだった。
庵「さーって、どんなご飯なのかなー?これは...筑前煮」
彼の小皿には筑前煮が予めよそわれていたのだった。私としてはよそわずにいてほしいものだ。自分で選びたいからな。
景「ん?そうだが、なんかあんのか?」
庵「あ、いやその...スーーーッ、桐夜」
何やら真剣な様子で何かを頼み込もうとする庵に桐夜は反応する
桐夜「どうしたの?」
庵「食ってくれ」
庵は食い気味に言った。そうかなりの
景「なんだ兄ちゃん好き嫌いは良くねぇぞ」
庵「バ、バッカお前。俺はただその俺より美味しく食ってくれるやつにあげてるだけだよ」
景が呆れた顔で言う。これではどちらが年上かわかったものじゃない
景「あーはいはい。わかりましたー」
庵「それよりよ、少し質問していいか?」
桐夜「いいですよ。何が聞きたいんです?」
庵「ここにはよ、いつから住んでんだ?」
桐夜「そうですねぇ〜もうかれこれ4、5年はここに住んでますかね〜」
そうあの頃のことを思い出すかのように言う
庵「4、5年か...今いくつだ?」
桐夜「景くんが15歳で僕が14です」
庵「そうか、学がないって言ってたが学校は行けれてないんだよな?じゃあどう食いつないでんだ?」
景「日雇いの工場で働いたりしてるよ。ていうかよ、兄ちゃんの方こそほんとに何してるんだよ?昼間からビルの屋上で寝ててよ。仕事とかしててねぇのか?」
桐夜「あッそれは僕も知りたいです!やっぱりマンジック語録の主人公みたいに何でも屋してるんですかね?」
すかさず桐夜はメモ帳を取り出す。景は眼の前にいる端から見れば住所不定職業不明の正しく不審者をこの目で見定めるかのように訝しみながらこちらを観てくる。
それとは真反対に桐夜はまるで漫画の中から出てきたヒーローでも見るかのような期待と希望あふれ尊敬の眼差しさえ混ざり込む瞳で庵を視る。
この二人の目線、視線を受け止めた庵はその気持に答えようとした。が...
桐夜「あっ!テレビつけなきゃ!今日のニュースを確認しないと〜」
と緊張感のなさすぎる桐夜によって場の緊張感は綻びる
===ニュースです===
こんばんは、ニュース・ペイパーのお時間です。
昨夜未明、ゲイハール街にてデーモノイドの残骸が発見されました。
発見されたデーモノイドは、連続デーモ化を引き起こしていた個体だとわかりました。警察はこの一件を重く見ており、より強力なデーモノイドが街中に潜んでいる可能性を危惧し、捜索を開始しております。近隣住民の皆様方は外出の際やご自宅にいる際は十分な注意とそれらしき生物を発見次第警察に通報しご協力ください。
続いて次のニュースです。魔術法華学会のドラク・デイル氏が-----
============
桐夜「怖いね〜デーモノイドが彷徨いてるかもだって〜」
景「そこかよ!ゲイハール街ってさっき俺たちが居たところじゃねぇか!」
桐夜「あ!そっかぁ〜」
気の抜けた会話が広がる。まるでその部屋の空気を満たすかのように
庵「なぁ俺の話聞くの?」と庵が少し申し訳無さそうに聞く 笑えるな
景「え?っああ、まぁそうだな兄ちゃんが話したきゃ言いな」
場の空気が先程とはそっぽ向いたせいか景の緊張も解けてしまった
庵「じゃッ俺はめんどくさいから話さんわ。ていうかよ野郎二人で共同生活たぁ..汗苦しいねぇ」
冗談めかした口調で庵は言う バカなのか貴様やはり
景「野郎とはなんだ野郎とはほんと失礼な兄ちゃんだな。人の家に上がり込んどいてシャワーも借りて、飯も食わせてもらって、そしてこれから寝床まで用意させようってんだ。お前は天下人かっての」
本日三度目の正論である。 二度あることは三度あるか、よく言うたものだ
庵「そういやよ桐夜からは名前聞いてたが、自己紹介しとくか?」
話を逸らすためか切り替えるためか、庵は別の話題を出した。
景「いやいい、あんたの名前は桐夜からもう聞いたよ」
庵「あっそ、確か景だったよな。名字はあんのか?」
なんの気無しに聞いてみた庵 これが彼を混乱の渦へと導くこととなる
景「あるぞ。"会堂" 景だ」
庵「ん?なんだ兄弟だったのか?てっきり仲の良い友達同士かと思ってたぜ。
俺はよ」と茶をグビグビと飲むアホ面
そう言うと景は奇妙な返しをする
景「違うぞ」
意外な返答に庵は頭を沸かす まるで急須だな
庵「え?じゃあ何だよ兄弟じゃねーならなんだって言うんだよ。あ!アレか、
従兄弟かなんかだろ?」
庵の疑問はもっともだ、この世において基本的に同じ苗字は親子か兄弟、あるいは親戚もしくは同じ苗字なだけの他人。しかし答えは意外なものだった
景「それでもねぇよ。....jfchfだ」
やけに照れくさそうに口ごもる景 何を口ごもることがあろうか言ってやれ
庵「は?なんだよ聞こえねぇよ」
景「......夫婦だっつってんだよ」
庵ここで思考停止、いや宇宙をさまよい思考を放棄した。
庵「え、いやいやお前ら男だろ、な~に分けのわからんことを」
景「俺女だぞ」
澄ました顔で言う景 更に困惑が庵を襲い破裂する
庵「はああああああ!??え!?ウッソ!?お前!!いやいやいやいや待て待て!
まずお前らいくつだった??!確かそう14と15だろ!はああああ!!??」
景「うるさいぞ兄ちゃん少しは落ち着けよ」
庵「こおぉぉぉぉれが落ち着いていられるかあああああ」
庵大混乱もはや止まることを知らない暴れ牛の如しである。
景「ほんとこの兄ちゃんは見てて飽きねぇな。桐夜、説明してやれ」
桐夜「えっと夫婦というと僕も照れくさいですが、実はですね結婚の申請をするとですね市から少しの援助金と物資の供給が行われるんです。」
景「そ!俺等はそれ目当てで夫婦になったんだ。何もこいつと恋仲ってわけじゃねぇよ。だから少しは落ち着けよ急須頭の兄ちゃん」
庵「そ、そうだったのか...って誰が急須ジャイ!」
景「ハッ!顔が真っ赤だったもんでねつい。悪いな兄・ち・ゃ・ん」
そう小馬鹿にしまくった言い方で景は言った
庵「にしても、そうかそういう結婚てのもあんのか...」
庵の心のなかにある結婚像が少し歪んだのであった。 ピュアか貴様
景「さ、もう寝な。明日は早えーんだ」
庵「あ、ああ」
今日は今日とて濃密すぎる一日を経験した庵であった。
第3房 完
次回予告 明日の朝の日差しは焼ける匂い
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