第2房 demons light [訪問]

前回のあらすじ

謎の男と曇りなき眼をもつ少年たちが落下という出会いを果たす

そしてゴミだらけの謎の男に興味を持つ少年!ぜひにと話を聞くため家へと招待するが....


けたたましい声が聞こえる


ー「たくッ!痛ってぇじゃねーか!このちんちくりん野郎!」


景「アァ!!テメーがガキ扱いするからだろうが!紐の端野郎!」


ー「何をぉーー!」


 「まぁまぁ二人ともそろそろ家につくよ」


そうこの二人はあの路地裏からずーーとッ口喧嘩をしていたのである。

よくもまぁ飽きないものだな、そのエネルギーでビル一つ分の電気は賄えるな


ー「おッ!ここがお前らの家か!」


その目線の先には随分と古びた...いや、ゴテゴテといろんな素材の金属やらなんやらの板で作られた建物...集合住宅だろうか?似たような建物がここいら付近に広がり溢れかえっている。


ー「んー喧嘩で夢中で気づかなかったが随分とこう...なんだここらへんはさっきの街とはえらく違うな」


景「そらそうさ、なんたってあそこはここら一体の中心地なんだからな..俺等みたいなのはこういうボロ家がお似合いなんだよ」


 「あはは...まぁそうだね。ほとんどの人間がこういう家に住んでるんだよ。ああいう街中で住めるのは平民の人間だけさ」


ー「ん?じゃあお前らは何なんだよ?平民て階級的には一番下に思えるが」


景「はぁあ?なにいってだよ兄ちゃん、ゴミ箱に落ちたショックでそんな事も忘れちまったのか?」


ー「っどういうことだよ」


 「僕らは所謂孤児で親がいないんです」


おっとまずいこと聞いたようだ。と心なかで謎の男は思った。まぬけめ


景「だからまともな学や市民権のねぇ俺らはこういう場所しか住めるとこはないんだよ」


ー「....いやでもよ、そこらじゅうにあるこの鉄くずの山はどこから来てるんだ?」


 「これらは基本的に街の研究の失敗作や廃品がここらに捨てられているのです」


ー「そりゃ、ひでぇな」


環境汚染広がリングですなぁ


 「まぁでも、僕らからすれば物買う余裕が少しだけ生まれるので嬉しい限りですけどね。ははは」


景「そんなことより、さっさと中に入ろうぜこれでも中は結構マシなもんだぜ外側は不格好だけどよ」


この少年たちの言葉は貧しさを日々痛感しつつも今を生きるに希望を持とうとしている目を輝かせていた。それは明るいのか暗いのか...


ー「せやな!ワシのこの匂いもとらんとな!」


その時景は思い出したかのように怪訝な顔をして鼻を摘む


景「ウゲッそうだった!ほんとクセーぞ兄ちゃん」


その光景を少し微笑ましながら利発そうな少年は言う


 「じゃあ、入りましょうか」


ーーー入浴中ーーー


ー「ふぅ...さっぱりしたぜ。悪いな借りちまってよ」


シャワーを浴び気分爽快ハレルヤヘブンとなった謎の男は言った


 「いえいいんです、そんなことより!」


そう言うやいなや少年は体をずいっとこちらに近づき目を輝かせる。その手にはなにやら手帳とペンを持っていた。


 「お兄さんはあの屋上で何をしていたんですか?寝ていたんですか?それとも何か別のものすごいこうなんだかよくわからないすごいことをしていたんですか?あと名前はなんていうんですか?普段何しているんですか?やっぱりかっっこいいなにかとかすごいことですか?」


この間約15秒


あまりの早口に脳を焼かれそうになる謎の男


ー「まてまて、早すぎて何言ってっかわかんねぇし。質問多いし。あと『なんだかすごい』を何度も使ってたろ。こっちがなんだかすごいってなるわボケ!」


 「あ、すッすみません。僕つい夢中になって...」


と少年は自らの暴走に頬を赤らめ恥ずかしそうにし、言葉をつまらせてしまった。


ー「はぁ...名前なんていうんだ?」


 「...え」少し困惑する少年


ー「だから名前だよ、お前の。人に聞くより前にまず自分からが礼儀だぜ坊主」


 「あ!えっと、その会堂 桐夜って言います!」と少年は元気良く答える


ー「へーええやんその名前...え、かっこよすぎね」


少し名前の良さに自身を失うハムスター並の心の狭さを持った男 ばかだな


桐夜「えっと、それでお兄さんのお名前は」


ー「あーえっとな....qbcyejc....です」 ちっっさ


桐夜「え」困惑


ー「あああああもう!恥ずかしい!ええわもう言っったるわ!」


桐夜「!?」


突然の荒らげた声に桐夜は驚く


ー「俺のは!稲國 庵や!どうや!」


桐夜「・・・えっとその普通にいいと思いますけどそんなに恥ずかしいですか?」


庵「そらそうやろ!なんや庵て女の子みたいやないか!」


少年の反応とは裏腹にこの男は急須で湯が湧き沸騰しこぼれ出る熱湯のようである


桐夜「いやーそんなことないですよ本当に、φ(..)メモメモ」


庵「んなわけあるか!って何メモしとんのや!」


桐夜「え、あーいやシャワー代ですよシャワー代」


庵「ぐ、ぐぬぬおのれ桐夜」


庵の中で桐夜への恨みゲージがキュピーンと上がったがシャワー恩でなくなった


庵「それで、あとは何が聞きたいんや」


諦めた口調で庵は聞く まぬけめ


桐夜「えっとそのー...あ!お兄さんはどうしてあの屋上に居たんですか?やっぱり寝てたんですか?」


庵「庵でええ、あーアレな...まぁ普通に寝てただけや」


φ(..)メモメモ


庵「・・・」


桐谷「それで、・・」


そう少年が言葉を続けようとすると景が割って入る


景「おーいお前ら飯の用意が...って兄ちゃんまだ着替えてねーのかよ!」


庵「え?あ!」


そう庵は上がってすぐ桐夜の質問攻めにあっていたため着替えてなどいなかったのだ。それにツッコむこともない桐夜...実に間抜けな世界だ


桐夜「ごめん景くん僕のせいなんだ。じゃお兄さん僕は先行ってるね」

と言い残し風呂場から去っていく諸悪の根源


庵「・・・」


得も言えぬ気持ちが庵のこころをまさぐる

このような気持ちを味わうのはこのときこの世界でただこの一人だけであろう


第2房 完


感想やレビューなど待ってるぜ!!!!


次回予告 飯時:腹減ったな

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