第47話駆逐艦 vs 魔王
吾輩は人である。
名はホモ・サピエンス。
吾輩は空を見上げた。
《鑑定》スキルを発動させる。
それはすぐに見つかった。
駆逐飛空艦、奇城
黒のボディに白と赤のラインで染色された、見まがうことのない敵駆逐艦である。
システム『スキル《
システム『速やかに退避してください』
システム『この地域の生きとし生けるものすべてが死滅します。』
さすがは魔王である。
恐ろしい攻撃をするものだ――
・ ・ ・ ・
「ふふはははー。俺様が魔王リナの襲撃を助けに来てやったぜぇぇ――」
駆逐飛空艦、奇城
「この魔王、ジャック・ザ・ハートの名に懸けて! そこいら一体の人類をまとめて薙ぎ払ってくれるぅぅぅぅぅ!」
そんな魔王ジャックに、駆逐艦の最奥部、ダメージコントロールルームにいる魔王フアトロから念話による連絡が入る。
『高熱魔力源反応! 魔王リナが魔力出力を上げているわ! 注意して!』
魔王リナが?
「はははは。無駄無駄無駄ぁぁぁ」
だが、あんな新米魔王になにができるというのだろうか。
しかし興味深くなったジャックはすかさず魔王リナの状態を魔導
すると、リナは参謀の一人であるピーチから何かをもらっているようだ。
お菓子だろうか。餅のようにも見える。
その腰に吊り下げられているアイテムを《鑑定》すると、おどろるべき結果がジャックの前に現れた。
「な、なんだとう。『お腰につけた
魔王リナは『お腰につけた
それはもうむしゃむしゃと。
状態異常に掛かるのは時間の問題だろう。
システム:「イベント:いにしえの昔話イベント『ピーチ・タロー』が開始されました」
システム:「魔王リナは、『お腰につけた
システム:「魔王リナは、『お腰につけた
システム:「魔王リナは駆逐飛空艦、奇城
流れるようなシステムメッセージに目が行く。
(はん。こざかしい。魔王に敵対するのではなく、あくまで人によって状態異常を食らったからという理屈で攻撃するわけか。人を襲ったが狡猾な人間に騙されて洗脳されるというシナリオか! しかし、だからといって届くのか? お前の攻撃は?)
魔王リナを魔道カメラ越しに凝視する。
団子を食べ終わったリナは、おもむろに彼女自身のおっぱを揉み始めた。
やがて光輝きはじめるおっぱいに、魔王ジャックは何事かと見入ってしまう。
それが、致命的な敗因になるとも知らずに。
唐突にして、その光は放たれる。
「ま、まさか――、《おっぱいビーム》だとぉぉぉ! ばかなぁぁ――」
轟――
爆発音が響く。
それは、おっぱい揉みくだし師によって与えられてた遠隔攻撃の一つだ――
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