第5話牛さんならばアグリカルチュアルであってどのような表現でおっぱいをもみもみしてもR18にはならない

 吾輩は人である。

 名はホモ・サピエンス。



 吾輩は僅かばかりの金ではあるが、両親から金をもらった。


 生活の質を考えなければかなり長くそれで生存できることだろう。


 だが、一気に使えばすぐになくなる代わりにいろいろなことができる。


 生活費として使うだけでは生活が先細る一方だからな。


 だからは吾輩は郊外の土地に家とともにべこさんを買った。


 この世界の牛さんが牛乳をおっぱいから出すところは前の世界と変わるところが無い。


 だが、牛さんの毛の色で出てくる牛乳の質が違うのは異世界のお約束なのだろうか。


 この世界の牛さんは白い毛の牛さんからは白いミルクが。


 茶色い毛の牛さんからはチョコレートミルクが。


 赤毛の牛さんからはストロベリーミックスミルクが。


 それぞれ得ることができるというのだから驚きだ。


 中には常に足がぷるぷるしてる脳がスポンジ状のアルコールのお乳をだす酔い牛すいぎゅうなるものもいるらしい。





 お前らはアメリカ人か。






 ――ということで、吾輩は吾輩が好きなチョコレートミルク味の茶色い毛並みの牛さん――は高かったので、普通の白い毛の牛さんを買うことにした。


 純白の牛さんはそれはもうどこからどう見ても見事なホルスタイン種である。目が赤いけど。


 もちろん買ったのはメスだ。

 清楚系ヒロインになることだろう。人だったら。

 清楚委員長系牛さん。ステキです。


 さて、なぜメスの牛さんなのか。


 なぜなら、メスの牛さんであるならば吾輩のおっぱい揉みくだし師の能力がいかんなく発揮できることだろうからだ。


 出た牛乳は、婚約破棄のときに得られた異世界転生特典なのか、新たに目覚めたアイテムボックスの能力によってしまっちゃうことができ、いつでも新鮮なものを取り出すことができる。


 そうして収納後、売るに際しても簡単だった。近くの街に卸せば良いのだ。


 アイテムボックスがない農家であれば大変だろうが、吾輩はいつでもアイテムボックスから収益をだすことができる。


 そんなこんなで牛さんのおっぱいを揉みくだし、牛乳を搾る日々が始まった。

 牛さんならば純粋なアグリカルチュアルな分野であって、どのような表現でおっぱいをもみくだしても大丈夫なはずだ。もみもみ。


 クラス的な補正が付いているのだろうか。牛さんは良い乳を出してくれる。


「いやぁ、シュタインちゃーん。今日も可愛いねぇ~。今日もどんどんおっぱい揉んじゃうのですぞー」


 ちなみに牛さんの名前はシュタインちゃんだ。正式な名前はホル・シュタイン。


 よく前足で地面を掘っているのでそう命名した。

 ちなみに「ここ掘れわんわん」の故事に従ってその地面を掘ったのだが、当然ながら何も得られるものは無かった。



 現在の収支はわずかにプラスといったところか。


 減価償却を考えるとマイナスだからもう少し付加価値を考える必要がある。


 たとえば付加価値を上げるにはこの牛乳によって生キャラメルなどを作り一世を風靡すれば良いだろうか。


 その方が保存期間の長さと言う意味で街の卸の人も嬉しいと言っていたし、明日考えてみよう。


 とにかく日持ちするものが喜ばれるようだ。


 普通の人はアイテムボックスなど所持していない。





 それから、家の改善も必要だしな。


 買った家はいわゆるほったて小屋だ。


 お世辞にも良い家とは言い難い。


 なぜなら、良い家を変えるほどの金は持ってはいなかったのだ。

 びば牛さん。ほとんどの金は牛さんで消えた。牛さんはやっぱりそれなりのお値段がするのである。さすがは清楚系ヒロインなのだ。本来ならば村とかで共同管理するレベルのアイドルなのである。


 ただし、家がぼろい代わりに周囲は広い。平原といっても良いだろう。


 牛さんが食べる草があたり一面に生えている状態だ。


「うぁあ。草生えてるww」


 牛さんが喋れるのであればそのくらいの勢いで草が生えているのである。

 もはや牧草の原材料費を考えることは不要だろう。


 買った牛さんは1頭だが、10数頭はおろか50頭くらいは余裕で飼える広さだ。




 そんな面積の土地がなぜそんなに安いのか。


 それは魔族の住むといわれる魔の森の近くに家があるからに他ならない。


 そんな若干の問題点はあるものの、そんな広さで伸び伸びと育つ牛さんは実に可愛い。


 牛さんを外に放つと、それはもうむしゃむしゃと草を食べた。


 それはそれはとてもおいしそうに草を食っている。


「むしゃくしゃして食った。反省はしていない」


 そんなことを言った文豪は誰だったか。そんな食いっぷりだ。


 あぁ、牛さんは反芻はんすうしてはいるがな。



 牛さんはここに連れてきてからというもの、心なしか買ってきたときよりも毛並みがつやつやしている気がする。


 そりゃもう、吾輩が丹精込めて毎日ブラッシングしているのだ。

 どんどん清楚なメス牛になっていくのは当然のことだろう。


 若干体重も増えたか?


 純白の毛並みと合わせ、まさに本作の清楚系巨乳おっぱい揉みくだかれヒロインといっても過言ではないだろう。


「さぁ、これからおっぱいを揉んじゃうのですぞ」


 吾輩が牛さんに語り掛けながらその背中を撫でると、牛さんは嬉しそうに「もうっ……」と鳴いた。


 吾輩はやさしく牛さんの身体を撫でながら健康状態を確かめる。


 ネック、肩ロース、リブロース、サーロイン、外モモ、バラ、スネ……。いたって肉付きは良い。


 な、なんて愛らしいのだろうか。

 きっとどんな料理にしてもおいしく頂けるに違いない。


 そして重要な部位、タンを見る。

 タンは健康状態が最も出るところだ。


 日本では牛タンの主要輸入国はともに米国であり、半分以上のシェアを占めている。


 吾輩は牛さんの耳辺りを撫でながら牛さんの舌を出させた。


 ――今日もとても赤くて健康状態には支障はない。吾輩はそう判断した。


 状態はいたって健康そうである。


 今日も良いおっぱいが取れそうだ。


 吾輩はがんばって作った即席の牛舎に牛さんを入れ、おっぱいに触る。


「もぅ……」


 牛さんは嬉しそうに目を細めた。


 吾輩は牛さんのおっぱいを揉みしだいた。


 どぴゅー。どぴゅー。

 牛さんの乳首から白いおっぱいがぴゅっぴゅっといっぱい溢れてくる。


 ミルクの量はかなだらい一つでは足らず、我輩は慌てて2つ目のかなだらいを取り出した。


 牛さんは今日も絶好調のようである。


(後は生キャラメルか……)


 吾輩は生キャラメルをどうやって作るか思い出していた。


 こういうときは前世の知識が役に立つ。


(たしか弱火でとろとろと煮詰めて弾力ある塊になったら荒熱を取って冷やすだったか……)


 おいしそうな乳白色の生キャラメルに思いを馳せながら吾輩がおっぱいを揉みしだいていると、唐突に空間にウィンドウが開かれた。


 ピーン。という愉快な音が響く。


システム『JOB経験値が一定以上に到達しました。

 JOBおっぱい揉みくだし師がレベルアップしました。

 現在の残スキルポイントは24です』


(あぁ、システムメッセージか……)


 異世界転生してからこちら、吾輩にはアイテムボックスとともに、システムメッセージも表示されるようになっていた。


 これがスキルの恩恵なのだろうか。


 確か、勇者などの最上級レアスキルを持つもののみがこれらのシステムを有すると聞いたことがある。


 そういう意味では明らかにレアスキルなのだろう。明らかにネガティブだが。


 確かに、おっぱい揉みくだし師などというクラスは他に聞いたことがない。


 勇者すら超えて、誰も知らないレベルでSSSレアなのだ。


(だが、どんなにレアでもスキルがなぁ……)


 お約束というべきか、「ステータス」と叫ぶとステータスウィンドウが表示されてスキル等も取れるようになっていたのだが、得られるものがとにかく特殊すぎて良くわからないものだらけであった――

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