第七話 聖地巡礼≪ペレグリヌス≫の始まり
聖歴
その日、
代替わりした教皇のお披露目を兼ねた
最終的に王城前へ築かれた
その壇上には教皇聖下一行の到着を待つ五名の王族——左手にレックス陛下、王妃ルビア、第二王子リオン、皇太子妃アザレア、右手に皇太子ゼノンが
左手の王族の両翼には、軍の儀礼服を
今回の祭典における、
ルーカス達一班はリエゾンから帰還したアイシャを加えた計五名が任に当たり、
——イリア達はどうしているかと言うと、
(イリアはとても残念がっていたが、仕方ない)
幸いにもと言えばいいのか、今日はリシアの誕生日であったらしく、屋敷では生誕祭が開かれる事になった。
今頃、四人で
「いよいよ教皇聖下とご対面か。流石の君も、今日ばかりは緊張してるんじゃない?」
話題を振って来たのは、ゼノンだ。
ルーカスはこの式典に限ってだが、ゼノンの専属護衛を任され、彼の傍らに
横目でゼノンを
「そうですね。教皇聖下の護衛には
また「
「
「はい。それと、聖騎士長アイゼン殿もですね」
ルーカスは周囲への警戒を忘れずに、映像へ目を向ける。
教皇を一目見ようと押し寄せた大勢の観客と、規制線を
(彼が教皇聖下、か)
遠距離から撮っている映像のため容姿までは
その馬車の周囲を白の
(白の
この五名と聖騎士長アイゼンが同行すると、公式に発表があった。
聖騎士長アイゼン、彼は教団が保有する神聖騎士団を
彼も使徒であると噂されている。
使徒とは女神の
通称、
彼らを従える教皇もその一人だ。
代々【法王】の
現時点で確認されている
それぞれ違った特性の力持ち、名が付けられており、使徒となった者はイリアや黒いローブの少女のように常人ならざる力を発現させた。
(現存する使徒は
その大半が教団に帰属している。
「護衛にしては過剰とも思える戦力だね。彼らがその気になれば、国の一つや二つ落とす事も難しくない」
「……殿下」
ゼノンの発言を
教団に帰属する約半数が教皇の護衛として来ているのだから、そう考えてしまうのも無理からぬ事だが、縁起でもない事を口にするものではない。
「例えばの話だよ。教団のこれまでの献身を考えれば、そのような暴挙に出るとは思ってないさ。
けれど、用心するに越したことはないだろう?」
ゼノンが金髪の輝く頭を
教団に対して思うところがあるのはルーカスも同じだ。
ルーカスは返事をする代わりに
『教皇聖下のご一行がポイント
リンクベルから進行状況を伝える通話が入る。
「もしもの時は頼むよ、ルーカス。私も務めを果たすとしよう」
ゼノンは口元に笑みを浮かべた後、
それに
現教皇聖下とはルーカスも面識がない。
一体どのような人物なのか——彼の
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