第二十話 戦乱終結
アディシェス皇族の特徴である
最後の足掻きと言わんばかりに彼が取った行動により、
「
ジュリアスが
間を置かずその
数体の
「きゃあッ!」
一体の
「アイシャ!!」
「これしきで、へばるなよッ!」
一早く駆け出したロベルトと、それからいつの間にかハーシェルもアイシャの元へ向かっており、
ルーカスもアイシャが気掛かりだったが——ジュリアスの頭上に生成された
「包囲網の外にも魔獣の反応多数! 警戒して下さい!」
探知魔術を行使する魔術師の団員が叫んだ。
ここ以外でも
あっという間に包囲網の外からも魔獣が襲来し、場は混戦状態になりつつあった。
こうなっては時間を掛けるほど不利になる。
「第一限定解除! コード『
『コード確認。第三限定、
早急に事態へ対処するため、ルーカスは迷う事無く〝破壊の力〟を解放した。
金色の輝きを宿していた腕輪の
「打開の
ルーカスは団員を
しかして地を蹴り込んで
目標を視界に
滞空中に
「
ジュリアスが
こちらの正体を知って
「……呆れるな。
ルーカスは軽やかに着地を決める。
その
ジュリアスは重量のある鎧を身に付けているはずなのに、予想以上に
(
ルーカスはジュリアスの背を追った。
奴は包囲網を抜けると速度を上げて、帝国兵と魔獣の群れに
戦う
しかしそれも、雨音に
『——
「この歌声、旋律の戦姫!? 何なんだよ、話が違うじゃないか! 教団は
ジュリアスの
追い討ちをかけるように、大規模魔術、〝
雷光と火炎に行く手を
「詰みだな」
「クソ、クソがああァッ!!」
ジュリアスはお飾りと化していた腰の剣を抜いて、振り回した。
往生際が悪い。型も剣筋もでたらめだ。
てんでなっておらず、軽く身を引いただけで
ルーカスは刀を右手に持ち替えて握ると、
反動でジュリアスが
首の付け根、肘と膝の裏、
「うぎゃあああ! 痛い痛い痛い痛い!!」
ジュリアスは態勢を崩して地面を転がった。
当初は討ち取って終わりにするつもりだったが、〝
「うぐぅう……ッ! なんで、オレが……こんなところで、こんなああッ!」
「大人しくしていろ、
痛みに
——かくして敵将の制圧に成功し、目的を達したルーカスは、リンクベルでその
だが、戦場には
ルーカスは報告を終えると、
「いやぁ、護衛だけお願いするつもりだったんだけど、使徒の力は
美しい
味方の大規模魔術に巻き込まれるのも恐れず
二人のあんな活躍を見せつけられて、
「先陣を切って立つ殿下の姿があったからこそです。私も兵士の皆さんも、
「まあ今回はそういう事にしておこうか。さて、勢いのある内に一気に決着と行こう。
「魔獣と残存兵は私達が
とは、
負傷したアイシャと、ロベルトとアーネストは彼女に治療を
イリア達と王国軍の精鋭が合流した事もあって、事態の収束にそう時間は掛からず、大きな苦労もなかった。
——こうして、後に〝第二次ディチェス平原の争乱〟と呼ばれる事になる戦は、エターク王国軍の圧勝で幕を閉じる。
王国へ
王国軍も死傷者がゼロとはいかなかったが、帝国側と比べればその人数は圧倒的に少ない。
ルーカス、イリア、フェイヴァ——三名の
特務部隊を始めとした、王国軍の練度が高かった事。
瞬時に
そして
教皇ノエルに付いた
アディシェス帝国による
——「アイシャが目覚めない」と、聞かされるまでは……。
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