第十七話 黄金眼≪レジュー・ドール≫の将兵
戦場を駆けるルーカスの後を、団員達もしっかりと付いて来ていた。
敵将までの道筋は、探知魔術を行使するアイシャ達が
「て、敵襲だ!!」
突撃に気付いた兵が叫び、
ルーカスは振り
魔術器は金の輝きを失っておらず、崩壊の力はまだ解放したままだ。
ならばどうなるか。
刀に触れた敵の
ルーカスと刃を合わせた者は例外なく、崩壊の
「ひ、ひいぃ!」
「
隊長らしき男の声が聞えたが、特務部隊を
個々の戦闘能力は王国でも
近接戦闘を得意とする者は、数の不利を全く気に留めず切り込んで武を示し、魔術師隊も走りながら
「命が惜しくない者は、来い!」
ルーカスは崩壊の力を刀に
当たりどころが悪く、身体そのものが崩れて砂となり、絶命する兵もいた。
敵から見れば恐ろしい光景だろう。
最初は勢いよく斬りかかって来た帝国兵だったが、砂と崩れ去る恐怖と特務部隊の勢いに押されたのか、次第に
それでも向かって来る者は一定数おり、ルーカスはその勇気に最大限の敬意を払って、斬り捨てた。
「ルーカス団長、
彼の周囲を白銀の
「切り崩せ!」
「了解ッ!」
「見せ場だな!」
ルーカスを
敵将の護衛であろう
重装備が
それに今は崩壊の力が使えるため、紙のようなものだ。
ルーカスが鎧に
「王国の犬が、調子に乗るなあッ! お前らも、もたついてんじゃねぇ!」
彼自身も腰に剣を
壁となった兵の間から、腰が引けて震える情けない姿が見えていた。
敵軍ど真ん中のため敵の数は多いが——追い風が吹いたかのように、国境方面から大規模魔術による炎と
炎にまかれ、光に
国境方面の王国軍が戦線を押し上げて来たのだろう。
制圧は時間の問題だ。
「ジュリアス様、お逃げ下さい!」
重装歩兵が
その名は聞き覚えがある。
ジュリアス・ドゥエズ・アディシェス。
第五皇子の名だ。
「
ルーカスが
護衛の兵はまだ残っており、戦いは続いているが——ここから大逆転は難しいだろう。
「
ルーカスは
勝利への一刀を決めるために。
「くそっ、こうなったら——!」
すると何を思ったのか。
ジュリアスは身に着けた鎧をまさぐって、そう時間を掛けず、
——その手にはあったのは
ジュリアスはそれを
『
ジュリアスの手の
大きなものではないが地震だ。
何をしよう言うのか。
逆転の目はないと思ったが、どうにも嫌な流れを感じて、ルーカスはジュリアスを討つため踏み込もうとした。
「何なの!?」
だが、
「はははッ! ご
「拾って来た」とは——
そうこうしている内に、吐き出された闇が一か所に集まり、
リエゾン、王都、そしてつい最近イシュケの森でも目にした現象。
——
魔物を生み出す、
「アイシャ! すぐにそこから離れろ!!」
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