第五話 女王陛下との謁見
首都ザフィエルへ到着した救援部隊はナビアの宮殿へと足を運び、作業と話が進められて行く中。
ルーカスとイリアはナビアの女王に名指しで呼び出され——。
護衛の兵士が守る
陽光が差し込む様に設計されたのだろう
足元に敷かれた青紫色に金の
先を目線で追っていくと最奥の段上に玉座が見え——黄金で作られた玉座には、この国の
その周囲に護衛や他の人影はない。
こちらへの信頼の証、そして女王自身の強さの
(【女帝】の
近付くにつれ、彼女の容姿と
女王の髪色は
長い前髪は中心部で左右に分かれおり、その部分以外の髪が頭頂部で一つに丸く結いまとめてあった。
前面には
瞳は
胸元から下は瞳に近い色のマーメイドタイプのドレス、
大人の色香を
玉座の手前、女王の下へと
ルーカスとイリアはそれぞれ臣下の礼を取って、
そうすれば女王は優しく微笑んでルーカスとイリアを順に見つめた後、
「遠路はるばる、よく来てくれました。
「ご
「そして戦姫レーシュ。若いとは思っていましたが、素顔を見るのは初めてですね。そなたにも感謝致します。
——
「お久しぶりです、カルミア女王。これも女神様のお
女王の声は張りがあり、高く
カルミア女王が言う、先の戦乱とは三年ほど前ナビアで起こった『プルムブル・トレス・ザハル独立戦争』の事だ。
それ以前よりナビアの友好国として交流のあったエターク王国は、当時革命軍の
イリアは長引く戦乱を見かねた教団側が、調停のために
——と、そのような経緯があり、ルーカスとイリアはカルミア女王と少なからず面識がある。
「それで、我々は何をすればよろしいですか?」
問いかけると女王は
「街の状況は見てご
こちらの戦力は——ヴェルデは宮殿の結界を維持するため動けず、騎士たちにも余力がありません。
新たに
余裕がないのは道中、目にした街の様子から見て取れた。
元より救援のために来たのだから、ナビア側に負担を
「——承知しました。
「北です。パール神殿のある
大半は
運用が始まったばかりなので、まだまだ改良の余地がある。
魔術師たちのマナ欠乏症については、魔術の
(
「……パール、神殿……。マナ……」
「イリア?」
ルーカスが思考を
見ればこめかみ部分に手を当てて、
イリアのこの仕草は、
また何か思い出したのかもしれない。
その
「カルミア女王、ルーカス。原因はパール神殿にあるかもしれない」
「
「マナ欠乏症。……
「……何か思い出したんだな」
ルーカスの言葉に、イリアは首を縦に振った。
「でも、ハッキリとはわからない。映像として断片的に浮かんだだけで……」
歯切れ悪く語るが、瞳は強い輝きを放っており、確信を
パール神殿はナビアの地にあるが、アルカディア教団の
(下手に
ルーカスがカルミア女王へと目線を移動すると、
「レーシュは直感に
それは国際問題も
(——ならば、迷う必要はないな。
イシュケの森へ行き、
そして万が一、マナ欠乏症の原因がそこにあると言うのなら……)
教団と事を構える事態に発展する可能性もゼロではない。
だが、女王は国のため
ルーカスは女王の想いに
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