第19話 作物の効果が出た。ステータスに変化があった。


 次の日の朝。


 ミゲルによると、迎えは明日の午後に来るそうで。

 

 今日は、日課のトレーニング――屋敷の中庭に出て、重めに作られた剣の素振りをしようと思ったのだが、

 

「……軽い?」


 明らかに、手にした剣が軽く思えた。

 

 戦闘職で有名だからか、グローリー家には筋力トレーニング用に重く厚く作られた剣がある。全く鍛えてない人だと一度振るのにも苦労するものだ。

 

 ……今の俺でも、筋肉はついたけど、こんなに軽く使えるほどじゃなかった気がする……。


 少なくとも昨日までは、もっと重さを感じていた筈だ。

 

 なんだろうか、と思っていると、


「おお、アルトもトレーニングか! 精が出るな!」


 兄が小走りでやってきた。


「あ、ジン兄さん。走り込みですか」


「ああ! 昨日、夕食を食ってから体が軽くて軽くてな! 今日も調子がいい。朝は、汗を流すには持ってこいだからな」


 と言って、屋敷の中庭から、外に向かって走り出した。


 一歩で数メートルを進んでいく加速度をしている。


 兄は元々、素早いので、驚きは少ないが、それでも、、

 

 ……今日は一段と素早いなあ……?

 

 気合いが入っているのだろうか。ともあれ、そんな疑問を得ながら日課のトレーニングを終えた俺は、シアと共に農場へ赴く。 

 

 今日も開拓だ。

 

 一個の収穫物が終わったからと言って、まだまだ買ってきた作物の苗は育ち切っていないし、耕してもいない土地はまだまだある。

 城の瓦礫が残っている場所もあるし。

 

 ……地道に、ちょっとずつでもやっていかないとな。

 

 そう思って、鍬を振るうのだが、

 

「……?」


 畑を耕しても耕しても、いつもより疲れがこない。

 鍬が、軽いし、土だって簡単に耕せる。

 

 ハンマーで、地中の岩や、硬い瓦礫を砕く作業もしているのだが、それすらも、いつもより楽だ。


 ……この感覚は……。

 

 近いものを、一度味わったことがある。

 一気にレベルが上がり、一気にステータスが上がった、あの時の感覚だ。

 

 ……その時よりも数段弱めというか、気持ち悪くはならないほどだけど……。

 

 ただ、もしかして、と思ってステータス表を広げてみる。すると、


《羊飼い》アルト・グローリー レベル360

筋力  A(+D)

知力  D(+D)

魔力  D (+D)

体力  D (+D) 

速力  D (+D) 

異常耐性力 C(+D)

 

 

 とあったのだ。


―――――――――――― 

【お読み頂いた御礼とお願い】


 本作品をここまでお読み頂き、有り難うございます。

 

「この先が気になる!」

「アルトやシアの続きがもっと見たい!」


 ちょっとでもそう思って頂けましたら、↓にある「☆で称える」の「+ボタン」を3回押して、☆を入れて、応援して貰えますと嬉しいです!


 大勢の方に見て貰う事が出来ますので、作者の執筆継続のモチベーションになります! 

 また、フォローして頂けると、とても助かります。


 どうぞよろしくお願いいたします。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る