基の肆 同業者はヒキコさん

「おはよ〜」

もぐもぐ

「聞いてる?」

もぐもぐ

「ねぇー」

「なによ?」

私は、(アイスをもらうために)この家に居候することにした。

「学校に連れてってよー!」

もぐもぐ

「アイス抜きにするよ?」


✾   ✾   ✾   ✾   ✾   ✾


「ありがとう〜!行って来るね〜!」

もぐもぐ


✾   ✾   ✾   ✾   ✾   ✾


さあ、今日こそノルマ回収にレッツゴー!!

ん?

私が後ろを振り向くと、後ろに身長が2mほどの白い服を着た女性が立ってた。よく見ると片手にはなにかの袋を引きずっていた。一見ただの女性に見えるが、同業者幽霊なのはすぐにわかる。

私達は軽く会釈をしてすれ違った。

彼女もなのだろう。


✾   ✾   ✾   ✾   ✾   ✾


今日も当たり前のようにノルマ回収ができなかったのでした。


「ヒキコさんって知ってる?」

「ヒキコさん?」

今日も人間の家に泊まることにした。アイスしか勝たん!

「なんでも、人を引きずり殺すんだってさ」

「へえー」

嫌な予感がする。

「行かない?ヒキコさんのところへ!」

「行かない」

「即答!?」

「逆にはい、行きますっていうひとがいると思う?」

「お・ね・が・い!」

「どうして行きたいの?」

「これ、見て…。」

ん?紙?何かしら?

私はそれを手にとって中を覗き込んだ。



――――――――――――――――――――――――――


   マジであった超怖〜いお話


皆様の実体験をマジ怖で広めてみませんか?

原稿用紙に……………





「は?こんなことで?」

「大事なのはそこじゃないよ!ここ!」


  






優秀賞 ヴァーケンダーツ 1年分

準優勝 ヴァルム 半年分

佳作 チョコレート 3ヶ月分

マジ怖✕◯△お菓子


――――――――――――――――――――――――――





「行くわよ」



✾   ✾   ✾   ✾   ✾   ✾


「とうちゃ〜く!」

「で、そのヒキコさんってのは?」

ヒタ…………ヒタ………………

「雨上がりだからいるはずなんだけどなぁ」

ヒタ……ヒタ……ヒタ……

「はやく帰りたいんだけど」

ヒタヒタ……ヒタヒタ……

「え〜、せっかくここまで来たのに?」

ヒタヒタヒタヒタヒタヒタ

「なんか音しない?」

ヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタヒタ

私達が後ろを振り返ると昼間の同業者幽霊がいた。私達はしばらく顔を見合わせあった。

ピピピピ、ピピピ、ピピピピピピピピ

「なんの音?」

あ、これ私の幽マホ幽霊スマートフォンの音ね。エアテレパシーでテレパシー要請が来てる。ネームは「ヒキコ0527」さんね。

「はい、もしもし。」

『もしもし、ヒキコ0527です。』

「あ、はい。メリー2894です。」

『そちらの人間は貴方の獲物ですか?』

「あーー。いいえ。」


「どーしたの?」


ツーツツーツツーツツーツーツツー


切れた。

すると、テレパシーが切れたのと同時にヒキコ0527さんがものすごいスピードで隣の人間の方に近づく。


「え―――――?」

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