其の参 ホワイト企業すぎない?

結局一人も回収できなかったわ。

っというか運がわるい!立て続けに霊力が多い人間にあたってしまったわ。

だから、仕方がないの――――!

「メリィー!!」

げ……。やつが来たわ。ノルマ回収のチャンス!?よ!

「家まで連れてって!」

「嫌よ」

「即答!?悲しー!」

「おっねがい」

「だめ。」

「アイスあげるから!!」



✾  ✾  ✾  ✾  ✾  ✾  ✾  ✾ 



「アイス、美味しい……。」

アイスには勝てない。アイス、美味しい。

「幽幽第4公園に行くわよ!連れてって!メリィ!あと、メリーさんって漢字でどう書くの?」

「幽幽第4公園!?あの!?」

「そうよ!クチサケオンナ?ってやつがいるとこ。そんなことより、メリーさんってどう書くの?」

幽幽第4公園の口裂け女といえば、小学生の有名ランキングトップ5のやつ!?


(※メリーさん調べです)


やばいわよ…。

「はやく行こうよ―!あと、漢字ー教えて!」



✾   ✾   ✾   ✾   ✾   ✾



「着いたわ。でも、どうしてこんなところに行こうと思ったの?」

「罰ゲーム!」

「罰ゲーム?は?なんの?」

「ロシアンルーレット」

「へ?」

「そういえば、漢字でメリーさんってどう書くの?」

「わ゙だじ、ぎれ゙い゙?」

「メリー、どうしたの?急に」

「わ゙だじ、ぎれ゙い゙?」

「漢字!お!し!え!て!」

「わ゙だじ、ぎれ゙い゙?」

「か・ん・じ!」

「わ゙だじ、ぎれ゙い゙?」

「か・ん・じ!」

「わ゙だじ………」

「か・ん・じ!」

「わ゙………」

「か・ん・じ――――――」

「あんたさぁ…」

「……?」

「後ろ、見て」

「……?………………………!!!!」

「わ゙だじ、ぎれ゙い゙?」

「メリー、って漢字でどう書くの?」

「いい加減にしろー!!」

「「……!?」」

「わたしが綺麗かって聞いてんの!わからない?」

「あ、あ、あなたが口裂け女!?」

「ええ。そうよ」

「そんなことより、メリーの漢字は?」

「漢字?カタカナでメリィよ」

「えー、じゃあさぁ、姫莉唯メリーなんてどう?」

「無理」

「即答!?」

「当たり前でしょ!ダサすぎるわ!」

「えー、可愛いじゃーん」

「絶対に無しよ。あれ?」

「ん?」

「私達、なにか忘れてない?」

「えー?確かに!あたしたち、何でここに来たんだっけ?」

「わ゙だじぎれ゙い゙ぃ゙?」

「うーん。あたし的には、きれいだと思うけど?」

「ごれ゙でも゙ぉ゙?」

「んー、、、きれいじゃ」

「あんた!だめ!それ以上喋ったら――――」

「きれいじゃないと思う。」

「ひどい゙……。ゆ゙る゙ざな゙い――――」

「きれいっていうかぁ、可愛い!」

「ん゙?」

「きれいっていうのは、スラッ、スララララ~ていう感じのやつ。」

「「は?(あ゙?)」」

「かわいいってのは、きゅるん。キュルルるる〜んっていう感じのやつ。」

「ごめん、何言ってんの?あんた?」

「伝わらない?」

「あ゙の゙〜ずみ゙ま゙ぜん゙」

「な〜に〜?って、きゃぁっ?口裂け女?」

「今さら?」

というか、なんで疑問形なのよ。

「あ゙の゙〜」

「はーい!」

「でい゙じな゙ん゙で、ごれ゙でがえ゙り゙ま゙ず」 

「え?」

ん?

「おばけに定時とかあるの?」

「そりゃあ、あるに決まってるじゃない。」

なかったらただのブラック企業よ。 

「えー!口裂け女さんは何時から何時まで働くんですか?」

16時から19時までです。」

「めっちゃホワイトじゃん!他の時間は?口裂け女出ないの?」

「他の時間は別の口裂け女が対応します。」

「口裂け女って何人もいるの?」

「?当たり前でしょ?」

知らなかったの!?

「でも、メリーは朝からいるよ!」

「私の担当は12時から15時よ。朝はバイトよ。バイトしながら働いてるの。家の会社、副業オッケーだから。今はフリータイムたんだけど、あんたに振り回されてるってわけよ。」

「な、なんか、ごめん。」

「まぁ、いいけどね。」

「あの〜、私、そろそろ交代しなくちゃ」

「あ、はい。おつかれ様でしたー。」


というわけで、とりま家に帰った。

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