其の弐 狂った女

スラリとした、茶髪の女子高校生がいた。



✾   ✾   ✾   ✾   ✾   ✾



「?」

「メリーさんっていうんだから、もっと怖いと思った〜。でも、結構かわいいじゃん!」

「は?うるさいわ」

「アイスは?」

「買ってきたわ」

「いぇ〜い!!」

なんでこんなことに……。

「〜〜〜んー!!旨っ!!」

私も食べた~い…。

「いる?」

え?

「いいの!?」

「うん、もち〜!メリーさんのおごりでしょ?」

「あ…。」

そうだった。私はあの女を呪い殺さねばならないのよ。ノルマ達成できない!!今月、もう終わるのに…。

「ってかこの“アイス”ってやつちょー、美味しい!」

「でしょでしょ!」

しまった。声に出していた…。でも、このアイスはちょー美味しい。美味しい。美味しい。

「キャーーー」

やっと、私に恐れをなしたのね。ふふっ。ざまぁみろだわ。アイス美味しい。

「え、えっ!?もう、8時13分ーー!!!」

「―――は?」

「始業時刻、あと2分なのに…。ここからじゃぁ、10分もかかるぅ…。」

「じ、自業自得でしょ?」

「~~~~~っ!」

ざ、ざざざっ?ざまぁみろよね?こんな展開で?まぁ、いいわ。早速この女を呪い殺すわ。どの呪いで殺そうかしら?アイス美味しい。

ダークブレスト普通に呪うウルトラダークネス普通に呪う?アイス美味しい。


(※なお、このメリーさんは幽霊レベル1、怨霊レベル1なので、ことしか出来ません。)

(※また、レベルはノルマの達成率で変わります)


し、しし、仕方ないのよ。まだ、幽霊歴2日前だし…。アイス美味しい。

「あ!メリーさんって足速いでしょ!多分!ここまで来るのちょーー早かったもん!」

「ええ、そうだけどなに?」

「送って――――」

「―――無理」

「即答!?」

「諦めなさい」

「お願いだよ〜!まじで!?早くしないと今月25回目の遅刻になる……。」

「25?やばいでしょ。流石に…。」

「お願い〜!!」

コレは、面倒なことになったわ。まだノルマあるんだけどなぁ。こっちが助けてほしいぐらい。アイス美味しい。

「仕方ないわね……。」

「ありがとう〜!メリーさんサマサマ!」

「しっかり掴まってよ。」

はやく終わらせて、ノルマGETしなきゃ!!

「行くわよ」

「わぁぁあぁ~~~~~~~」

私は仕方なく、アイスを食べ終えた。そして、玄関を出て、空高く浮いた。そして急降下!!

「きゃあぁぁぁぁぁぁあぁぁ~~~~~~」

「うるさい」

到着―――。

(1分間の出来事)

「すっご〜い!始業時刻の1分前だ〜!」

「はやく教室に行きなさい。」

「はぁい」

ようやく終わった。はやくノルマを達成しなきゃ。



✾   ✾   ✾   ✾   ✾   ✾



え〜と、


『プルルルルルルㇽㇽㇽㇽㇽㇽ』 


―――ガチャッ


『はい、どなたですか?』

「私、メリーさん。いま、近くのコンビニにいるのぉ……。」

『キャーーー』


『ツーツーツーツー』


うふふ。そうよ。これが正常な反応。あの女は狂ってただけよ。さぁ、ノルマ回収に向かわねば…。


「ねえねえ、」

「?っうるさいわね」

「ねぇー」

「うるさいって言ってるでしょ!?」

「あのさ」

「黙って!?」

「スマホ落としてますよ」

「っ!ごめんなさい。ありがとうございます!」

一生の不覚。

まぁ、いいわ。ノルマ回収にレッツゴー!よ

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