メリーですが何か?

紅間いちご

其の壱 もしもし………。

『プルルルルルルㇽㇽㇽㇽㇽ』


――ガチャッ


『もしもし、私、メリーさん。今、○△公園にいるの………。』

「メリーさん…?あの都市伝説の……?」

『フフㇷ』

「あ、○△公園にいるんでしょ?」

『……?うん』

「近くにコンビニがあるからさぁ、アイス買って来てくんない?メリーさんのおごりで!」

『……へ?』


―――ガチャッ


『ツーツーツーツー』


はぁ?


私、メリーさん。都市伝説で有名な電話をかけて人を呪い殺す人形よ。皆も聞いたことあるでしょ?

で、今日もせっせと人を呪おうとしてたら、ヤバい人に当たっちゃったわけ。まぁ、こうゆう人って、電話越しだから他の誰かのイタズラと勘違いしてるか、強がってるの2パターンだからね。大丈夫なわけよ。

着いたわ。


(※電話切ってから30秒ほどのお話)

(※○△公園から家まで、普通の人間なら15分ほどかかります)


電話、電話っと


『プルルルルルルㇽㇽㇽㇽㇽ』


――ガチャッ


『はいは〜い!どなた〜?』

調子に乗ってられるのも今のうちよ…。とびっきり怖い声をおみまいしてやるんだから!

「も〜し〜も〜しぃ……。わぁたし、メリーさぁん……。いまぁ〜―――――」

『そんな事いいから。はやく!アイスは買ってきた!?溶けちゃうじゃん!!』

「―――ㇶッ!」

驚いてる場合じゃないわ。台本通りに…。台本通りに…。

「いまぁ〜、あなたのぉ〜、家ぇ〜の〜、まぁえにいるのぉ〜……。」

『アイスは?』

「え、?か、かか、買ってませんけど……?」

『はやく買ってきて!!』

「はっ、はいぃ―!!」



 ✾   ✾   ✾   ✾   ✾   ✾



10秒後…。


はぁ、勢いにおされて買ってきちゃったけど……。とりま、電話するか。スマホ、スマホっと。


『プルルルルルルㇽㇽㇽㇽㇽㇽㇽ』


―――ガチャり


家の扉が開いた。

「アイス、ありがとう〜!!ちょ―ど食べたくてさ!」

玄関にはスラリとした、茶髪の女子高校生がいた。

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