夏休みに遊びに行かないのは許されますか?
しいず
本文
高校2年生の夏休みであるが、来年は大学受験なので今年はのんびりするけど、勉強もちゃんとしてはいる。
夏休みと言えば、心も身体も開放して、大人の階段を上るって感じだけど、わたしは恋人を作る気はさらさらない。
恋愛に興味ないって訳じゃないけど、今はわたしの部屋で抱きついてイチャイチャする親友の百合カップを見てニヤついてる方が楽しいのである。
「ちょっと、夕、離れないよ暑いのよ!」
「え~わたしは~温海ちゃんとくっついていたいよ~」
「あたしだって夕とくっつきたいけど、流石に暑いし、汗臭いから」
「わたしは温海ちゃんの汗の匂いすきだし、何なら舐めれるよ」
そういって、温海の首筋を舐めるけど、夕さん、大胆というか変態というか、やばいわこれ。
わたしだって性欲はちゃんとあるから、ちょっとというかかなり反応しますよ。
で、舐められた温海はというと
「ちょ、ちょ、ちょ、何するのよ!」
「温海ちゃんの汗なら舐めれるって事を実際にしただけだよ~」
「それはわかってるわ!文乃の前で舐めるのはやめて!」
「見てなければいいの?」
「そ、そ、そ、そ、そ、そ」
温海は「そ」しか言わなくなけど、温海って性的な事に弱いな。
キスはよくするそうだけど、その先には進んでなさそう。
ここだけの話、女の子同士のそういうのも見て自分で処理はするけど、温海はどうなんだろう。
気にはなるけど、聞かない方がいいかな。
ただ、キスより先に進んだかは聞きたい
「そういえば、二人ってキスより先に進んだ?」
わたしが何気なく聞くと
「わ、わ、わ、わ、わ、わ」
と今度は温海は「わ」しか言わなくなったけど、なんて言いたのだろう。
「わたは~進みたいけど~温海ちゃんがね~」
「ああ、やっぱり」
「温海ちゃんは~自分でもあまりしてないみたいだから~」
「うんうん、わかる、わかる。温海みたいなタイプは激しい、全くかのどちらかだけど、温海は全くだよね」
「あ、やっぱりわかるよね~」
わたしと夕で盛り上がるが、温海は顔を真っ赤にして黙っているだけ。
うん、温海の前で性的な話は無理だから、この話題はやめておく。
「話は変わるけど、お金持ちのお嬢様キャラがいると、夏休みに3人だけで別荘に行くのがお約束だよね」
「それがどうしたのよ」
「お約束として『あたしの別荘へつれていってあげるんだからね!』って言って招待するするものじゃないの?」
「それは創作のお約束で、今のご時世、別荘なんて維持費が高いし、あっても家族でいくから3人だけでいくことはないわ」
「なんだ、世知辛い」
「別荘がある所って車がないといけない場所だし、あたし達だけで行く訳ないでしょ。行くとしてもあたしの両親と一緒よ」
「まぁ、そうだね。でも、温海の両親に会うのってなんか怖い感じがする」
「夕は何度も会ってるけど、そんな事ないわよ。気さくで優しい両親だわ」
「そうなんだ。でも、緊張しそうだな」
「ま、いくつかは紹介させてもらうわ」
「文乃ちゃんのお母さんもいいひとだよね~見た目も文乃ちゃんとそっくりだし、若いし」
「うちのお母さんは何故か年を取らない母親なのよ、自分の親だけど小さい頃と本当に変わらないのが不思議。私を含めて子供3人産んでるのに」
わたしの母は漫画やアニメに出てくる何故か若い母親で、50歳を超えてわたしと姉と兄を産んでるのに見た目が20代前半ぐらい。
胸もFカップだし、スタイルも良くて自分の親ながら本当に謎。
わたしも太ってはいないけど、スタイルが良いとまでは言えない。
胸はCカップなので普通ぐらいだけど、お姉ちゃんもEカップあるから相対的にわたしは小さく見える。
でも、お姉ちゃんも高2の時はわたしぐらいだったから、まだチャンスはある……はず。
あと、お姉ちゃんとお兄ちゃんはどちらも大学進学で家にはいない。
「夕の両親はやっぱり、夕みたくおっとりしてるの?」
「お母さんはおっとりしてるよ~。お父さんは厳しいけど、優しいし~。おばあちゃんはお父さんみたい感じかぁ」
「おばあちゃんがいるんだ」
「うん、おじいちゃもいたけど、小6の時に亡くなって今はおばあちゃんだけ」
「そうなんだ。わたしのおばあちゃんもおじいちゃんも遠くだから、なかなか会えないんだ」
「会える時にあっておいたほうがいいよ~」
「うん、そうする。温海は兄妹はいるの?」
「兄が2人と姉がいるわよ。会社は兄が継ぐし、姉もいるから、あたしが同性愛者でも気にしないって言ってるけどね」
「あたしなんて一人っ子で女の子が好きだけど~、あたしの好きなようにしなさいって言われてる~」
「理解がある親でよかったね」
「あたしの場合はあまり関わるなって感じだけどね」
「それでも、拒否されるよりはいいんじゃないの?」
「そうかな。ところで、文乃は恋人をつくらないの?」
「今は2人を見てる方がいいんだ~」
「全く、文乃は」
温海は呆れるが、百合好きのすぐ近くに百合カップルを見つけたらほっとく訳にはいかにでしょ?
わたしも正直、その
むしろ、早々に家族にカミングアウトしてる2人がすごすぎるよ。
しかも、受け入れられていると思うと、恵まれてるかも。
ただ、わたしの両親も受け入れてくれると言うか、お母さんが「リアル百合カップルを見れるなんて長生きはするものね。文乃ちゃんも彼女つくってもいいわよ、むしろ作って」って言ってたりする。
これ、冗談じゃなくて本気だから怖い。
もっとも、わたしの百合好きは両親の影響で、お姉ちゃんもお兄ちゃんも百合好き。
だた、お姉ちゃんは彼氏を作ってすでに同棲中、お兄ちゃんも高校生から付き合ってる彼女と同じ大学の同じ学部にいってて、フリーなのはわたしだけ。
お兄ちゃんは大学を卒業したら、彼女さんと実家に戻って家を継ぐと言ってる。
なので、わたしは彼氏でも彼女でもどちらでもっていわれてるけど、お父さんも「娘がリアル百合カップルになるのが子供の頃からの夢だから文乃、頼んだ」って言われたけど
父親の性癖が子供の時点で壊れてる時点で娘としてはショックだよ!
「わたしも彼女つくるとしたらどういたらいいのかな」
わたしがボソッとつぶやくと、夕の目が光り
「文乃もこっちに来たいの?せっかくだから~温海ちゃんと恋人になったら?」
というけど、夕さん、自分の恋人を親友に差し出すって発想がすごいすぎだよ。
「何言っての、夕!あたしの恋人は夕だからね!」
そういって、夕に抱きつくがちゃっかり夕のおっぱいを触ってニヤけてるのがこちから見えますよ、温海さん。
でも、2人を見るとお互いが好きってわかっていいな。
同性ならば温泉に行った時、一緒にお風呂に入れてイチャイチャできるから、それだけでもメリットあるから悪くないかも。
「2人って2人だけで泊まりの旅行に行った事あるの?」
「ないわよ。お互いの家でお泊りした事はあるけど」
「だって~温海ちゃん、お気に入りのとっても大きいぬいぐるみを抱っこしないと眠れないから~行けないんだ~」
「ちょ、それ文乃にばらさないでよ!」
「別にいいじゃない~。でも、修学旅行の時とかはどうしてたの?」
「その時はもっていく訳でにかないでしょ。1日動き回ると、疲れてすぐ眠れたから大丈夫だったわよ」
「ふ~ん、そうか」
「あ、信じてないわね」
「だって、わたしの家にお泊りした時は~わたし抱きついて寝てるでしょ~」
「それも文乃に言わないで!あと、夕が単に好きなだけだからね!」
夕さん、情報提供ありがとうございます、ただ想像はついたけど。
わたしの温海情報はWikpediaが作れるぐらい情報が集まってきてるけど、夕にもっと教えてもらおう。
念の為言って置くけど、実際に作ったりはしないからね。
「でも、3人で1度は旅行に行きたいよね」
「そうだよね~。でも、今年ももう8月だし~お盆はわたしも文乃ちゃんも家族で出かけないとならいし~」
「わたしもお父さんのおばあちゃんの所へ行かないとならないから、無理か」
「でも、8月18日は温海ちゃんの誕生日だから、その時温海ちゃんの家に集まろよ~」
「あ、それいいな、温海の両親にご挨拶したいし」
「それって、娘さんを私に下さいってやつかな~」
「それは夕がいうやつだよ~」
わたしと夕が冗談を言いながら、話してると
「ちょっと、勝手に進めないでよね、誰が家に招待するって言ったのよ!」
「温海ちゃんが~今年は文乃ちゃんも誘うって言ってたでしょ~」
「ここは文乃が『最初からそのつもりだったでしょ?』って言ってあたしがツンデレを出す所でしょ!」
温海がお約束が潰された芸人みたいな感じになってるけど、これは温海が正しい。
「夕、ネタを潰すのは芸人としてはやっちゃダメだよ?」
「ごめんね~わたしは天然だから~」
「あたしたちは芸人じゃないでしょ!」
「わかってるよ、冗談だって。18日に温海の誕生日に招待してくれるのね、ありがとう」
「べ、別にいいって……」
ここで素になって照れるんでね。でも、これはこれでかわいいから許すけど。
でも、温海の家に行けるのは楽しみ。
実は温海の家は行ったことがない。
夕の家は何度か行ってるけど、夕の家は古い和建築の家だったな。
夕は見た目がゆるふわお姉さんだから、部屋もピンクでかわいい感じを女の子らしい想像してたら
パイプベッドとPCとゲーミングチェアがあり、ぬいぐりとか女の子らしい物はなくてシンプルな部屋だった。
でも、服は今日もだけどピンクでゆるふわな恰好だから不思議だな。
温海の方はわたしに部屋を見られるのが恥ずかしいって言って、まだに行ってないけどついに温海の家に行けと思うと、かなり楽しみだな。
3人での旅行に行きたかったけど、温海に家にいけるからいいかな。
夏休みに遊びに行かないのは許されますか? しいず @shiizuu
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