風邪の思い出
一週間ほど、体調を崩していた。
思えば子供の頃から体が弱く、しょっちゅう寝込んでいたと思う。
更に言うと私は大抵”間”が悪く、連休や旅行などのタイミングで具合が悪くなることが多かった。
なんなら今でもそうである。
今回は風邪を引いたわけだが、見事に夏の連休を布団の中で過ごすこととなった。
体調に限らず、天気にしろ何にしろ、いつでも”間”が悪い。
俗にいう雨女というやつである。
一時、人との約束時に限って季節外れの台風が直撃するようなことが重なって、「嵐を呼ぶ女」という不名誉な二つ名で呼ばれていたことすらある。
この”間”の悪さを治す方法をご存じの方がいれば、ぜひ、ご一報ください。
体調が悪い時というのは大抵寝込んでいるので大した話もないのだが、
一つ二つ、特に覚えている記憶がある。
保育園児の頃の話だ。年少さんのころだった。
(話は逸れるが、年長さん、年中さん、年少さん、といったような呼び名って、どこの保育園でも共通なのだろうか。ちょっと気になる)
前日に保育園で高熱を出し、休んで通院した後のことだ。
帰宅して、まだ明るい中で、庭のツツジを見ていた。
当時、私の住んでいたマンションには至る所にツツジが植わっていて、
子供たちはみんなツツジの花の蜜をおやつ代わりにチューチュー吸っていたのだけど、
その日も私は「ツツジの蜜を吸いたい」と思ったのだった。
私がおもむろに外へ出ようとしたのを見て、母は驚いたに違いない。
慌てて取り押さえられた私は泣きながらツツジの蜜を吸いたいのだと訴えた。
母は少し困った顔をしながら
「お母さんが作ってあげる」
といった。
そうして母が渡してくれたのは、はちみつを薄くお湯で溶いただけの、
ツツジの蜜とは全く違う味の飲み物だった。
大して美味しくない、と思った記憶がある。
それでも、あまり折り合いの良くない母とのいい思い出の一つである。
もう一つある。
あれはスキー旅行にいt
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