文房具の話

今日は前置きをせずにいこう。

私は文房具が好きだ。


物心ついたころから文具が好きだった。

一口に文房具と言っても色々なものがあるが、とりわけ心惹かれるのは紙とペンである。

芯のやわらかい鉛筆などは最高に心躍る。

紙の上を軽く滑らせるだけで色が乗っていく。

子供のころは、それが不思議で不思議で仕方なかった。


滑らかな紙、ざらついた紙、エンボス加工された紙……

様々な種類の紙に、3Bや6Bの鉛筆で線を引いたり、面を塗ったり。

鉛筆を立てて書いても楽しいし、寝かせて書いても楽しい。


紙も面白い。

新しい紙に出会ったら、まずは手触りを楽しんで、香りを嗅ぐ。

和紙なんかは見た目も艶やかだし、

向こうが透けるくらい薄くて頼りなげなのにも関わらずしなやかで強いものがあったりして、ついついうっとりしてしまう。


趣味で水彩絵の具を使うこともあるけれど、

同じ絵の具を使っていたって、水彩紙の種類や厚み、目の粗さでも全く使い勝手が変わってきたりして、すごく奥深い。


日常的にもよくノートを使う。

自分の人生の相棒ともいえるのは、測量野帳というハードカバーのポケットノートだ。

一冊一冊が薄くて軽いため、常に携帯して思いついたことをなんでも書き込んでいる。

野帳に日々とにかく雑に書き散らして、空いた時間にそれぞれの用途・情報に合わせて別の保管用のノートに転写していく。

多いときは月に20冊ほど使うこともあって、ついに100冊単位で箱買いするようになった。

冷静に考えると多すぎるのだけど、手元に野帳がないと考えると落ち着かなくなるので仕方がない。

通常、野帳に万年筆を使用するとインクが裏ぬけしてしまうことが残念だったのだが、最近、万年筆ブランドLAMYとのコラボが叶ったおかげで、万年筆フレンドリーな野帳も限定発売され、嬉しい限りである。

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