第38話しあわせの定義

ハッ、と気付いてクルリとキリコの佇んでいる師長デスク前に振り向く。

> 「ゴメン聞いてなかった。」背筋を伸ばし、あーなるほど、とばかりに両指を

組み口許を押さえてやれやれと言う風に小首を傾げて、「アンタっていつもそう

だけど、今度旦那になる人はそんなんで大丈夫なの?」

> エヘヘとハニカミながら両手をユニフォームのポケットに突っ込みながら立ち

上がりキリコの方へ正対して肩を竦めていた。

> 「それはね、お互い必要としているシチュエーションが真実の愛だと思うのよ。

> 「私はワタシ、幸せの定義を探しに行くわ。」

>  ウン!と力強く頷き二歩、キリコに近付いた。

> 「だけど、結婚、結婚てうるさ過ぎなのよね。アタシ自身の事を言うと、恋愛

に憧れてる・・・。」言い終わるとナースコールランプをチラッと確認した。

>  「だって夫と別れてこのかた、子育てに必死だったからね。」

> 「マイセルフの時間が無かった訳よキリコ?」

>  「別れた夫とは然程恋愛をしたという記憶が無いし、リアルに恋愛してみた

いのよキリコ?

> だからちょうど良い時に2人からアプローチがあってホッとしてるんだ!」

>  もう無いかもと思ってたもんね。と、両頬を両掌で宛がいちょっと上方へ上

げて視た。

> 「アタシだって捨てたもんじゃないわと今でもモテるんだ!現役なんだ!って

嬉しいのよ。」

>  「私はワタシ、幸せの定義を探しに行くわあの人と。」

> ナオミの純白のオーラが発光していた。

>  あの人って誰?と。キリコがしつこく問い質したのは言うまでもない。

>

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