第25話大切な人
亮一の心に宿った上善寺ナオミの面影を抱き締めていた。
> 初めて分かった、大切な人を!
かつて私の大切な人を病める時も死が二人を
分かつ時も決して離れないと誓った前妻が居た事を忘れていた。
> もうその心は無いし、ナオミの傍らにある事さえ気付かなかった!
それだけ
一緒に居る時間が長かったと、いう事なのか?
> 「突っ立ってないで座れば?」
つばさに促され椅子に座った時、先ほど丸坊主
が注文した生中と肉が運ばれて来た。が、ジョッキ以外の全皿は、全て丸坊主の
前に置かれた。
> 「エーッ、俺の分は?」口に出た言葉を返すのは、「兄さんも食べるん?」
> 「い、イヤいいですわ。」
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