独りでは

わたしは、いままでもこれからも

誰かに生かされてるんだな、とおもった。

いろんな人のおかげで生きているんだなと思った。

人はひとりでは生きていけないという言葉を、ようやく真に理解できたような気がした。

折り重なって生きている。


わたしはたぶん、そんなに強くない。

向日葵のような貴女が、わたしの元から去って数年経つけれど、

あの頃のわたしと今の私。

何が変わったのだろう。


ことばは生きる意味になった。

わたしの死ねない理由になった。

そうやって縋って生きるしかなかった

だって、

しにたくはなかったから

生きていたかったから。


君死にたまうことなかれ

をずっとお守りにしてる

わたしが死なないことを祈ってくれるひとがいればいいなと思っていた。

ほんとうにいるとは思わなかった。

気づかないふりしてただけ


生きるのって苦しい。

とつぜん、訳がわからないまま

逃げ出したくなる。

価値も、意味もわからないから、

自分なんていなくていいと思ってしまうから。

どういうわけか、

赦されたいとおもってしまうから。

ゆるされないとおもっているから。


どこかで、

あなた(おかあさん)が不幸なのは

ずっとわたしのせいなのだと思っていた。

あなたはずっと辛そうで苦しそうで

わたしたちを育てるのも大変そうで

あなたがじぶんだけ貧乏くじなのだと言うから、かわいそうだと思った。

そうさせているのがわたしなのだと思うと

やり切れない気持ちでいっぱいだった。

わたしとあなたの人生は別個のものらしいですね。


約束だけは、破れないと思った。

傷つけるつもりはなかったのに、大切なひとを傷つけてしまって。

そういう後悔を何度もしてるような気がする。


あなたなら、大丈夫。が痛いよ。

たくさんのひとがそう言ってくれたけど

いっぱい背中を押されたけれど

すごく嬉しかったけど

大丈夫じゃないわたしは、そこには居れないよ。

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