/// 32.遺跡体験

護衛依頼が無事終わり、バイトには遅刻するもそもそも連絡忘れで時間が浮いたサイコ。意を決して遺跡へと乗り込むのであった。


やってやりますよ!!!




念のため、ギルドの食堂で食料を買い足し、道具屋で帰還用の札を購入した。ポーションなども進められたが基本回復は自前でできるし、魔法メインではないサイコは魔力回復についても考えていなかった。そもそも今回はそれほど階層を進める気はなかったのである。ちなみに遺跡内では魔素の濃度から転移が使えないとのことだった。


途中、訓練所のチリチーリやツンデレ―にあったが、サイコであれば20~30階層ぐらいが良いんじゃないかとアドバイスをもらった。


「無理すんなよ」と声援を受けつつ遺跡に入る。中はゴツゴツとした青白い岩壁の道が続いている。適当に道をたどっていくと、途中でスライムが群がってはくるが、さすがに無視して先を急ぐ。そのまま一気に階段を見つけては下りを繰り返して20階まで下りていく。ここからが中層と呼ばれる階層に入るとのこと。なんとなく嫌な空気が増した気がしたのは、魔素とよばれるものの濃度があがったからであろう。


20階までは、訓練所のオークより上のレベルで90前後の魔物が続く。鬼のような巨体を持つオーガや、巨大なイノシシの魔物であるボア、犬人の魔物コボルトといった魔物が出てきたが、それほど苦にはならなかった。オーガの角やボアの肉、毛皮、コボルトの牙などは素材として使うということなのでまとめて無限収納に突っ込んでおく。


ここからは30階までは適当に狩りながら進んでいく。もちろん様子見をしながらではあるが。


レベルで言ったら100前後の魔物が多々出てきたので、警戒しながらも倒していく。オオカミの魔物ウルフや、街の外にもいた角熊もいた。数倍でかかったが・・・あとは青いはずのオーガが赤かったり、ボアが火を噴いていた。次々に見たことのない魔物がでてきてお腹いっぱいである。とりあえず何とか戦える状態のようで、倒しては無限収納に入れるということをくりかえす。


そして気になったのが・・・水色ショートのスレイスという冒険者と度々遭遇する。もちろん他の冒険者もちらほら遭遇するのだが、その冒険者は俺と一緒でソロであることと、会うたびにものすごく睨まれるため気まずい。ツンデレ―さんに聞いたのだがこのスレイスという冒険者は孤高の乙女という有名なソロ冒険者で、訓練所に時間を合わせているような素振りも見えるため、もしかしたら新参者に対抗心を燃やしているのでは?という話にまとまった。


そりゃー新参者が訓練所に入り浸って自分の領分を犯そうとしていることに、嫌な気分となってしまうのもしょうがないであろう。何事もできる大人の俺は遭遇するたびに「どうも」という他人行儀な挨拶をかわしていた。それでも睨まれたのだが・・・


そんなことも有りつつ、30階へ到達したサイコはしばらくその階層でレベル110前後の魔物たちを狩りまくっていた。腕の時計をみるともう20時を回っていたためひとまず帰ろうと帰還用の札を使い、入り口まで飛んだ。後は素材を清算したらどのぐらいになるかで今後も変わってくるだろう。


ギルドの素材回収所を訪れがサイコは、無限収納から素材をすべてはきたした。職人たちは手早くそれらを解体して査定していくのだ。


とりあえず時間をつぶすため、食堂で食事を済ませた後にカウンターの素敵なお姉さんであるテレンサさんを訪ねると、解体料を差し引くと金貨10枚ほどになるという。約10万ちょっとか・・・そう思って少しだけ安堵する。これなら夕方だけの狩りでも、さらに下の階層に進めばすぐにしばらくは遊んで暮らせる資金はできるのではないか。そんなことを思いながら、自室に戻っていった。


明日からはバイト終わりに遺跡にこもり、資金をためたら本格的に潜る!まずは1年は生活できるよう、金貨300枚を目標として頑張ろう。そう決意して深い眠りにつくのであった。



現在のサイコ

種族 人族 / 年齢 18 / 性別 ♂

LV 115m

力 1254

守 764

知 1245

速 1871

スキル 詳細鑑定(999) 言語疎通(999999) 肉体強化(10243) 魔力増強(684) 料理(2980) 精神耐性(4594) 無限収納 調合(5) 並行処理(3294) 鍛冶(758) 酒造(5) 精密動作(4268) 危険察知(13962) 超回復(36)

魔法 転移(92) 浮遊(67) 治癒(915) ウィンド(1) 浄化(455) ウォーター(222) ウォーム(21) 光刃(こうが)(21084)

加護 女神の加護(真)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る