/// 22.ブラック修行実行中
初めての訓練所を体験してレベルアップを実感したサイコ。しばらくは食事をはさみながらの訓練三昧!早朝に少しばかりの睡眠の後にバイトとのローテを繰り返す。25時間営業の訓練場マジ感謝!
やってやりますよ!!!
寝る間も惜しんで修行を始めて2週間ほど、普段はそこまで使われないという訓練所も、担当ギルド員のチリチーリやツンデレ―、時にはタイマンさんなども含めたくさんの人たちにお世話になった。レベルも45とかなり上がって中央の部屋でひたすら沸き続けるゴブリンを切り刻んでいった。とにかく早く!とにかく正確に!一応マックスの速度で沸くように設定してもらったので今や1秒に1匹程度の間隔で沸いてくる。それを中央で待ち構えては正確に首の位置をめがけて切り落としていく。そして大量の魔石がドロップする。このダンジョンではスライムとこのゴブリン、隣のオークであっても肉が残ったり牙などが素材に使えたりなどはないのだ。ただひたすらに魔物の強さに応じて魔石がドロップする。ダンジョン外とは違うのだ。
ここ数日で聞いた訓練所の仕組みだが、それぞれ1階、3階、10階からここまでトンネルを掘ってつなげたらしい。そしてこの訓練所との境目にある魔道具でそれぞれの鉱物のビジョンと匂いを投影するらしい。訓練所の利用者がくるとそれらはすぐに起動され、トンネル内は魔物たちの大行列を作っているとのこと。それを自動化した魔道具により一定の間隔で境界に貼られている結界を解除しては戻しとやっているとのこと。なんともハイテクな訓練場である。ダンジョンは魔石の算出場所としてなくてはならず、もちろんボスの間ではそれなりのドロップもあるし、定期的に隠し部屋も沸くことで冒険者を誘い込んでいる。
そんなこんなで順調にレベルを上げているサイコ。考え事をして手を止めていると20匹程度のドブリンが前方から固まって襲い掛かってくるので、手刀の光を全開にして横なぎに殲滅していく。ふぅと一息つくと、右隣では同じようにまとまったオークを、同じように殲滅している水色髪のたわわなお胸の美少女がこちらを見て得意げにしていた。
(くっ!あんたまだゴブリンなんかと戦ってるの?ぷぷぷぷっ!って感じかーーー!むかつくーーー!今に見てろよーー!そのあれをあれしてなにしちゃってやるかならーーー!!!)
そう、ここでの訓練を始めてから、何日か置きにだが1~2刻ほどと短時間ではあるがサイコの横でドヤるように舐めプ狩りをしてこちらの様子をうかがってくる女がいるのだ。可愛い顔と豊満バディーなロリな少女にイラつきながらも猥雑な劣情を抱くサイコ。だがこれも今のサイコにとってはレベル上げに集中しようという原動力になっているのだ。いつものように数刻ほど横で狩ると「ふふふ」とこちらを見ながら去っていく彼女にイラつきマックスしながらも深夜まで狩り続けた。かなり遅めの夕食を貪りながら確認したステータスは49となっていた。
「早く隣に移動したいな・・・」
一刻も早くオーク部屋に入ってさらなるレベル上げを加速させたいサイコだった・・・
絶対に・・・やってやりますよ!!!
現在のサイコ
種族 人族 / 年齢 18 / 性別 ♂
LV 49m
力 256
守 125
知 395
速 421
スキル 詳細鑑定(999) 言語疎通(999999) 肉体強化(1892) 魔力増強(127) 料理(1193) 精神耐性(83) 無限収納 調合(5) 並行処理(958) 鍛冶(758) 酒造(5) 精密動作(638) 危険察知(25)
魔法 転移(58) 浮遊(32) 治癒(3) ウィンド(1) 浄化(68) ウォーター(23) ウォーム(5) 光刃(こうが)(619)
加護 女神の加護
◆◇◆◇◆
私はスレイス。ここ最近、訓練所に熱心に通っているといる人がいると受付のクリスちゃんから聞いた。「あのサイコって子。気になってるんでしょ?」そんなことを言ってくるので「いやだーーそんなんじゃないわよーふふふっ」と否定しながらもそんなことあるある!と口元を緩める。さっそく訓練所に行ってみると少しレベルも上がっているようだ。スライムをビシビシ倒していた。あんなに必死にレベル上げして・・・渡り人さんだからかな?ここらではそんなに真剣にレベル上げなんてしなくても暮らしていけるから・・・そうだ!
そんなことを考えながら、中央のゴブリン部屋を担当するツンデレ―に話しかける。
「あ・・・あにょ・・・ここやるから・・・最速で・・・だしぃ・・・」
「あ・・・ああ」
そのおっかなびっくりに話しかけてきたスレイスになんで今更、孤高の乙女様がゴブリン部屋なんかに・・・この人、苦手なんだよね・・・あんま何をいってるかわかんねーし・・・。と思いながらもゴブリン部屋の魔道具をマックス設定で起動する。次々と排出されるゴブリンを狩らずにためておくと、一閃の元にその手刀で切り伏せた。そしてサイコの方を確認するのだ。ちなみにこの時の手刀はサイコの使う光刃(こうが)や、得意の極・風牙でもない・・・単なるちょっとオーラを込めた手刀である・・・
(どう?見た?これなら一気に狩れるの!でも・・・ふふ!もうちょっと頑張らないとできないかな?早くこっちへ上がってきて!お姉さん何度でもお手本見せちゃうから!!!あっ!サイコ様こっち見た!きゃっ!強い視線が・・・困っちゃうどうしよう!!!」
鼻息を荒くするスレイスがこの後も気合を入れて狩りまくり、どんどんサイコが対抗心を燃やして嫌われポイントをためていっているのを知らないスレイスだった。
(あっ・・・もう依頼の時間・・・行かなきゃ・・・ちょ・・・)
{あ・・・あの、とみぇ、とめてぇ!」
突然の声にびくっとしながら魔道具を止めるツンデレ―。
そしてサイコの方を見ながらニヤけてしまいながらも、軽めの風牙で溢れ出たゴブリンを消滅させ、後ろ髪をひかれる思いで訓練所を後にするスレイス。
その迷惑なストーキング行為は、スレイスの依頼の合間の時間を縫って継続的に続けられ、最終的にはサイコがオーク部屋に移るまで続くのであった。
(サイコ様!私がきっと!導いて見せる!そして遺跡デートでラブラブデーティング!!!)
やってやりますよぉ~!!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます