/// 12.マヨネーズは正義
貨幣価値や季節や時間について確認したサイコは少しづつでも稼ぐための対策を考えなきゃならないと切に願う!今度こそチートで無双を!
やってやりますよ!!!
騒がしい喧騒の食堂。空いた席についた赤い盾の面々とサイコ。
アレクが手をあげ、すぐにやってきた店員に注文をすると、すぐにテーブルにはサンドイッチが大量にのった大皿が置かれた。
三人の前にはビール。サイコの前にはおそらくフルーツジュースのようなものが置かれた。
サンドイッチはトマトとレタス、焼肉がたっぷりと挟まれ、甘辛いタレがかかっているという。
ギルド食堂の名物らしく、肉々しい味を手軽に楽しめ安くてうまくボリュームもある、冒険者にも人気のメニューとのことだ。
他の3人が勢いよく手を伸ばすので、一緒になって手を伸ばす。
一口食べて、うまい!と感動する。
そしてサイコは思った。ここは・・・アレの出番なのでは???そうアレ!!!マヨなネーズが一番あうのでは!!!
でもな・・・華麗なる俺様のチートライフの始まりがマヨネーズか・・・ちょっとダサくないか?
いやいや・・・当面は戦闘面ではチートは無理だ。
資金面でもなんとかしないと生活がなりたたない。いつまでもアレクさんたちに寄生しているわけにはいかないし・・・
よし!マヨネーズを作ろう!!!
「そういえば、この食堂は厨房を借りたりできるんでしょうか?」
唐突な質問にアレクたちは面食らう。
「少しぐらい何か作るぐらいなら材料費払えばよいのではないでしょうか?何か食べたいものでもあるのかい?」
「実は・・・村で作っていた調味料がこのパンに合うなって思って・・・どうしても皆さんに味わってもらいたいなって思ってしまったんです!」
イビルが答えるとサイコは勢いよく立ち上がる。
「そうかそうか。それじゃあ行ってくるといい。サイコの作ったものが食べたいのう。ほれこれを持っていくがよい」
ウィンに金貨を一枚渡されたサイコは、はっとしつつも申し訳なさそうに受け取り、厨房の方へ足早に歩き出す。
(またウィンさんに迷惑をかけてしまった・・・まあ超絶うまいマヨパワー!で元気になってくれれば100倍返しってことになるか!)
「すみません。ちょっと厨房をお借りしてもよいでしょうか?」
そういうと慌ただしく動いていた料理人のうち、一番近くの青年が何を使うんだい?と声をかけてきた。
「卵とサラダ油、塩と酢というのはありますか?」
ふと同じ名前で該当のものがあるものなのか?あっても高級食材だったりしないだろうか?
そう思ったサイコに調理人の青年が答える。
「卵は1個小銅貨2枚だけどいいかい?他のはこっちにあるから自由に使っていいけど。大量に使わなければだけど・・・」
「そうなんですね。卵は5つほどいただけますか?あとはそんなに使わないですが・・・あ、油はそれなりに使うかもしれないです」
そういうと金貨を差し出すサイコに若干いやそうな顔をする青年。
「金貨しかないのかい・・・うーんいいよいいよ。見ない顔だし、さっき新規登録に並んでた子だろ?使っていいよ。君みたいな子供が何を作るか気になるし!」
ニカッっと笑う青年の返答にラッキーと思いつつ、一礼をして腕まくりをして作業を始める。
使っていいよと言われた瓶の中に材料を入れ、手際よくマヨネーズつくりを始めるサイコ。
ぴろん!
『スキル調合ヲ習得シマシタ』
混ぜて混ぜて混ぜまくる!しっかりと混ぜ合わさったそれは、なじみの深いマヨネーズへと進化した。
「あーマヨネーズなー!うまいよな~マヨ!俺も大好きだ!」
なるほどな・・・・・・そんな思いを抱いたサイコにさらなる声が・・・
「でも、それなら作らなくてもそこにもあるんだけどな!んでそれからそれから?どうするんだ?」
青年が指さす方向をみたサイコの目には、おなじみのチューブボトルに入ったマヨさんが立っていた・・・
そうかそうか・・・しばらくサイコは混ざり切ったマヨネーズを凝視して立ち尽くす。
「俺は激から明太子の入ったのが特に好きなんだよなー」
さらによく見ると、その周りにはいくつか色味の違ったものも並んでいる。
この世界のマヨは改良されつくし、様々な味付けも存在しているというパターンか・・・
なるほど・・・なるほどなるほど~な・・・
しばらく無言で立ち尽くすサイコに、頬をかきながら苦笑いする青年は、ため息をついて自分の作業に戻ってしまった。
失意のままに出来上がったマヨの入った瓶をテーブルへ戻ってくるサイコの表情は暗かった。
どうしてこうなった・・・
現在のサイコ
種族 人族 / 年齢 18 / 性別 ♂
LV 1m
力 1
守 1
知 1
速 1
スキル 鑑定 言語疎通 肉体強化 魔力増強 料理 精神耐性 無限収納 New!!調合
魔法 転移 浮遊 治癒 ウィンド
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