/// 3.現地人最強

無事チート感たっぷりに転生したサイコだったが弱い魔物相手に無双を決めようとして失敗。

どうしてこうなった・・・


「ふう・・・」


目に見える範囲の角熊を倒すとアレクたちは一息ついてからサイコの方へ歩いてくる。


「よー、ボウス。痛い社会勉強になったな。まあガキはそういう大人びたこともあるあるだからな。だが死んじまったら元もこうもない。誰もいない中、魔物にソロで突っ込んでおっちんじまう奴もいるからな」

そういうとアレクはその太い手でサイコの頭を乱暴になでまわした。


「いえ・・・お邪魔してしまいました・・・」

今まで茫然としていたがアレクの言葉にやっと現実に帰ってくると顔から火がでる気持ちを抑えて体裁を取り繕った。


「ってかボウスはまだ覚醒前じゃねーか。そんなんで実践に参加しようなんて自殺するようなもんだぞ。先生にならわんかったか?・・・ってガキかとおもったら18じゃねーか・・・」

心配そうに覗き込むアレク。


「学園に行けなかった口じゃないですかね?一応フルになってるみたいですし」


(なんだ・・・なんなんだ!フルっていうのは能力値のことか?なぜフルとかわかる?このおっさんたちも鑑定持ちなのか?そして覚醒って?なんなんだ・・・くそっ!わけがわからな過ぎて腹が立つ!)


イビルの言葉に頭がぱにっくになるサイコ。


「あ・・・あの、どなたか鑑定スキルをお持ちなのでしょうか?それと覚醒ってなんなんでしょうか?」


「やっぱり学園いけてない事情などがあるんじゃな・・・かわいそうにのぉ・・・」

ウィンもサイコの頭に手を置いてやさしく微笑む。


「鑑定なんぞ入学すぐに全員覚えるスキルだぜ。まっ、知らんのならしょうがねえさ。あとな。覚醒っつーのは能力値がマックスになったらもう自分の壁をぶち抜いてさらに上へ進めるってーやつだ」


「学園に通えばだいたい12歳ぐらいで能力値がフルになるのが一般的です。そこから覚醒してそれぞれ好きな能力を伸ばそうと選択授業をうけるというのが今の学園の方針のようですね」

サイコの疑問に答えるアレクの説明に補足をいれるイビル。


「そうだな。覚醒からはレベルにmがつくからな。ボウズは鑑定はできてるようだから見えてるだろ。覚醒後はなかなかレベルが上がらねーが能力値が1つ違うだけでかなりの差があるからな。別物だよ別物!」

サイコのせなかをバンバンたたきながらさらに説明を続けるアレク。地味に背中が痛い・・・


「あの・・・覚醒ってどうやったらいいんですか・・・おっしゃる通り、学園?には通ってないので・・・それに家族などもいないので頼れる人が・・・

(くそっ!こうなったら何が何でも覚醒してチートでハーレム自堕落ライフモードを手に入れてやる!!そのために利用できるものは何でも利用してやる!!!)」


「そうかそうか。よしっ!身寄りもないのであればわしがおぬしの後見人になってやる。気立ては良いだろうしわしの弟子として一人前の魔導士に育ててやるわい!」

ウィンは涙をこらえなからサイコを抱きしめる。


身にまとう若草色のローブがふらふわで安心感はあるかちょっと臭い・・・そう思うサイコだった。



<登場人物紹介>


+天武最強(テンブサイコ)

種族 人族 / 年齢 18 / 性別 ♂ ※転生前は90歳で没

主人公 前世ではスーパーエリートで異世界にチート満載で転生したはずが・・・


+女神

あらゆる世界を管理する女神

慈悲深く見目麗しい金髪美女。

サイコに望みのままにチートを与えて異世界に転生させた。

心が読めるためサイコの腹黒い本音も聞こえてしまっているため内心ブチギレで送り出す。


+アレク

種族 人族 / 年齢 38 / 性別 ♂

赤毛で髭もじゃの丸太のようなガタイのおっさん

護衛任務にあたる中堅冒険者パーティ「赤い盾」のリーダー

職は拳闘戦士


+イビル

種族 人族 / 年齢 30 / 性別 ♂

金髪やせ型の優男 「赤い盾」の回復&補助魔法の頼れる男

職は神官


+ウィン

種族 人族 / 年齢 66 / 性別 ♂

白髪頭のおじいちゃん 「赤い盾」の攻撃魔法担当

職は黒魔導士


現在のサイコ

種族 人族 / 年齢 18 / 性別 ♂

LV 999

力 9999

守 9999

知 9999

速 9999

スキル 鑑定 言語疎通 肉体強化 魔力増強

魔法 転移 浮遊 治癒

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