第3話 嘘告③

俺はあの教室での話を聞いてから、あの女子の集団の事を全く信用できなくなった。あの女子達とは、入学した当時から仲良くしていたが以前のように接することは出来ないだろう…


結局はあの女子達が俺に接してきたのは遊べる玩具オモチャが欲しかったんだろう…そして今まで優しくしておくことで、遊んで使い果たした時のを増幅させたかったんだろう。


だが、俺はそんな玩具になるつもりは無い。今日も学校に登校して早々に話しかけてきたから対応しないといけないな…昨日の会話を聞いた上で会話をする自信がない。


「冴橋君おはよう!!今日も学校頑張ろうね?」


「うん…おはよう笹原さん」


「大丈夫?今日はなんか元気ないけど…どうかしたの?」


「いや…ちょっと調子悪くて…」


「それじゃあ保健室行ったほうが良いんじゃない?体調悪くなった後だと、学校に復帰するのに時間がかかっちゃうよ?」


「大丈夫。今まで体調を崩したこと無いから」


「前から思ってたんだけど、冴橋君って面白いこと言うよね?クラスの中で目立ってるわけじゃないけど、顔もいいし!!女子からも結構人気あるんだよ?」


「それはうれしいね…でも俺はそんなに顔がいいわけじゃないよ?」


「そんなことないって!!」


顔は笑顔でいるが、内心では俺のことを笑っているんだろう…そしていつか俺が絶望している表情を見て湯悦に浸りたいんだろう。なんだろう…見てて凄く


するな…


そんな風に思っていると、教室のドアが開けられた…教室のドアを開けた人を知るために顔をそっちの方に向けると、そこにいたのはクラス担任だった。


「皆さん!!ホームルームを始めるので席についてください!!」


クラス担任は全員が席についたのを確認すると、出席簿を取り始めた。クラス担任は全員の出席を確認すると、今日の予定について話し始めた。


「本日の一時間目にテストがあります!!テスト科目は数学ですので、がんばってくださいね!!基本的にはそれ以降の授業は通常通りですので、いつも通り元気に過ごしてください!!それでは皆さん今日も一日頑張りましょう!!」


そう言えば、昨日からずっと感じていた物のせいで、勉強という勉強をしていないな…しっかりとテストをしなければ…




俺はこのテストの成績について、放課後クラス担任に呼び出された。要件は…




「俺がをしたと?」


「えぇそうですよ。誠に残念です…」


「俺がカンニングをしたという決定的な証拠はありますか?そうですね…例えば、机の中にカンニングペーパーがあった。もしくは、他人の答案用紙を覗き見ている瞬間を撮影したもの等ございましたら提出していただけますよね?」


「はぁ?貴方がカンニングをしたという報告を受けたから…」


「証拠はあるんですよね?それとも俺を貶めたいんですか?決定的な証拠があるならともかく、俺はしていませんからね…貴方は私にカンニングを認めてほしいんですか?それでカンニングを認めたという事を上に報告すれば、面倒な処理をしなくてはいけない作業をしなくて済む…そう思っているんじゃないですか?」


「ですから!!貴方がカンニングをしたという報告を受けたんです!!」


「それはどなたからですか?俺よりもその報告してきた人間を信用しているのかは知りませんが、貴方はやってもいないことを他人からやったと決めつけられたら、どう感じますか?おかしいって思いませんか?」


「…」


「俺はクラス担任としていつも頑張っているであろう貴方に疑われて非常に残念です。決定的な証拠があったとしても、俺はやってないと言い続けますし、今回の件を最悪は貴方達の上…教育委員会にでも言いましょうか?『何もしてないのに、「カンニングをしたんだろ!!」と言われて辛いです』こんな感じで言えば対応してくれるでしょうね」


「教育委員会って…」


「そうですよ?まぁ、その前に校長先生に対応してもらわないといけないんですけどね?」


「…」


「話は終わりですか?貴方は報告だけで、俺がカンニングをしたと決めつけたんですよ?何か俺に言わなくちゃいけないことあるんじゃないですか?」


「…」


「どうして黙っているんですか?人間、悪いことをしたら謝罪しないといけないって親や周りの人たちに言われませんでした?」


「…この度は、私の勝手な判断でカンニングを疑ってしまい申し訳有りませんでした」


「そうですよね?今後はどうするんですか?俺はまた、証拠もなしに疑われたくありません…もしかすると、今回みたいに貴方が他の生徒に対しても証拠もなしに呼び出して、同じことを繰り返すかも知れないじゃないですか」


「…以後気をつけます。すみませんでした」


「先生も教師っていう職業上、そういうのに対応しなくちゃいけないのは分かるんですけど、そういう軽率な行動はやめて欲しいです。もし今回、俺以外の人だったらとして処理してたんじゃないですか?その場合は成績がつかないんですよ?分かってるんですか?」


「…」


「もう良いです…これ以上は」



先生はもっと早く過ちを認めて謝ってくれると思ったんだけどな…正直残念だ。


それに、俺が気づいていないと思ってるのかも知れないけど、俺の両親のことを内心馬鹿にしてるのは絶対に許さないからな?



そして、先生からテストについて聞かれた放課後…俺はまた教室で数人の生徒が話しているのを目撃した。

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