記念ショート05 とある夏の日



2万PVありがとうございます!!

こちらは物語開始の1年弱前の夏のできごとになります。



 Side 美冬



 はぁ… あっつい…


 夏は苦手…


 なんでこんなに暑いんだろ…


 夏なんてなくなればいいのに…


 7月の終わりにゼロは新しい長期依頼だとかで行っちゃった。


 あたしたちはBランクになったしもう大丈夫だろうって…


 もう会えないのかな…


 そんなことない!


 絶対また会う!


 ゼロにあたしの作ったものをいっぱい食べてもらう!



 食材の買い出しも炎天下だとほんとつらい。


 でもこうして日々の積み重ねで腕を上げる。


 姉さんと美夏は喜んでるけど、これは全部ゼロのため。


 そう思ったらこの買い出しも頑張れる。


 でも暑い…


 早く帰ろ…




 Side ???




 でゅふふ…


 この間とうとう闇魔術を習得したんだ!


 これでボクは…




 でゅふふふ…


 高校生も、人妻も、闇魔術の認識改変で好きにできた!


 やっぱり闇魔術は最高!


 ボクのことをソイツの好きな人と誤認させるようにかけてやればもうあとは…


 でゅふっ 記念すべき10人目は誰にしようかな…


 ぬ! あの娘は!!


 背はちびっこいのにいいおっぱいじゃない!?


 それに顔もめっちゃ可愛い!!


 これはもうボクが手を出すしかないって神のお告げ!


 10人目はこの娘に決まりだなっ★




 Side 美冬




 はぁ…


 家までもう少し…


 飲み物でも買っておけばよかった…


 つっ………


 なに?


 一瞬頭が痛かったけど…


 え?


 ゼロ…?




「でゅふっ 久しぶりだねっ

 こんなところで会えるなんて奇遇だなっ★


 ボクといいことするんだなっ!」



 ………?


 ぜろ?


 ゼロにしてはなんか気持ち悪い…


 それに匂いも違う…


 これは偽物…?


「あんただれ、

 帰るところだから邪魔しないで。」


「でゅふっ? かかりが悪い?

 ならもっと出力を上げるんだな!」



 いった…… さっきより痛い。


 あれ? やっぱりゼロだ…



「さぁ、こっちに来るんだな! ボクといいことするんだな!」


「いいこと…?」


「そうだなっ! いっしょに楽しいことするんだなっ!」


「うん… する…

 いくよ… 氷よ!」


 ゼロと楽しいこと… する…


 ゼロと模擬戦する!


 いつも楽しい!


 まずは氷の矢で弾幕!



「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!


 むりむりむりむりぃ!!!!!


 ボクは打ち合いは弱いんだなっ!?


 この娘ハンターだったんだな!?


 こんな弾幕で撃てるハンターに勝てるわけないんだなっ!」



 …あれ?


 ゼロが逃げた?


 この程度で?


 今のは偽物…?


 でもなんで本物っぽく感じたの…?


 あとでゆかりに聞いてみよ。


 それより早く帰らないとお肉が悪くなる。


「今日はチキン南蛮にするんだから早く帰らないと。」





 Side ???




 ひどい目に遭ったんだな…


 こんなところでハンターに出会うなんて…


 あんなちびっこであの強さは異常なんだな…


 次はもっとよく相手を選ぶんだな…


 でも記念の10人目は大事にしたいんだな…


 妥協とかはしたくないんだな!




 お!


 この娘もいいんじゃない?


 おしとやかな雰囲気がまたそそるんだな!


 こんどは最初から強めにいくんだな!




「あれぇ~?

 そこにいるのはぁゼロさん~?

 こぉんなところでぇどうしたのですかぁ~?」


「でゅふっ ボクとあそこのホテルに行くんだな!

 いっぱいいいことするんだなっ!」


「はぁ~い いっぱぁいいいことしましょぉ~


 ……なんていうと思ったか?」


「でゅふ!?」


「てめぇ… よくもまぁ、こんな舐めたことしてくれたもんだなぁ?

 覚悟はできてんだろぉなぁ? あぁん?」


「ぴゅっ!?」


「気色わりぃ声出してんじゃねぇぞこらぁ!

 燃えて死ねや!!!」


「ぴぎゃああああああああああああああああああああああ!!!!!」





 はぁ、はぁ、はぁ…


 ほんと死ぬかと思ったんだな…


 あんなおとなしそうな見た目でいきなり口調も雰囲気も変わるなんて…


 これがギャップ萌え? ギャップ燃え!?



 でも不思議なんだな…


 ボクの認識改変が効かないなんてことがあるんだな?


 だとしたらさっきの娘は僕より上の魔術師ってことになるんだな…


 ボクはこれでもBランクで闇魔術2を持ってるんだな!


 レジストできるとしたら魔術で3以上は持っているってことなんだな。


 3以上って言ったらBランクでも上位に入りそうなんだな…


 最初の氷の娘もそれくらいありそうなんだな…


 

 どうなってるんだな…





 ボクは諦めないんだな!


 今日中に10人目の記録を作るんだな!




 なん… だと……


 ボクの理想が服着て歩いてるんだな!!


 小柄で華奢な身体に控え目なお胸!


 顔は少しキツめだけどそれがイイ!


 それをボクがとろけさせるところが見たいんだな!!


 もうこの娘しかいないんだな!


 後で頭がパーになってもいいんだな!


 最高出力で魔術をかけるんだな!!!




「いたっ…」


「大丈夫なんだな?

 向こうで休むといいんだな、ボクが付き添ってあげるんだな。」


「…は?」


「でゅふ? どうしたんだな?」


「あんた… いきなりひとに魔術をかけるってどういうつもりなの。」


「な… なんのことなんだな?

 ボクは具合が悪そうなキミを心配して声をかけただけなんだな…?」


「へぇ… そういうことを言うのね。


 それに今のは闇の魔術よね、しかも精神操作系の…


 自分が使ったんだから使われても文句はないわよね。」


「でゅふ? な… なにを言っているんだな…?」


「魔術まで使えるってことはハンターよね、私の実験台になってもらうわ。」



「ぴぎゃあああああああああああああああああああああ!!!

 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!

 あひゅぅぅぅううう!! あぅあぅ!!

 ぎんもぢぃぃんだなぁぁぁぁあああああああああああ!!!」



「うっわ… きもちわる…

 感覚操作って初めてやってみたけどこうなるのね、拷問とかには使えそうねぇ。

 三上さんに教えとこう。」


「あ、三上さん?

 さっき気持ち悪い男に絡まれて、


 え? 私は怪我してないから大丈夫です。

 拘束してるので引き取ってもらえません?


 はい、逃げないようにだけ気を付けますね。」




 Side 三上




 このクソ暑いときにこんなクソの相手かよ…


 ゆかりくんがいい感じに仕上げてくれたから尋問は楽だった。


 ゆかりくん以外にも狙っていたのが2人とは別に余罪もあるのか。


 ほぅ… Bランクならそれなりに貯めてるか。


 俺から被害者に回すか…


 まったく、クソなハンターは減らねぇなぁ…

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