045 みんなとデート回 4枠 (注:後半えっちかもしれません)




「お疲れ様、小百合との模擬戦はどうだった?」


 美春さんか、このタイミングで出て来るってことは次は美春さんかな?


「あぁ、強かったよ。 十分にAランクで通用するし、今後はSランクまで狙える実力は感じたね。

 ただ、多少でも魔術を使えるようになっておかないとSランクでやっていくには厳しいかな、Sランクに要求されるのは汎用性と殲滅力になってくるからそこをパーティーで補うだけじゃなくて個人でも満たせれば個人Sランクも見えて来る。」



 そう、Sランクに出される依頼ってのは本当に無茶ぶりが多い。

 氾濫直前まで放置され、中のモンスターの傾向すら曖昧な甲種なんかにいきなり入れって言われるくらいは普通だから。

 俺以外のSランクには事前調査がないと入らないって突っぱねるやつらもいる。 自分の安全を考えると当然なんだけど、そうなってくるとAランクかBランクに調査をさせることになるし、そいつらの犠牲は必ず出る。

 俺の個人的な気分として犠牲を出して調査はさせたくないし、みんなにもさせてほしくない。 最終的にダンジョンを踏破したとしても犠牲になった他のハンターやその関係者からの恨みってのは残るから。



「そうか… 小百合にはだいぶ差をつけられてしまったな。」


「うーん… 魔法職と斥候職だと求められるものが違うから一概には言えないけど、美春さんは今後は広域殲滅系の魔術をいくつか用意できるといいかな。

 うちのメンバーだとゆかりが1つ使えるから聞いてみるといいよ。」


「なるほどな… そうやってメンバー同士の交流を深めるように誘導するんだな。

 でも今は私と2人の時間として過ごしてほしいものだ。」


 あれ? これって美春さんが甘えてる? 拗ねてる…?

 頬を少し赤くして若干上目遣いで…


 ちょっとかわいいかもしれない…




「これはどこに向かってるんだ?」


 美春さんはその後何事もなかったかのように俺を連れて車に乗り、発進した。


 うちのマンションでは事前予約で住人が好きに使える車を何台か用意しているがその1台を予約していたらしい。


「さて、どこに行こうか? 零司の好きなところでいいぞ、なんなら海の見えるホテルにでも行くか?」


 おいおい… 誘ってるのか? 俺も男なんだからそう言われたら乗ってしまいそうになる!


「いいね、じゃあそうしよう。

 〇〇ってホテルはわかるかな?」


「あ… あぁ… わかるぞ、大学時代に同期が行ったことがあるらしくて絶賛していたぞ。 そこに… 向かえばいいのか?」


「うん、よろしく~」



 真っ赤になった美春さんは可愛いすぎないか!?

 ネガティブな反応じゃなさそうだからこれは…


 いやいや! 俺は昨日ゆかりと結婚することにしたばっかじゃないか!

 さすがに昨日の今日で2人めに手を出すのはダメだろ!



「美春さんって運転上手いな。」


 陽菜を迎えに行ったときは小百合の運転だったから美春さんの運転は初めてなんだ。


「そうか? 月に1回くらいは乗って感覚を忘れないようにしているからかな? ペーパードライバーはちょっとな。」


 たしかにね、俺もランク上げて運転するかな、こっちに来てからしばらく運転してないけど大丈夫だよ…な?




「いらっしゃいませ。」


「予約をお願いしていた神薙です。」


「承っております、ご案内いたしますのでどうぞこちらへ。」



 昨日のホテルよりもこちらの方が対応がいい気がするね。

 俺たちがイラついていたからかもしれないけど…



「こちらのお部屋となります。 ごゆっくりおくつろぎください。」


「ありがとう、ルームサービスを頼みたいんですがどうしたらいいでしょう?」


「はい、こちらがメニューとなっておりますので内線でお申しつけください。」




「ふぅ… とりあえずなにか頼もうか、美春さんはなにがいい?」


「え? あ… いや、なんでも…」


「緊張してる? とりあえず飲みものと軽くつまめるものを頼もうか。

 酒は… 次の機会に一緒に飲もうね。」


「おい! お前はまだ!」


「そうだけど、家ならゼロってことにしとくから大丈夫。

 それにBランクなんて今回の騒動が終わったらすぐ上がるよ。」


 ぶっちゃけた話し、協会としては俺をすぐにでもAランクにはしたいと思うよ、俺が零司として活動するならゼロの活動が縮小されるのは察してると思うし、そうなると動かせる高ランクの人手という意味でね。




「ここはいい部屋だな、海が綺麗だし広くて…」


 美春さんはコーヒーを飲んで少し落ち着いたかな?

 部屋の感想がやっと出たよ。


「そうだね、俺は美春さんとここに来られて嬉しいよ。

 ただ2人でいられるだけで落ち着く…」


 2人で並んでソファに座ってコーヒーを飲む。

 なにをするわけでもないこんな時間もたまにはいいよな。


「その… な、零司は… ゆかりと… シたんだよな…?」


 ん? なんで美春さんはこんなに固くなってるんだ?

 たしかにゆかりとそういう経験はしたし、結婚することにしたけど…


「うん、そうだね。 それがなにか?」


「その… な? お前から見て私はどうなんだ…?

 私はゆかりと違って色々でかいし、喋り方はガサツだし、女として魅力は…」


 なにを言ってるんだ?

 美春さんに魅力がないわけがないだろ。


「美春さんは魅力的だよ、言葉は強いときがあるけどみんなをまとめようと気を配ってくれているし優しいのは知ってる。

 それに… 大きいのも男だからさ…」


「なら… 私とその… キス… できるか?」


「そりゃこちらからお願いしたいくらいだけど、俺でいいの?」


 この感じだと経験は多くはなさそうだよな…


「零司がいいんだ… 私を身体目当てじゃなく見てくれる、少し強引だけど私の…

 私たちのことを考えてくれている… それに親のことも…

 本当に感謝してるしその… な? わかれよ!!」


「あぁ… 俺も美春さんのことが好きだよ。

 今はまだだけどランクが上がったら結婚してくれないか?」


「ほんとだな? 嘘とか冗談とかやめてくれよ!?

 そんなことされたら私は… ん!?」


「うるさいよ。 美春さ… いや、美春はもう俺のことだけ見てろ。

 キスしたかったんだろ?」


 なんでだろ… 美春さん… 美春を見てると強引に行きたくなるんだ…

 キスして黙らせるなんて考えもしなかったんだけどな…


「ぁ…… 初めて… だったんだぞ…? もっと優しくしてほしかったな…」


「なら今度はそっちからしてくれよ、キス以上はさすがにゆかりに悪いからキスまでな?」


「もぉ… そんなこと言われたら止まらない…

 ちゅっ、ちゅっ… んっ… ちゅぅ…」


 なんだよ… 必死についばむようなキスを繰り返して…

 さっきまでより美春が可愛く見えてくるじゃないか…




「なぁ… キスならいいんだよな…?」


「あぁ、キスならゆかりも許してくれると思う。」


「まったく… 私にはこんなに強引なのにゆかりには尻に敷かれてるのか?

 でもそれなら… これもキスだから… いいよな…」


 べつに尻に敷かれてるわけじゃないと思う… ただ、結婚するって言った次の日に他の女性と関係を持つのはどうかと思うだけなんだよ…?



「ははっ こっちは素直だな。 大丈夫だ、これはキスだから…

 ちゅっ… ちゅっ… れろ… ちゅぷっ…」


「いや、これをキスだって言い張るのは無理が…」


「ちゅぱっ… なんだよ、2人がキスだと思えばキスだぞ…

 それに零司もいやってわけじゃないんだろ…?

 本気でいやなら力では勝てないんだ、押しのけるくらいできる。

 それをしないってことは… な?」


「いや、「な?」じゃないんだって… んんっ!」




 あれから美春の熱烈なキスで3回も搾り取られた…

 途中まで純情な感じだったのにどういうことだよ!?




「なぁ零司、もう私はお前のものだからな?

 お前以外にこんなことしないし死んでもお前のことだけを愛し続けるから…

 だからずっとそばにいさせてくれよ…?」


「当たり前だろ? 美春の男は俺だけだ。

 よそ見なんかさせないから、俺だけを見てろ。」


「うん… 愛してる… わたしのごしゅじんさま…」




 それから2人でシャワーを浴びて、ルームサービスで早めの夕食。


 最後まではしてないから…!




作者です


レビュー(⭐)、応援(♥)、コメント

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近況ノートに適宜連絡や感謝を書かせていただいております。


次回は2023.11.04 12時です。


11月は2日に1回、偶数日更新で頑張ります!


よろしくお願いします。

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