046 報告会②




「それじゃあ今日の報告をお願いします。

 美春姉さんのその顔はちょっと気になりますけどね!!」


「うん、姉さんのそのゆるみきった顔… ちょっと怖い。」


「これは何かあったわよね、後でじっくり聞くとして、まずは小百合ね。」


「はい、私は模擬戦をしてもらいました。

 正直手も足も出ないと思っていましたし実際そうでした。

 それでも私は最善を尽くし、零司さまから反撃をもらい肋骨を砕かれました。

 あの痛み… 私のことを認めてくださったことを心から嬉しく感じる時間でした。」



「えっと… 小百合さん…」


「少し… 怖いですね…」


「わかる、れーじが反撃をするのは必要なときだけ。

 それだけの実力って認められた証拠。」


「そうね、普通なら受け流してこっちのスタミナが尽きるまで打たせてくれるもの。」


「そういうことならおめでとうございます!

 小百合さんは零司さんに認められたってことですよね、いいなぁ…

 私も早く零司さんに… ふふふ…」


「陽菜ちゃん… ほんとに零司くんはスパルタね…」


「合計4回戦ってもらいましたが、1度も有効打は入れられず私がスタミナ切れになってしまい終わりました…

 お昼に零司さまにチャーハンを作っていただき食べましたが、本当に美味しかったです。 ドロップ食材を使っていたようですので美味しいのは当たり前なのですが、お料理の腕前の高さも感じましたね、私たちも頑張らねばなりません。」


「ちょっと待って!! どういうことよ小百合さん!

 零司くんの手料理を食べたの!?」


「そう… ですね… ふふっ その辺りについてはきちんとお話しを伺わないといけませんね… お1人だけずるいんじゃないですか…?」


「れーじの料理は美味しい。」


「そうね、男料理だとか簡単なものだとか言うけど私たち女からしたらそれも嬉しいのよね。」


「はい、何より気遣っていただけていると感じますし、その…

 愛情を感じました…」


「2人も食べたことあるの!?」


「美夏、この2人は以前はゼロとパーティーを組んでいたんだぞ、そりゃあっておかしくないだろ?」


「そーゆーこと。」


「陽菜はまだなんですからそういう流れに持っていけるようにしてみては?」


「うぅ… 陽菜ちゃんにも先を越されちゃう?」


「いえ… 私は自分で作ろうと思います…

 私の作ったお料理が零司さんの血肉となる… それが嬉しいんです…」


「あぁ… それはわかる気がするな。 でも零司から与えられたものが自分の血肉になるのも捨てがたいぞ?」


「そうね… 私も美春さんに近いかも。

 これは好みの問題かもしれないわね。」


「それより美春はどうしてたんですか?

 車を予約していたのは知っていますがどこへ?」


「あ… あぁ…

 ゆかり! すまない!!

 昨日2人が結ばれたのはわかっているが自分を止められなかった!」


「…どういうことかしら?」


「その… 気持ちを抑えきれずにキス… してしまった…」


「うそ! 美春姉さん!? ずるい!!

 私もしたかった!!」


「美春さん… ふふっ… ふふふふっ…」


「姉さん、おめでと。」


「うん、いいんじゃない?

 むしろよく最後までしなかったわね、べつにしても文句言わないわよ?

 そのうちみんなそうなるんだから早いか遅いかの違いだし。」


「その… キスしたのは口だけじゃないんだが…」


「あぁ… さっきのはそういうことだったのね。

 それもいいわよ。

 私は独占しようなんて思ってないから。

 2人が納得したタイミングですればいいわ、これはほかのみんなも同じよ?

 あんたたちも独り占めしようとか思ってないでしょ?」


「うん、最初からゆかりと2人なのはわかってた。

 それが増えただけだから気にしない。」


「そうですね、零司さんほどの方を独占なんてできません。

 私はただこの身、この心のすべてを捧げるだけですから。」


「私もですね、あの方に尽くすことができればそれでいいので。」


「Bランクからは許されるんだからいいよね、早くBになってほしいけど。」


「お前ら… 抜け駆けみたいなことをしてすまなかった…」


「だからもういいって、それで美春さんはどこに行ってたの?

 あの零司がそこらへんで済ませるとは思えないけど?」


「あぁ、〇〇ホテルってところに行ってな、海がすごく綺麗でいい部屋を取ってくれたんだ。 知り合いは「あんなホテルに部屋を取ってくれたら確実に落ちる」って言っていたな。

 普通の部屋でも落ちるんだ、もう落ちている私には刺激が強すぎて暴走した…」


「すっご! 美春姉さんあのホテルに行ったの!?

 あそこは予約が取れないって有名なのよ!?」


「あそこはね、ゼロさんが融資してるって聞いたことがあるわ。

 その関係かもね。」


「はぁ… やっぱり零司くんって雲の上のひとっぽいよ…

 諦めたりはしないけど!」


「そうだよ! 一緒にがんばろ!」


「それじゃ、美春さんの話しも済んだしこっちの報告ね。

 じゃーん! 私たちで無事に届を受理してもらいました!

 今日から私は神薙ゆかりよ!

 でもしばらく外向きには平坂のままでいくわ。

 どうせならみんな一緒に名前を変えましょ?」




作者です


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近況ノートに適宜連絡や感謝を書かせていただいております。


次回は2023.11.06 00:05です。


11月は2日に1回、偶数日更新で頑張ります!


よろしくお願いします。

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