第24話 魔導王国に激震が走る
ーー 魔導王からの呼び出し
魔導王国の国王は「魔導王」と呼ばれている。
そ理由は代々魔道具製作の上位スキルを持って生まれるからだ、今代の魔導王も同じでさらに魔法もよく使う魔法師である。
その魔導王の耳に我が魔導王国以上の魔法陣を描き騎士団を殲滅できるほどの者がいると入ったのだ。
興味を示さないはずがなかった。
「その者らをここへ」
鶴の一声である、即座に家臣らは学園に赴き学園長に依頼した。
「うん〜どうしましょうか。魔導王の言葉とはいえ何か対価がなければむすかしいですよ。」
「何と言うことを、魔導王陛下のお言葉である。喜んで来るはずである。」
と言う家臣に
「いえいえ彼らは他国の貴族、呼びつけるようなことでは両国の信頼にもひびが入りかねません。」
「先ほどから聞いておれば学園長、どちらの味方であるか?」
「私はこの国を愛しております、だからこそ言っているのです。貴方たちは騎士団長らの話を聞いて来たのですか?もしそうでなければ出直してきてください。」
ときっぱりと撥ねつけた。
家臣らはその足で騎士団へ、そして団長以下の話を聞いて青くなってしまった。
「もし彼らの機嫌を損ねたら・・・どうなる?」
「最悪は魔導王国が潰されます。」
「!分かった、陛下にもう一度進言しよう。良ければその方一緒に来てはくれぬか?」
騎士団長を伴った家臣は陛下の面前で
「気安く呼び出すべきではない者たちです、ここは礼を持って声をかけましょう。」
と言うことになった。
ー 魔導王の御前で
「お初にお目にかかります、シャドー=カスタードです。」
「その方がこの魔法陣を描いた者か、これは我が最近描いた魔法陣である。分かるか?」
と言いながら一つの魔法陣を手渡された。
「・・・」
「分からなくても問題ないぞ、この国でもわしぐらいしか描けなものだ。」
と自慢げに言う魔導王
「いえ、この魔法陣の改良を考えておりました。よく考えられた空調の魔法陣です、しかし魔力の無駄がまだ多いです。」
と答え始めその後はその場で改良魔法陣を描き説明し始めた。
「しかしそれでは少ししか改良できてはおらんではないか・・!これは何かな?」
「無属性魔石を原動力にする魔道具の印です。」
「何!無属性でこれらを起動できると言うのか?それならば数分の一しか魔力が要らずに済むではないか。も真このような物が存在するのか?」
「はいあります。私たちが乗ってきた魔導馬車がその装置を導入しております。」
「それは是非に見てみたい。」
「それではお庭を拝借」
と言いながら魔導王と共に中庭に、そこで収納から魔導馬車を取り出す。
「この馬も魔道具であるか?」
「これはアンドロイドというゴーレムみたいなものです。」
と言いながら馬車の魔法陣を見せ動力の魔石を見せた
「確かに無属性のしかも屑石ばかり」
感心している魔導王を乗せて中庭を移動する。
「眞こと信じられぬ馬車であるかな、恐れ入った。」
と脱帽宣言だ。
その後も魔道具談義に花を咲かせて2人は昔からの友のようになっていった。
「ここまで楽しい日はついぞなかった、感謝する。」
魔導王はそう言うと満足して帰っていった。
ー 留学生活後半
色々なことがあったが成果も予想以上あった、残りは観光でもしよう。
そこで学園長に申し出ると
「それは良いことじゃ、我が王国の良いところをたくさんみて帰ってほしい。」
と即許可が降りた。
僕らは王国内の名所を回る旅に出たのだった。
「どうして君たちが付いてくるんだ?」
ミルフィーユ王女はともかくミガロとエメロはまだ授業があるだろう?それにアリスとエルムが同乗している。
「この国の案内役ですわ。よろしく。」
アリスは名所を持つ領主の娘でエルムも別の名所の領主の娘だった。
ー コンスターチ領
ここはアリスの実家、コンスターチ伯爵家の領地。
「ここには大変美しい湖とそこに流れ込む大滝が名所です。料理もおいしいですわよ。」
との話で風光明媚な湖の近くの別荘に立ち寄り、美味しい食事を振る舞ってくれた。
「確かにこれは美しく、料理も極上だ。ブルーもそお思うだろう?」
「はい確かに極上です、しかし私からすればシャドー様の手料理とあの家以上のものは存在しません。」
言い切るブルーにどこで育て方を間違えたと考える。
2日ほど滞在して次にとエルムの実家に向かう。
「しかしこの馬車は何と言うか・・動くお城のようですね。」
エルムがそう言うとアリスも頷く
「そうか、お礼がてらに2人にも馬車を作ってあげようか?」
「ええ。本当ですか。是非お願いいたしますわ。」
アリスが飛びついた、するとミガロが
「その前に俺らにはないのかよ。」
と口を尖らせた
「ん!何か世話になったかな、覚えがないぞ。」
「いやいやそうではなかろう、同じ留学生仲間ではないか。」
と言い出すので
「まあ帰りまでに考えておくな。」
と返しておいた。
何故かミルフィーユ王女の物欲しそうな目が気になった。
ー エルムの里は温泉街だった
何やら蒸気のようなものがあちらこちらに見える。
「あれはひょっとして温泉か?」
僕の声にエルムが
「流石はシャドー君ですね、温泉をご存知とは。我が領地は温泉の湧く領地なのです。」
と言いながら自慢げにその効能を話すエルム、そしてエルム御自慢の温泉宿に着いた。
「まさに温泉旅館だこれは。」
感心しながら部屋に入り早速温泉へ。
「おお良いなこれ、体の疲れが吹き飛ぶようだ。」
じっくりと手足を伸ばしてカミュとミガロで温泉に浸かっていると新たな声が聞こえてきた。
バスタオルを巻いてエルムやミルフィーユ王女らがが現れたのだ。
「何で?」
「ここは混浴なのですよ。」
と言いながらエルムが平気な顔で横に入ってくる。
そうかこの地方は混浴が普通なのか、と考えながら郷にいれば剛に従えだなと思った。
嬉し恥ずかしの混浴体験を済ますと食事が運ばれてきた
「これもまた素晴らしい、ありがとうなエルム。」
お礼を言うと
「私の領地の宣伝にもなりますので問題ないです。」
と答えた、そうだうちの領地でも温泉を掘ろうその時思いついたことだった。
思わずそこには5日ほど居着いてしまった。
その後も名物や名所を回りながら一月ほどの観光を終えて学園に帰ってきた。
ーー 帰還の日
3ヶ月間の短い期間ではあったが僕たちは良い体験ができたと思っていた。
そして別れの日だ、いつの間にか仲良くなったクラスメートと騎士団の人が勢揃いで見送ってくれた。
「楽しかったまた遊びに来るよ。」
と声をかけて僕たちは帰ることになった。
「どうだろう、このまま馬車で帰るのも良いが同じ道だから転移魔法で帰りたいと考えているのだが、どうかな?」
僕の言葉にブルーとカミュは即賛成したが残りは
「何を意味のわからない話をしてるんだ、転移しかも皆をホラも大き過ぎては誰も騙せんぞ!」
ミガロが言う、するとミルフィーユ王女が
「もしそれが本当であれば私は他に見たいと思います。」
「王女!そんなホラに・・」
「はい多数決です、決まりですね。では転移」
一瞬空間の歪みを感じてすぐに元に戻る、外に出るとそこは
「スリランド王国の王都が見えます。帰って来たのですね。」
ミルフィーユ王女が感動しながらそう呟く
「嘘だ、いくらシャドーでもこんなお伽話の魔法が・・」
何だか思い詰めたミガロはその後何も言わなくなった。
その日のうちに帰還した僕らはその足で国王に報告して解散になった。
ー スリランド国王 side
「本当に魔法で帰って来たようだ。学校長から向こうの学園長の手紙で様子を事細かく知らせてくれていたが、本当に今回あの子らを向かわせて良かったと心から思った。
しかも魔導国王からの友好条約の親書まで送られて来た、よほど早く我が王国と友好の契りを決めたいようだ。それほど彼は恐ろしいのだろう。」
深く考え込む国王暫しのち
「でもそんな彼が義理の息子になるのだ、心配などない。」
と考え直したようだ。
「もう一度褒美を与える必要があるようだ、準備を頼む宰相」
「はッ、直ちに」
ー 3学年最終月
結局僕らは卒業前に一つ貴族位をあげられたのだった。
・ 伯爵位 〜 シャドー
・ 子爵位 〜 カミュ
・ 騎士爵 〜 ブルー
となった。
ーー 里帰り
卒業を期して一旦僕らはそれぞれの道に別れた。
僕はブルーと実家のある開拓村に向かった。
「父さん、母さんただいま帰りました。」
「「おかえり(なさい)」」
2人が暖かく迎える、その横で
「お兄様、お姉様お帰りをお持ちしておりました。」
とアスカが挨拶をした。
「ああただいまアスカ変わりはなかったかい?」
「勿論でございます、調整も問題なく済みましたいつでも準備は出来ています。」
と答えた。
その後、僕は両親に僕の領地に引っ越し事をお願いして一足先に領地へとブルーとアスカを連れて向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます